スタジオジブリ初の全編3DCG制作となるアニメ『アーヤと魔女』が12月30日にNHK総合で放送される。自分が魔女の娘と知らずに孤児院で育った主人公のアーヤ役は、オーディションで13歳の平澤宏々路が選ばれた。声優は初挑戦だったが、元気で小生意気なアーヤを生き生きと演じている。

いろいろな声を出す練習はしていました

現在、中学1年生の平澤宏々路(こころ)。子役時代から数々の映画やドラマに出演し、今年はドラマ『浦安鉄筋家族』で原作漫画の人気キャラ・西川のり子を演じて話題に。映画『水上のフライト』では中条あやみが演じた主人公を「お姉ちゃん」と慕う役で、タイトルに繋がる台詞を発している。

――今年、中学生になった途端、休校だったと思いますが、今は中学生活を楽しんでいますか?

平澤 楽しんでいます。友だちとずっと会えなかった分、爆発していて(笑)。「遊びたい」って公園に集合したりします。

――小学生の頃とは違いますか?

平澤 全然違います。受験したこともあって、友だちと勉強の話もするようになりました。趣味がそれぞれ個性的で、お互いの好きなことを話したりもします。

――宏々路さんはどんな趣味の話を?

平澤 私は歌うことが好きなので、その話をします。流行りの曲だと『夜に駆ける』とか『未完成』とか、いろいろ聴いたり歌ったりしています。

――スタジオジブリのアニメ『アーヤと魔女』で主人公のアーヤを演じますが、声優の仕事に興味はあったんですか?

平澤 興味だらけでした(笑)。アニメも声優さんもすごく好きで、自分もいろいろな声を出せるようになりたくて、キャラクターの声マネをして練習していたんです。

――どんな声優さんが好きなんですか?

平澤 下野紘さん、梶裕貴さん、江口拓也さん、西山宏太郎さん……。女性では鬼頭明里さんや花澤香菜さんが好きです。

――じゃあ、鬼頭さんが演じた『鬼滅の刃』の禰豆子の声マネもしたり?

平澤 しました。『地縛少年花子くん』の八尋寧々ちゃんの声も鬼頭さんで、ハマっちゃいました。

――自分の声についてはどう思います?

平澤 他の女の子たちより、ちょっと低いですよね。でも、友だちにはよく「いろいろな声が出るね」と言われます。

撮影/松下茜
撮影/松下茜

ジブリのスタジオに自分がいるのが不思議でした

――ジブリ作品には馴染みありました?

平澤 たくさん観ていました。今回の『アーヤと魔女』が3DCGということで、以前、宮崎吾朗監督が制作された3Dの『山賊の娘ローニャ』を改めて観ました。

――好きなキャラクターは?

平澤 『となりのトトロ』のメイちゃんが好きです。あの声、あのフォルム。「とった! おねえちゃーん!」がかわいくて(笑)。ただ幼くてかわいらしいのでなく、本当に田舎に住んでいそうな女の子の声をあんなにリアルに再現できるなんて、すごいですよね。

――そんなジブリ作品に主演するのは、感動的でした?

平澤 収録したジブリのスタジオに歴代の作品のセル画が飾られていて、ずっと観ている側だったのに「今回は自分の声を入れるんだ!!」と思ったら、感動しましたし、不思議な感覚にもなりました。

撮影/松下茜
撮影/松下茜

作らない声に元気さと生意気っぽさを入れて

『アーヤと魔女』は『ハウルの動く城』と同じく、イギリス人作家のダイアナ・ウィン・ジョーンズの小説が原作。孤児院で育った10歳の少女・アーヤは、魔女のベラ・ヤーガの家に引き取られ、家事の手伝いにこき使われる。アーヤは密かに魔法の呪文を覚えて反撃を始めようとする。

――オーディションでは、実際にどこかのシーンに声を当てたんですか?

平澤 そうですね。最初のほうの、孤児院の屋上に行くところを録りました。

――たくさん練習して臨んだんですか?

