湾岸エリアの複合商業施設「パレットタウン」が順次営業を終了。来年早々にZepp Tokyoやヴィーナスフォートが閉館することが発表された。「パレットタウン」が再開発、ヴィーナスフォートやZepp Tokyoが営業終了

 湾岸エリアの目印のひとつだった大観覧車も2022年夏に営業を終了することになった。

 これには、驚きと落胆の声が上がっている。が、古くなり、集客が減った商業施設はためらわずにつくり替えてゆくのが、今の商業施設運営の考え方。そのため、土地を15年とか20年の定期借地で借りて運営し、業績がよければ継続。業績がわるくなれば、あっさり打ち切る。ドラスチックに決断され、集客が落ちても営業を続け、ゴーストタウンのような姿をさらすというようなことがなくなった。

 パレットタウンも、ちょうど潮時を迎えたということだろう。湾岸エリアに賑わいを創出する役目を果たし、新たな世代にバトンタッチする時期が来たわけだ。

 新たな施設ができるので、その楽しみもある。併せて、気になるのは、再開発によって、マンションができる可能性があるのか。できたらどうなるのか、ということ。湾岸エリアのマンション市況を踏まえて、予想を試みたい。

隣接する「港区台場」は、湾岸でも特別な場所

 「パレットタウン」があるのは、湾岸エリアでも奥のほう(都心から離れたほう)。フジテレビ本社があるゆりかもめ台場駅の南側だ。そのため、「台場のパレットタウン」という言い方がされるが、正確にはパレットタウンの住所は「台場」ではない。

 フジテレビ本社があるのは「港区台場」なのだが、パレットタウンがあるのは「江東区青海(あおみ)」。最寄り駅はゆりかもめの青海駅だ。

 なぜ、そのように細かなことにこだわるか、というと、湾岸マンション市況において「台場アドレス」は特別な意味があるからだ。

 なにしろ、台場は港区であるし、フジテレビ本社も同じ町内。一方で、「港区台場」には分譲マンションの数が少なく、新たなマンション開発もできないため、「台場のマンション」は希少価値が高くなっている。

 港区台場は、湾岸のなかでも特別なマンション立地なのだ。

 残念ながら、パレットタウンの敷地は、港区台場ではない。が、港区台場に隣接している。そして、江東区青海であれば、港区台場では不可能な新規マンション開発も可能と考えられる。

 さらに、パレットタウンの場所は、ゆりかもめ青海駅直結であるとともに、東京りんかい線東京テレポート駅から徒歩3分となる。港区台場エリアより交通アクセスはすぐれているのだ。

 そんな場所で、もしマンションがつくられたら、と期待が高まる。

じつは、コロナ禍でも好調にマンションが売れている湾岸エリア

 湾岸エリアには超高層マンションが林立しており、その数は、今も増え続けている。その売れ行きは、2018年から19年にかけて一部鈍化した物件もあったのだが、コロナ禍で完全に復調。以前より売れ行き好調になっているのが実情だ。

 湾岸エリアは都心の外周部に位置し、大手町や銀座、東京駅など都心の中枢部に自転車で行くこともできる便利さと、都心としては安く、広めの住戸が買えること、公園が多く、人気の高い公立小中学校がそろっていることなどが人気の理由だ。

 その湾岸、パレットタウン周辺エリアで、新たな商業施設とともに超高層マンションが分譲されたら……青海駅エリアで初のマンションとなり、初お目見えのマンションは安く分譲されることが多いので、爆発的人気となる可能性がある。

 といっても、駅に近く便利な場所なので、分譲ではなく、賃貸や定期借地権マンションになる可能性もあるのだが……。

 分譲にしろ、賃貸にしろ、ファミリー向けの大規模マンションを建設する場合、近くに新たな公立小中学校をつくる必要が生じる。江東区にとっては、頭の痛い問題となるだろう。そう考えると、マンションの開発許可を得るのは簡単ではない。

 と、ここで注目したいのは、青海駅の南側に倉庫街や未利用の埋め立て地があること。そのなかには、東京五輪でカヌー、ボートの競技で使用される海の森水上競技場と馬術競技が行われる海の森クロスカントリーコースもある。

 いずれ、住宅やオフィス、商業施設などを増やしてゆきたい場所である。

 これから新たに開発が行われる可能性のある場所が広がり、パレットタウンはその玄関口にあたる。

 となれば、パレットタウンの再開発は、20年後、30年後を見据え、行政とタイアップしたスケールの大きなものになり、そのなかにマンション建設が含まれる可能性がないとはいえない。

 マンションを含め、驚くような計画が打ち出されて、地域の開発をリードする場所となる……これまで、湾岸エリアではそのような手法で開発が行われてきた歴史がある。

 「パレットタウン」の営業終了は寂しい。しかし、これからの楽しみは、非常に大きいといえるのである。