Yahoo!ニュース

屋上の絶景を満喫するため、「ザ・タワー横浜北仲」に施された知られざる工夫とは

櫻井幸雄住宅評論家
超高層マンションの屋上は、足がすくむ高さ。そのため、特殊な工夫が必要に。筆者撮影

 4月23日の記事で、横浜に完成した超高層マンションからの眺望を紹介した。

眺望で価格が1億円も変わる? 横浜の超高層マンションで実際の景色を撮影してきた

 マンションの名前は「ザ・タワー横浜北仲」。横浜市内でみなとみらい21地区と関内地区の中間に完成した地上58階建ての超高層マンションだ。

 「超高層建築物」と呼べる建物は、地上60メートル以上(この高さから、建築するための基準が異なる)となる。マンションでいえば、だいたい20階以上。オフィスビルならば12階〜15階以上というのが目安だ。

 日本における超高層建築の第一号は、1968年にオープンした東京都千代田区の霞ヶ関ビルディングで、地上36階建て・高さ約147メートルだ。以後、オフィス、商業用に建設された超高層ビルでオープンエアの屋上を一般開放しているものはほとんどなかった。

 20世紀の間は、1993年に完成した大阪の梅田スカイビルに設置された空中庭園展望台(入場料が必要・現在休館中)くらいしか思いつかない。

 近年はオフィス・商業ビルで屋上を開放するところが増え、昨年11月にオープンした「渋谷スクランブルスクエア」の屋上展望施設「SHIBUYA SKY」では、地上47階建て・高さ約230メートルからの眺望を満喫することができる。これも入場料が必要で、ネット購入で大人1800円だ(現在、休館中)。

 これに対して、超高層マンションは、以前から屋上をくつろぎの場所として立ち入り自由とするケースが多かった。といっても、屋上に出ることができるのは居住者だけの特権で、当然ながら無料だ。「ザ・タワー横浜北仲」は、その完成形といえそうだ。

 オフィス用途の超高層ビルと超高層マンションとの違いは。そして、「ザ・タワー横浜北仲」にみる屋上利用の工夫を紹介したい。

超高層ビルの屋上に出てみると……

この記事は有料です。
資産価値はもう古い!不動産のプロが知るべき「真・物件力」のバックナンバーをお申し込みください。

住宅評論家

年間200物件以上の物件取材を行い、全国の住宅事情に精通。正確な市況分析、わかりやすい解説で定評のある、住宅評論の第一人者。毎日新聞に連載コラムを持ち、テレビ出演も多い。著書多数。

櫻井幸雄の最近の記事