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ムクの床材にこだわり当たり前の設備を2つも外した、「レ・ジェイド浦和」の勇気

櫻井幸雄住宅評論家
壁と天井を珪藻土仕上げとし、床にオークのムク材を使用した室内が独創的だ。筆者撮影

 壁と天井を珪藻土(けいそうど)仕上げにし、床はオークのムク材。二重窓の内窓を障子に変更して、和のムードに仕上げているのは、この春、日本エスコンが分譲を開始した「レ・ジェイド浦和」のモデルルーム。さいたま市浦和区で、JR浦和駅から徒歩4分となるマンションのものだ。

 湘南新宿ラインで池袋駅まで18分の浦和駅を最寄りとし、同駅から徒歩4分という駅近でありながら、建設地は住宅地系の場所で環境がよい。加えて、子育て世帯に人気の高い「市立高砂小学校」の学区内に位置……立地面の長所が多いマンションなので、それだけでも注目を集めそう。

 しかし、同マンションは、建物のつくりにも力を入れている。

 冒頭の珪藻土、ムクの床材、障子には調湿効果があり、臭いを吸収するなどの働きも期待できる。長所の多い自然素材を内装に用いることで、室内の空気を心地よいものにしようという狙いである。

 珪藻土の内装は有償オプションになるのだが、床材に関し、標準仕様のシートフローリングからオークのムク材に変更するのは無償。つまり、ムク材の床は追加費用なし選べる(選択できる期間の制限はある)ことになっている。

 手間とお金をかけて、健康的な室内をつくり上げようとしているわけだ。

 このほか、同マンションは、共用部にも各住戸内にも独自の工夫が多いのだが、一方で、多くのマンションで当たり前の一部設備や仕様を適用しない、という特徴もある。

 その内容と理由を解き明かしたい。

エントランスに「気良石の小端積み」……読み方も分からない

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住宅評論家

年間200物件以上の物件取材を行い、全国の住宅事情に精通。正確な市況分析、わかりやすい解説で定評のある、住宅評論の第一人者。毎日新聞に連載コラムを持ち、テレビ出演も多い。著書多数。

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