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住宅ローン減税期間延長が注目されるなか、不動産業界が密かに期待する別の税制改正案

櫻井幸雄住宅評論家
分譲マンションの売れ行きは、住宅ローン減税で大きく左右されてきた。(写真:アフロ)

 12月に発表される2021年税制改正大綱で、住宅ローン減税の期間を延長する方向で検討が進んでいる。

 これは、新型コロナウィルスの影響で落ち込む住宅販売にテコ入れしようとするもの。なぜ、そんなに住宅販売を後押しするのかというと、住宅は内需を支える柱となるからだ。

 家が売れれば、不動産業、建設業はもちろん、外装・内装業、設備機器メーカー、電気ガス水道関連、造園業など幅広い分野で仕事が増える。

 さらに、引っ越し業者や家具販売、家電店にもニーズが生じる。経済への影響が大きいだけに、「家が売れるようにする」のは経済対策のキモ。だから、景気がわるくなったときは、「住宅ローン減税の大型化」に頼る傾向が昭和後期から続いている。今回も、また、その手を使われそうだ。

 が、いくら減税額を大きくしても、払った税金(主に所得税)しか戻ってこない。「毎年最大40万円」でも、自分が払った税金が25万円なら、25万円しか戻ってこない。減税額を大型化しても、その恩恵をフルに活用できるのは、一部の人だけとなるので、毎年の減税額は増やさず、期間を延ばすのが、近年のやり方だ。

 この「期間延長」はニュースで取り上げられやすい。

 しかし、今回の税制改正では、もうひとつ目玉となる案が議論されている。不動産のプロならば、多くの人が注目するその案とは……。不動産会社のなかには、すでにその対応策に着手するところも出ている、その「案」の中身を解説したい。

期間延長よりも、はるかに大きな影響を及ぼす改正案とは

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住宅評論家

年間200物件以上の物件取材を行い、全国の住宅事情に精通。正確な市況分析、わかりやすい解説で定評のある、住宅評論の第一人者。毎日新聞に連載コラムを持ち、テレビ出演も多い。著書多数。

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