来年3月9日投票の韓国大統領選挙まで100日を切った。与党「共に民主党」の候補が前京畿道知事の李在明(イ・ジェミョン)氏、政権交代を目指す最大野党「国民の力」の候補が前検察総長の尹錫悦(ユン・ソッキョル)氏に決まってから韓国のメディアは毎週競って世論調査を実施している。

(参考資料:韓国大統領選挙は「元弁護士」対「元検事」の宿命の対決!韓流ドラマよりも面白い!

 韓国は世論調査会社が数多くあるので時に相反する結果が出る場合がある。また、メディアの政治色によって真逆の調査結果が出ることもある。もちろん、支持率は政治・経済・社会状況及び環境の変化によって変動するし、候補者のスキャンダルや失言によっても左右される。

 今回の第20代大統領選挙は歴代の大統領選挙で最も予測困難な選挙と言われている。正直、蓋を開けるまでどちらが勝つかわからない。但し、過去のデータからすると、投票日100日前の世論調査でリードしている候補が本番では勝者となっている。ジンクスの例外は唯一、2007年に当選した盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領のみのようだ。

 では、100日を前にした世論調査では李候補、尹候補のうちどちらが優位に立っているのだろうか? 驚いたことにありとあらゆる調査で尹候補が李候補を支持率でリードしていることがわかった。

 公平を期すため保守系と進歩系の2紙の世論調査を検証してみると;

 保守系の「中央日報」と進歩系の「ハンギョレ新聞」が共に11月29日に公表した世論調査結果ではいずれも尹候補の支持率が僅かではあるが、李候補を上回っていた。

「中央日報」が世論調査会社「エムブレイン・パブリック」に委託し、11月26日から27日に全国の有権者約1千人を対象に行った調査では尹候補が38.9%、李候補が36.1%と、尹候補が2.8ポイントリードしていた。

「ハンギョレ新聞」が世論調査会社「Kstatリサーチ」に依頼し、「中央日報」よりも1日前の11月25日から26日にかけて同様に全国成人男女約1千人を対象に実施した調査でも尹候補36.1%、李候補34.4%と、尹候補が1.7ポイント上回っていた。

 どちらにしても伯仲、僅差であることには変わりはないが。李候補が尹候補にリードを許している理由の一つに前回の大統領選挙で文在寅大統領を支持した人のうち54.4%しか支持を得られていないことがある。換言するならば、文大統領に投票した人の4割以上が政権交代を望んでいることを示しているとも言える。

 各放送会社も100日を前に世論調査を実施しているが、韓国の「TBS」が韓国社会言論研究所(KSOI)に委託して11月26日から27日の2日間、実施した世論調査でも尹候補41.8%、李候補39.0%と、「中央日報」同様に尹候補が李候補を2.8ポイントリードしていた。

 また、「SBS」が世論調査会社「ネクストリサーチ」に委託した世論調査(11月27―28日)でも尹候補の34.4%に対して李候補は32.7%と、ここでも尹候補は李候補を1.7ポイント上回っていた。

 これら4つのメディアの調査では最大で2.8ポイント、最小で1.7ポイントの僅差となっているが、「JTBC」の委託を受けた世論調査会社「グローバルリサーチ」社の世論調査(11月27-28日)では尹候補37.4%、李候補30.8%と、差は6.6ポイント開いていた。

 なお、大手世論調査会社「リアルメータ」が政府寄りの「オーマイニュース」の依頼で11月22日から26日にかけて実施した世論調査では尹候補46.3%。李候補36.9%と、約10ポイントの大差が付いていた。

 ジンクスどおりならば、またこのままの推移が続けば、李候補の逆転勝利の公算は高くはないが、李候補にとっての救いは例外があること、また1997年の大統領選挙で対立候補の金大中(キム・デジュン)候補を53%対10%と圧倒していた李会昌(イ・フェチャン)候補が本番3か月を前に子息の徴兵忌避が問題となり、10%まで支持率を下落させ、その結果、金大中候補が逆転勝利したことだ。

 城南市長時代の宅地開発疑惑を追及されている李候補同様に尹候補本人も検察総長時代の職権乱用疑惑や夫人の金銭スキャンダルを抱えているだけに李会昌候補の二の舞にならないとは限らない。まさに一寸先は闇だ。

(参考資料:韓国の大統領選挙は「犯罪者同士」の大統領選?  敗れた候補は刑務所行き!)