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北朝鮮のミサイルは慣例の2発ではなく、3発連続だった!

辺真一ジャーナリスト・コリア・レポート編集長
一週間前に発射された北朝鮮の単距離ミサイル(労働新聞から)

 北朝鮮は今朝、再び日本海(東海)に向け短距離ミサイルらしき飛翔体を発射した。防衛省によると、飛翔体は日本の排他的経済水域(EEZ)外に落下した。

 韓国の合同参謀本部の発表では、発射地点は日本海に面した咸鏡南道の先徳付近からで、「3発の飛翔体確認された」とのことだ。

 北朝鮮のミサイルの発射は今年に入って、2度目。日本海側の江原道の元山付近から3月2日に発射されたのが今年初で、まだ一週間しか経っていない。

 北朝鮮は史上初の米朝首脳会談のため2017年11月29日のICBM級「火星15型」の発射を最後に2019年5月4日までいかなるミサイルの発射も自制していた。しかし、昨年2月にハノイでの2度目の米朝首脳会談が決裂したのを機にミサイル発射を再開させ、5月から11月に掛けて延べ13回発射した。

 このうち、10月2日に元山から発射された「北極星3型」と称されるSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)以外は全部短距離弾道ミサイルであった。それもすべて2発で、3発発射は今回が初めてである。

 月別にみると、5月が4日、9日の2回。7月が25日、31日の2回。8月が最も多くて、2日、6日、10日、16日、24日の5回。そして、9月(10日)と10月(31日)、11月(28日)が各1回となっている。

 このうち、5月9日(平安北道・亀城)、8月6日(黄海南道のクァイル郡)、9月10日(平安南道の介川)、それに10月31日(平安南道・順川)を除く全ては日本海側の江原道や咸鏡南道から発射されている。

 今朝発射された地点の先徳からは昨年8月24日にも発射されている。ちなみにこの先徳からは2015年3月12日に金正恩委員長の立ち会いの下、地帯空ミサイル(7発)が発射されている。

 今回は発射された飛翔体は先週発射されたミサイル(高度約35km、飛距離約240km)よりも高度は15km高く、飛距離は40km短い、200kmと韓国の合同参謀本部では推定しているが、今回も前回同様に1発から2発までに要した時間は20秒とみられている。昨年8月24日に先徳から発射されたミサイル(高度97km、飛距離380km)は1発から2発までに要した時間は17分だった。それが、10月31日(高度90km、飛距離370km)の発射では3分、そして11月28日(高度97km、380km)には30秒にまで短縮されていた。但し、今回2発目から3発目までには1分要したと分析している。

 一連の北朝鮮の短距離ミサイルは移動式発射台から発射されているが、これまでは4つの発射管から2発しか発射されてなかったが、今回は3つの発射管から連続的に発射された可能性が想定されている。

 なお、金正恩委員長が今回の発射に立ち会ったのか不明だが、一週間前の発射には立ち会っていたし、昨年も8月16日を除いて、すべての発射を現場で指揮していた。

(参考資料:北朝鮮の超大型放射砲(短距離弾道ミサイル)は脅威か!

ジャーナリスト・コリア・レポート編集長

東京生まれ。明治学院大学英文科卒、新聞記者を経て1982年朝鮮問題専門誌「コリア・レポート」創刊。86年 評論家活動。98年ラジオ「アジアニュース」キャスター。03年 沖縄大学客員教授、海上保安庁政策アドバイザー(~15年3月)を歴任。外国人特派員協会、日本ペンクラブ会員。「もしも南北統一したら」(最新著)をはじめ「表裏の朝鮮半島」「韓国人と上手につきあう法」「韓国経済ハンドブック」「北朝鮮100の新常識」「金正恩の北朝鮮と日本」「世界が一目置く日本人」「大統領を殺す国 韓国」「在日の涙」「北朝鮮と日本人」(アントニオ猪木との共著)「真赤な韓国」(武藤正敏元駐韓日本大使との共著)など著書25冊

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