北朝鮮「コロナ感染者ゼロ」は本当かも!?

平壌で3日間行われた朝鮮労働党末端大会(労働新聞から)

 金正恩党総書記出席の下、6日から開かれていた労働党末端大会が昨日(8日)、3日間の日程を終え閉会した。

 金総書記は初日と、最終日に演壇に立ち、開会宣言と閉幕宣言を行っていたが、雛壇の党幹部を含め参加者全員がマスクを着用してなかった。

 金総書記が開会宣言で明らかにした参加者数全国の道、市、郡と連合企業所の党責任書記ら全部で1万人。世界中どの国も新型コロナウイルス感染対策上、「3密」回避は最低限のルールとなっているが、北朝鮮は室内に1万人を集めた「密集大会」を開いたことになる。

 北朝鮮の「ノーマスク大会」はこれが初めてではない。

 新型コロナウイルスで世界中がパニックになっていた昨年も朝鮮戦争(1950-53年)参戦軍人らを集め、老兵大会を開催したが、全員が80代~90代で感染すれば最もリスクの高い後期高齢者であるにもかかわらず誰一人、マスクを着けてなかった。

 今年1月の労働党第8回大会でも同様の光景が見られた。

 代表者4750人、傍聴人2000人、合わせて6750人が出席していたが、配信された写真を見ると、初日の開会式ではこれまた誰一人、マスクを着けてなかった。

今年1月に行われた労働党第8回大会(労働新聞から)
今年1月に行われた労働党第8回大会(労働新聞から)

 野外でも同じで、昨年10月の労働党創建75周年記念軍事パレードでも、また今年1月の労働党第8回大会記念軍事パレードでも軍人と平壌市民合わせて10万人がマスクをせずに金日成広場に集結していた。感染予防対策によほど自信がなければ危うくてとてもできない。

昨年10月の軍事パレード(労働新聞から)
昨年10月の軍事パレード(労働新聞から)

 中国から始まった新型コロナウイルス感染はパンデミック(世界大流行)で、感染が確認された国と地域は世界173か国・地域を超え、全世界に蔓延している。その中国と1420kmも国境を接している北朝鮮だけが不思議なことに今もなお、「一人の感染者も出していない」と言っている。正直、北朝鮮に感染者がいるのか、いないのか、外部の人間にはわからない。

 一つ確かなことは、北朝鮮が防疫・医療システムが脆弱なだけに予防を過剰なほど徹底させていたことだ。

 例年ならば、党の幹部会議はどんなに多くても4~5回しか開かれなかったのが、昨年は15~16回も開いていた。その多くは「コロナ」予防、防疫対策に関する会議だった。

 また、北朝鮮は新型コロナウイルスが中国で発生するや「人民の生命安全を守ることは我が党と国家の最優先課題」であるとして、経済的損失を覚悟のうえで、早々とパトロンの中国との陸海空の出入りを全てシャットアウトし、中国を経由して入国した自国民や外国人を隔離施設で過ごすことを義務付けた。韓国から漂着した韓国人公務員の上陸を認めず、海上で射殺してしまうほど予防対策は徹底していた。周知のように北朝鮮は今もなお、自国を鎖国状態に置いている。

 東京五輪不参加の理由が北朝鮮が言うように本当に「悪性ウイルス感染症による世界的な保健の危機状況から選手を保護するため」ならば、もしかすると、北朝鮮は本当に感染者がゼロなのかもしれない。

(参考資料:本当?嘘?北朝鮮の「感染者ゼロ」 事実ならば「奇跡」!)

東京生まれ。明治学院大学英文科卒、新聞記者を経て1982年朝鮮問題専門誌「コリア・レポート」創刊。86年 評論家活動。98年ラジオ「アジアニュース」キャスター。03年 沖縄大学客員教授、海上保安庁政策アドバイザー(~15年3月)を歴任。外国人特派員協会、日本ペンクラブ会員。「もしも南北統一したら」(最新著)をはじめ「表裏の朝鮮半島」「韓国人と上手につきあう法」「韓国経済ハンドブック」「北朝鮮100の新常識」「金正恩の北朝鮮と日本」「世界が一目置く日本人」「大統領を殺す国 韓国」「在日の涙」「北朝鮮と日本人」(アントニオ猪木との共著)「真赤な韓国」(武藤正敏元駐韓日本大使との共著)など著書25冊

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