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この手があったか! 大規模マンション「キャナルゲートシティ」の新しい地震対策

櫻井幸雄住宅評論家
阪神淡路大震災で分譲マンションの多くは倒壊しなかった。が、揺れの被害はあった。(写真:GYRO_PHOTOGRAPHY/イメージマート)

 マンションには、災害に弱い側面と強い側面がある。

 弱い側面としては、災害で停電が発生すると、エレベーターが動かず、地上20階以上となる超高層マンションでは上層階住人の「足」が奪われてしまう。停電で水道設備が停止し、水道管が無事でも配水ができずに断水状態になりがちなのも、マンションの短所とされる(この短所を補うため、今は非常用電源が拡充している)。

 一方で、マンションの強さは、建物が頑丈であること。大地震でも倒壊や重大な損壊を起こさないのは、鉄筋コンクリート造のマンションならではの強みとなる。

 あまり報道されていないが、2019年の秋、千葉県の房総エリアが複数の巨大台風によって大きな被害を受けたとき、房総半島に位置する五井や蘇我といった、エリアの拠点駅周辺では、マンション購入希望者が増え、局地的なマンションブームが起きていた。最大瞬間風速が50メートルを超えるような強風にもびくともしないマンションが人気を高めたわけだ。

 その房総エリアで、新規に販売開始となるマンションが「キャナルゲートシティ(正式名称:ルネ市原八幡宿)」。総戸数219戸となる大規模マンションで、その特徴には「災害に強い」ことが含まれる。

 といっても、新しく開発された制震装置とか、電気設備を備える、というわけではない。新開発の装置を使うのではなく、既存の技術を組み合わせ、意外な災害対策を実現する。なるほど、その手があったか!と膝を打つ工夫を複数凝らしているのである。

 その内容を紹介したい。

大地震が起きたとき、住戸内で一番安全な場所とは

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住宅評論家

年間200物件以上の物件取材を行い、全国の住宅事情に精通。正確な市況分析、わかりやすい解説で定評のある、住宅評論の第一人者。毎日新聞に連載コラムを持ち、テレビ出演も多い。著書多数。

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