「五輪選手村マンション」異例の600戸が即日完売なるか 第1期きょう販売開始

HARUMI FLAGでは、8月4日まで第1期の分譲が行われている。筆者撮影

 HARUMI FLAG(晴海フラッグ)で第1期分譲が始まった。

 HARUMI FLAGは、東京五輪の選手村を五輪後に転用するマンションだ。といっても、正確にいうと、選手村がすべて分譲マンションになるわけではない。

 選手村として使われる24棟5632戸のうち1487戸は賃貸住宅となり、分譲マンションになるのは13棟の4145戸。さらにいえば、東京五輪終了後に超高層マンションが2棟建設され、それは純粋に新築分譲マンションとして販売される計画だ。

 選手村として使われた分譲マンションと賃貸マンション、五輪後に建設される超高層マンション、そして商業施設や保育施設を含めた巨大な街の総称がHARUMI FLAGとなる。

HARUMI FLAGのセンターエリアには五輪終了後に2つの超高層マンションが建設される計画。その価格がいくらになるか、は見当もつかない。完成予想図はHARUMI FLAG広報事務局提供
HARUMI FLAGのセンターエリアには五輪終了後に2つの超高層マンションが建設される計画。その価格がいくらになるか、は見当もつかない。完成予想図はHARUMI FLAG広報事務局提供

 今回分譲が始まったのは、HARUMI FLAGのうち、選手村として使われるSEA VILLAGE(シーヴィレッジ)街区3棟の211戸と PARK VILLAGE(パークヴィレッジ)街区4棟の389戸。合わせて600戸が第1期として販売されている。

これまで大量住戸が即日完売したのは、割安な物件だった

 第1期600戸というのは、驚くべき数字だ。今年2019年に販売を開始した首都圏の分譲マンションとしては最大となるのはもちろん、過去に遡っても、それほど多くの住戸を一度に販売するケースは滅多にない。

 私の記憶をたどると、これまで一度に多くの住戸を売ったマンションとして思い出すのは2物件。2008年8月にシティタワー品川が828戸を1回の分譲で即日完売し、2012年7月に分譲されたプラウド船橋では一街区と二街区の573戸を一度に売り出し、即日完売した。いずれも、オリンピックイヤーの夏に分譲されたのだが、それは偶然の一致。たまたま、そうなっただけである。

 それ以外の一致点で興味深いのは、2つのマンションがお手ごろ価格のマンションであったという点。シティタワー品川は、70年の定期借地権方式で3200万円台最多、80平米の3LDKが3600万円台など、べらぼうに安かった。プラウド船橋は3LDK、4LDKが2628万円~5706万円で3900万円台最多という価格設定で売り出され、こちらもお手ごろ価格で人気を集めた。

 これに対し、HARUMI FLAGはどうだろう。

 第1期600戸は、2LDK~4LDKで5400万円から2億3000万円。最多価格帯が8600万円台(シーヴィレッジ)、6400万円台(パークヴィレッジ)。残念ながら、誰でも購入できる価格設定ではない。

 高額住戸を一度にこれだけ大量に売り出すのは、前代未聞の出来事なのである。

600戸が一気に売れ、追加販売が行われる可能性も

 では、HARUMI FLAGの第1期600戸は売れるのだろうか。

 第1期分譲は、7月26日から申し込み受付が始まり、8月4日までが申し込み受付期間となる。そのため、現時点(7月26日)では、予測をするしかない。

 8月4日までに複数の購入希望がある住戸は翌5日に抽選が行われて購入者が決まる。一方、申し込みが入らなかった住戸は、8月5日以降、先着順販売されるのが一般的な手順だ。

 先着順販売の住戸が多ければ、「売れ行きはわるかった」と評価されることになるだろう。

 一方で、すべての住戸に申し込みが入り、「第1期完売御礼」とか「第1期全戸申込済み」というような表示が出れば、「売れ行きがよかった」という判定が出る。さらに、第1期販売が終わった直後に、「追加販売」として、第1期2次というような分譲が行われれば、予想以上に売れ行きがよかったことがうかがい知れる。「追加販売」は、抽選に外れた人が多く出たとき、外れた人たちにも買ってもらいたいと、急遽行われる分譲のこと。売れ行きが極めてよい証拠になるわけだ。

 さて、実際はどうなるだろうか。

 現在の都心マンション相場からみて、割安と判定される5000万円台の2LDKは抽選になるだろう。大型4LDKで2億3000万円というような特殊住戸も希少価値が高いため、購入希望者は多いはずだ。中間に位置し、数が多い80平米台3LDKがどれくらい売れるか、で勝負が決まるだろう。

 結論を申し上げると、私は、「第1期600戸は好調に売れる」と予測している。

 昨年10月17日の記事

東京五輪選手村は20年に一度のお宝物件か

 では、「勢いを付けるため、最初は、より割安な住戸が出される。駅から遠めの棟や低層階の住戸、目の前を他の建物で塞がれるような棟……その分、『そんなに安いの』と驚くような価格設定となる住戸だ」と書いた。

 第1期では、激安まではいかなくても、価格に納得感ある住戸が目立つため、すべての住戸に申し込みが入る可能性が高い。もちろん、分譲価格は高額なのだが、都心高額マンションのなかでは手ごろ感があるため、一気に売れてしまう予感があるわけだ。

 抽選住戸が多く出て、追加販売が行われる可能性もないとはいえない。

 もちろん、売れ行き不振で、首都圏のマンション暴落がここから始まる可能性だってあるのだが……果たして、どうなるのか。8月5日には、はっきり結論が出る。