Yahoo!ニュース

トナカイさんへ伝える話(46)旭川の事件について思うこと

小川たまかライター
(写真:アフロ)

 4月15日に文春オンラインが報じた、旭川女子中学生いじめ凍死事件。

 当時14歳の中学生・廣瀬爽彩さんが、同じ中学や近隣の中学の生徒(上級生含む)からいじめを受け、その中には性的ないじめ(性暴力)も含まれていたと。今年の2月13日に彼女は自宅を飛び出して失踪、その後、凍死が確認された。

 文春記者は加害者グループの女子・男子(未成年)に取材したが、彼らに反省の弁はほとんどなく、まるで廣瀬さんにいじめられる理由があった、勝手に死んだと言わんばかりだった。

 文春が報じたことで他メディアも後追いし、事態を重く見た旭川市がいじめについての再調査を発表。文春が報じなければ遺族の訴えは放置されていた。文春が報じて批判が集まったから慌てて再調査。こうして児童・生徒の自死の背景にあったいじめが隠蔽されるのはいつものこととはいえ、控えめに言ってクソクソのクソである。

 この件について、思うことをいくつか。

 ざっくり言うと下記の点です。

(1)文春が彼女の実名と顔写真を報じたことを支持する

(2)未成年の性加害事件について

(3)加害行為を行った未成年の人権擁護は重要。一方で性暴力加害者が過剰に擁護されてきた過去がどの程度共有・反省されているのか疑問がある

(4)このような事件は「滅多にない」のか

この記事は有料です。
トナカイさんへ伝える話のバックナンバーをお申し込みください。

トナカイさんへ伝える話のバックナンバー 2021年4月

税込550(記事4本)

※すでに購入済みの方はログインしてください。

購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。
ライター

ライター/主に性暴力の取材・執筆をしているフェミニストです/1980年東京都品川区生まれ/Yahoo!ニュース個人10周年オーサースピリット大賞をいただきました⭐︎ 著書『たまたま生まれてフィメール』(平凡社)、『告発と呼ばれるものの周辺で』(亜紀書房)『「ほとんどない」ことにされている側から見た社会の話を』(タバブックス)、共著『災害と性暴力』(日本看護協会出版会)『わたしは黙らない 性暴力をなくす30の視点』(合同出版)など

小川たまかの最近の記事