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トルコ戦闘機がアゼルバイジャンに存在、アリエフ大統領が認める

JSF軍事/生き物ライター
参考写真・トルコ空軍F-16戦闘機(写真:ロイター/アフロ)

 ナゴルノカラバフを巡るアルメニアとアゼルバイジャンの戦いで、アルメニア側は「8月に合同演習でアゼルバイジャンに来ていたトルコのF-16戦闘機が今も居残っており、ナゴルノカラバフに戦闘介入し我が方のSu-25攻撃機が撃墜された」と主張しトルコを非難しています。

 これについてトルコとアゼルバイジャンはトルコ戦闘機がアゼルバイジャンに存在していること自体を否定していました。

 しかし10月8日になって、衛星画像による紛争の分析で知られる「べリングキャット」で活動し現ニューヨークタイムズ視覚調査班のクリスティアーン・トリーバート氏がTwitterで、民間衛星会社「プラネットラボ」の商業光学衛星が10月3日に撮影したアゼルバイジャンのギャンジャ空港の映像に、トルコ空軍のF-16戦闘機とその整備部品を運んできたCN-235輸送機らしき姿を発見したと報告しました。

 アゼルバイジャン空軍は旧ソ連製の戦闘機で構成されており、F-16と見間違えるような戦闘機は保有しておらず、機影が若干似ているM-346練習機は購入契約を結んだばかりでまだ納入されていませんでした。輸送機の方はターボプロップ双発でエンジンナセル後方が主翼後縁より突き出ないCN-235の特徴がはっきりと分かります。

 そして10月10日、アゼルバイジャンのアリエフ大統領はCNNとのインタビューでトルコF-16戦闘機がアゼルバイジャン国内に居ることを認めました。ただしF-16戦闘機は飛行しておらずナゴルノカラバフには戦闘介入はしていないと説明しています。

 しかしトルコ空軍のF-16戦闘機がアゼルバイジャン国内に存在している以上、ナゴルノカラバフの戦いに直接戦闘介入しアルメニア空軍のSu-25攻撃機を撃墜した疑いは再燃しました。現状ではまだ直接戦闘介入の決定的な証拠は出ていません。

※当記事内の日付は日本時間。

軍事/生き物ライター

弾道ミサイル防衛、極超音速兵器、無人戦闘兵器、オスプレイなど、ニュースに良く出る最新の軍事的なテーマに付いて解説を行っています。

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