シリーズ累計発行部数4400万部のギャグ漫画を実写化した『浦安鉄筋家族』（テレビ東京系）。パワフルでハチャメチャな原作をコンプライアンス的にスレスレで（？）再現し、むやみに熱量の高いドラマになっている。主演の佐藤二朗から毎回のゲストに至るまで、振り切って漫画のエキセントリックなキャラクターに寄せているのも面白い。8日放送の5話では、人気の女子キャラ・西川のり子が登場。演じる平澤宏々路（ひらさわ・こころ）にも注目が集まりそうだ

次々に再現されるクセの強いキャラクターたち

　ドラマ『浦安鉄筋家族』の原作は1993年から『週刊少年チャンピオン』で連載が始まった浜岡賢次のギャグ漫画。伝説的作品ながらリニューアルを繰り返し、現在も『あっぱれ！浦安鉄筋家族』として続いている。

　「ドラマ化できないギャグや、できるけど数億円かかるシーンが山ほど出てくる」（脚本・上田誠）とのことながら、1話から主人公のタクシー運転手・大沢木大鉄（佐藤二朗）の家族がプロレスまがいの大乱闘を繰り広げ、居間でコブラツイストや跳び蹴りが出たり、妻の順子（水野美紀）のジャイアントスイングで大鉄が空高く飛んでいったりも。

　3話では長女の恋人の花丸木役で、NHK大河ドラマ『麒麟がくる』では織田信長を演じている染谷将太が、ブリーフ一丁になって大鉄の電気あんまに悶絶。4話ではイケメン俳優の大東駿介がブルース・リー風のいでたちで授業をしない教師の春巻龍を演じ、鼻をほじったり鉢植えの土を食べたり。原作のクセの強いキャラクターたちの高い再現度を見せた。

関西弁のやんちゃな女の子役を山田花子で研究

　原作では大沢木家の次男で小学生の小鉄が主人公で、彼のクラスに大阪から転校してくる天敵が西川のり子だ。ツインテールのやんちゃな女の子で、転校初日から小鉄と大ゲンカを始めた。そのシーンはもちろんドラマでもある。

　演じる平澤宏々路は4月に中学生になったばかりの12歳。幼少の頃に子役デビューして、映画『貞子3D2』、『BLEACH』、『ミックス。』などに出演。昨年はドラマ『わたし旦那をシェアしてた』で小池栄子が演じた主人公の反抗期の娘を好演した。

ドラマ『わたし旦那をシェアしてた』で注目の子役・平澤宏々路の素顔

　のり子役については、「これだけ元気で暴れる役は初めて。面白いキャラでいるにはどうしたらいいかも考えました」とのこと。YouTubeでコメディをいろいろ見て、特に山田花子のバラエティの動画を参考にしたという。

「面白いし関西弁の練習にもなると思ったんです。間やリアクションを見て、ツッコむところや声のトーンに活かせた気がします」

ケンカシーンは「頭突きも思い切り行きました(笑)」

　注目の小鉄（斎藤汰鷹）とのケンカシーンは「だいぶ暴れました(笑)」とか。

「パンチやデコピンをして、机の上に乗ったりモノを投げたり、小鉄に頭突きをしたり(笑)。小鉄くんが『来い！』みたいな感じだったから、思い切り行かせていただいて、パンチが当たったときは『オーッ！』となりましたけど、楽しかったです」

　本人も活発なところはのり子と似ているそうだが、「私はケンカは絶対しません。暴力では何も解決しないと思うので、とりあえず話し合います」と、12歳にして大人な発言でキッパリ。

　西川家は大沢木家の隣りに引っ越してきて、のり子の父はバッファロー吾郎A、母はMEGUMIが演じて、家族揃って張り合う。毎回、登場キャラクターたちの再現度の高い吹っ切れぶりが話題になっている中で、平澤宏々路も大人キャストに負けずにのり子として目を引くか見ものだ。