平澤 声を嗄らさない程度に(笑)。作品のことを調べてイメージから掴んで、アーヤと年齢が近かったので、このままの声でいいかなと、あまり作らずに臨みました。

――アーヤのキャラクターにはどんな印象がありました?

平澤 初めて観ると、いたずらっ子とか生意気でちょっと意地悪な印象が強いかもしれません。でも、私の中ではすごくかわいい女の子です。急に1人になったときに寂しいと感じたり、強がりきれないところがあったり。そういう弱い部分がかわいいと思いました。

『アーヤと魔女』の主人公のアーヤ (C)2020 NHK,NEP,Studio Ghibli
『アーヤと魔女』の主人公のアーヤ (C)2020 NHK,NEP,Studio Ghibli

――宏々路さんの声が本当にハマっていました。

平澤 試写を観させていただいて、最初は自分の声が画面から聞こえることに違和感がありました。それがだんだんアーヤの声に聞こえてきて、皆さんもそう言ってくださったので、合っていたのかなと。

――声は作らないとのことでしたが、話し方は普段の宏々路さんとは違いますか?

平澤 私の声に元気さやいたずらっ子っぽさを入れました。ちょっと生意気な感じが出るように。

――ドラマや映画とは演技の感覚は違いますよね?

平澤 違うと感じました。ドラマでは自分の間で台詞を言っているので、アニメで画に合わせるのは難しかったです。

――大変だったシーンもありました?

平澤 アーヤはたまに「グエッ」とか「ギエッ」という声を出すんです。日常ではなかなか出さない声なので(笑)、すごく練習しました。

撮影/松下茜
撮影/松下茜

やんちゃでいたずらなところは自分と似てました

――宮崎吾朗監督からは何か指示はありました?

平澤 「そのままの声で作らずにやってほしい」と事前にアドバイスをいただきました。本当に普通に話して、たまにアーヤの弱い部分が出るとき、少しご指導があって。あと、食べるシーンや歯磨きするシーンを録るときは、マシュマロを口に入れたり棒をくわえたり、コツを教えていただきました。

――画では動きながら話しているシーンもありますよね。

平澤 息づかいも細かく指導していただきました。手や体を動かしながら声を録るので、たくさんバタバタしました。

――自分で特に好きなシーンはどの辺ですか?

平澤 (言葉を話す黒猫の)トーマスとのシーンがかわいらしくて好きです。私のおばあちゃんが猫を飼っていて、私もワシャワシャしたりしますけど、アーヤとトーマスの絡み方はちょっと違うんですよね。アーヤはトーマスをサーッと撫でながら、自分の愚痴を話したりします。

(C)2020 NHK,NEP, Studio Ghibli
(C)2020 NHK,NEP, Studio Ghibli

――アーヤの「わたしはダレの言いなりにもならない」という気持ちはわかりますか?

平澤 アーヤのやんちゃなところやいたずらっ子なところは、自分と似ていると思います。私はいつも外を走り回って友だちと騒いだり、家でも誰かの後ろにくっついてドタバタしていて。でも、私は大人に反抗するのは苦手です(笑)。だから、「アーヤはこんなことを言うんだ」って、すごく面白かったです。

――ああいう女の子が実際にいたら?

平澤 すぐ友だちになると思います。強いだけではなくて仲間想いで、ちゃんと自分の意志があって。憧れるし、尊敬します。

――鈴木敏夫プロデューサーはアーヤを「世界一賢い女の子」とコメントしてました。

平澤 相手によって対応や話し方を変えることができて、頭の回転が人一倍速い子だと思いました。私もアーヤが魔女の家に行ったときに急に声のトーンを変えたり、相手や場面によって甘えたり怒ったり、頑張ってテンションの変化をつけたので、ぜひ注目してほしいです。

撮影/松下茜
撮影/松下茜

世界中の人と話せる魔法を使いたいです

――宏々路さんはどんな魔法を使えたらいいと思いますか?

