眺望で価格が1億円も変わる? 横浜の超高層マンションで実際の景色を撮影してきた

この春完成したばかりの「ザ・タワー横浜北仲」地上58階建ての超高層だ。筆者撮影

 一般的に、超高層マンションは日当たりではなく、どんな眺望になるかで価格が変わる。「最高の眺望」を実現する住戸が8億円だったら、それに準ずる眺望の住戸は5000万円から1億円程度安く,7億円くらいになるのではないか(もし同じ広さの住戸があった場合の話)と思われるほどの差が生じるものだ。

 眺望によって、それほどの差が生じることはなかなか理解しにくい。そこで、完成したばかりの「ザ・タワー横浜北仲」で最高の眺望とそれに準ずると思われる眺望を撮影することができたので、紹介したい。

 撮影したのは、みなとみらい21地区と関内地区の中間でこの春完成した超高層マンション「ザ・タワー横浜北仲」(事業主は三井不動産レジデンシャルと丸紅)。全戸完売しているのだが、取材する機会があり、建物内に入れてもらえた。

 地上58階建て、総戸数1176戸の同マンションでは、約212平米で8億円という住戸も分譲され、2017年から18年にかけての分譲時に大きな話題となった。

 しかし、すべての住戸がそれほど高額だったわけではなく、4500万円からの価格設定で分譲された40平米台の1LDKもあった。そして、最多価格帯は6600万円だったので、5000万円台~7000万円台の2LDK、3LDKも多く販売された。

 眺望のよい上層階の大型住戸だけが、びっくりするくらい高額になったわけだ。そして、最上階住戸は広さだけでなく、向きによって、つまりどんな眺望になるかによっても価格設定が変わっていた。

 今回、取材できたのは、エントランスやラウンジ、ゲストルームといった共用部のみ。その中に屋上も含まれていたので、屋上から見た「最高の眺望」と「それに準ずる眺望」を写真に収めた。折しも、春の好天に恵まれた日の午前中で、空気も澄んでいた。最高の条件下の撮影である。

 ここで、ひとつお断りしておくが、「最高」と「それに準ずる」は、あくまでも私が感じた評価である。

第2位と考えられる眺望は海方向を向いたもの

 まず、紹介したいのが、最高に準ずる眺望、つまり第2位の眺望写真である。

58階建ての超高層マンション「ザ・タワー横浜北仲」の屋上から横浜港側を望む。筆者撮影
58階建ての超高層マンション「ザ・タワー横浜北仲」の屋上から横浜港側を望む。筆者撮影

 横浜港を望み、左手側にみえる「ヨコハマグランド インターコンチネンタルホテル」の白い建物が映える。同ホテルのフォルムは、ヨットの帆をイメージしたそうだが、その狙いがひしひしと伝わる眺望である。

 海のすがすがしさが好き、という人にはたまらない光景になるはず。これが第1位だろう、という意見も出てきそうだが、私のイチオシは、別の方角。みなとみらい21地区を真正面からとらえた眺望である。

これが、大金を出しても手に入れたい最高の眺望だ

 最高の眺望と思われるのが、下の写真。「ザ・タワー横浜北仲」の屋上から撮影したみなとみらい21地区方向の眺望である。

「ザ・タワー横浜北仲」から眺めたみなとみらい21地区。遠く、地平線の丸みも感じられるようだ。筆者撮影
「ザ・タワー横浜北仲」から眺めたみなとみらい21地区。遠く、地平線の丸みも感じられるようだ。筆者撮影

 中央部分にランドマークタワーがそびえ立ち、青空に突き抜けている姿は息をのむほど。中心に大型の建物があるので、構図にまとまりが生まれている。

 ランドマークタワーの下には、帆船、日本丸の姿がみえる。さらに手前の入江部分には観光船など船の往来も多い。魅力を盛り上げる要素がきれいにまとまっているので、やはり、この方角が最高の眺望となるだろう。

 これだけビルが多いと夜景も美しいはずだ。

 「ザ・タワー横浜北仲」で最高額となった住戸は、まさに、みなとみらい21地区の方角を向いたもの。この眺望が、あらかじめわかっていたわけだ。

 不動産会社は、建物ができあがったときの眺望を調べるため、今はドローンを飛ばすのだが、以前はヘリコプターを飛ばしていた。そうしないと、順当な価格設定ができないからだ。

屋上の眺望は、すべての居住者に開放される

 地上58階の室内でみなとみらい21方向の眺望を満喫できるのは、高額住戸の購入者。しかし、その上の屋上部分は「ザ・タワー横浜北仲」の居住者すべてに開放されている。つまり、居住者ならば、誰でも自由にこの眺望を満喫できることになる。

 ちなみに、「ザ・タワー横浜北仲」の建物内にはホテルもあるのだが、ホテル宿泊者は屋上に出ることはできない。屋上の眺望は、マンション居住者だけのものだ。

 そう考えると、4500万円からの価格設定で分譲された1LDKや5000万円台~7000万円台の2LDK、3LDKはお買い得だったのではないかと思えてしまう。が、繰り返すが、このマンションは全戸販売済み。今から購入するには、中古が出るのを待つしかない。

年間200物件以上の物件取材を行い、全国の住宅事情に精通。正確な市況分析、わかりやすい解説で定評のある、住宅評論の第一人者。毎日新聞に連載コラムを持ち、テレビ出演も多い。著書多数。

有料ニュースの定期購読

資産価値はもう古い!不動産のプロが知るべき「真・物件力」サンプル記事
月額1,100円(初月無料)
月3回程度
今、マンション・一戸建ての評価は、高く売れるか、貸せるかの“投資”目線が中心になっていますが、自ら住む目的で購入する“実需”目線での住み心地評価も大切。さらに「建築作品」としての価値も重視される時代になっていきます。「高い」「安い」「広い」「狭い」「高級」「普通」だけでは知ることができない不動産物件の真価を、現場取材と関係者への聞き取りで採掘。不動産を扱うプロのためのレビューをお届けします。

あわせて読みたい

Facebookコメント

表示

※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対してヤフー株式会社は一切の責任を負いません。