平澤 世界中の人とおしゃべりできる魔法か、運動が何でもできるようになる魔法です。

――実用的な魔法ですね(笑)。

平澤 私は運動が大好きなので、パルクールでも何でもできます、みたいになれたらいいなと。

――世界の人と話したいと思うこともあるんですか?

平澤 外国の方に道を聞かれて、どうしていいかわからなくなってしまったことがあったので。言語や文化が違っても、わかり合える魔法がいいです。

――中学生としては、とりあえず英語の勉強を頑張るといいのでは(笑)?

平澤 今、頑張っています。でも、英語だけでは対応できない国に行ったとき、そういう魔法が使えたらいいなと思います。

――今はポケトークとかもありますけど。

平澤 自分で話せたら、より楽しいと思うんです。

撮影/松下茜
撮影/松下茜

自分でYouTube番組の企画書を書きました

――『アーヤと魔女』は12月30日に放送されますが、宏々路さんは年末年始をどう過ごすんですか?

平澤 祖母の家に泊まりに行くのが定番です。家族みんなでおそばを食べて年越しして、ゆったりします。

――お年玉はすぐ使う派?

平澤 自由に使える金額が決まっていて、それ以上は貯金と決めています。今、事務所のオフィシャルYouTubeで(同じく所属している)凛美と『りみころチャンネル』というコーナーをやっているので、GoProとかカメラ系にお年玉を使いたいです。あのコーナーはもともと私たちが「やりたい」と言って、自分たちで企画書を書いて、事務所の方に見てもらいました。

――小学校を卒業したばかりだった宏々路さんが、大人ばりに企画書を書いたんですか?

平澤 そうです。動機、目的、何を使うか……。全部、自分たちで書きました。

――事務所が期待の中学生2人を売り出す一環で、始めたのかと思ってました。

平澤 YouTubeが大好きなので、ずっとやりたかったんです。凛美にも私がまず相談しました。断られたらどうしようと思っていたら、「私もやってみたい」と言ってくれたので、「よし、2人でできる!」と。

――アーヤが魔女たちを操ったのと少し通じますかね(笑)。

平澤 大人の方々を巻き込みました(笑)。ダンスとかカードゲームとか形にできて嬉しかったし、これからやりたいこともいっぱいあります。

――やっぱり宏々路さんもアーヤのように賢いですね。精神的に大人というか。

平澤 やりたいと思ったら、すぐ行動するところは子どもっぽいですけど、やりたいこと自体は渋いと言われます(笑)。パソコンとかカメラとか、機械をいじるのが好きだったり。今年はチャレンジすることが多かったので、来年はひとつひとつを深く極めていけるように頑張りたいと思っています。

撮影/松下茜
撮影/松下茜

平澤宏々路(ひらさわ・こころ)

2007年9月21日生まれ、東京都出身。

2009年にCMでデビュー。主な出演作はドラマ『わたし旦那をシェアしてた』、『博多弁の女の子はかわいいと思いませんか?』、『浦安鉄筋家族』、映画『貞子3D2』、『BLEACH』、『ミックス。』、『水上のフライト』など。

公式Twitter https://twitter.com/Kokoro_Hirasawa

『アーヤと魔女』

NHK総合テレビ 12月30日19:30~

企画/宮崎駿 監督/宮崎吾朗 原作/ダイアナ・ウィン・ジョーンズ

声の出演/寺島しのぶ、豊川悦司、濱田岳、平澤宏々路

(C)2020 NHK,NEP,Studio Ghibli
(C)2020 NHK,NEP,Studio Ghibli

キャストが振り切りまくる『浦安鉄筋家族』で人気キャラ・のり子登場。12歳の平澤宏々路の弾けぶりに注目

https://news.yahoo.co.jp/byline/saitotakashi/20200507-00177310/

ドラマ『わたし旦那をシェアしてた』で注目の子役・平澤宏々路の11歳の素顔

https://news.yahoo.co.jp/byline/saitotakashi/20190707-00133132/