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何をするにも適した今週の天気 31日のハロウィーンと11月3日の文化の日も

饒村曜気象予報士
秋晴れの瀬戸内風景(写真:イメージマート)

上空寒気の通過

 令和5年(2023年)10月29日は、上空に寒気が入っているため、西日本日本海側と東~北日本は雲が広がりやすく、関東・北陸~東北を中心に雨となり、雷を伴った激しい雨が降る所もありました。

 しかし、その他の地域は概ね晴れて気温が上昇しました(図1)。

図1 地上天気図と衛星画像(10月29日9時)
図1 地上天気図と衛星画像(10月29日9時)

 全国で一番気温が高かったのは、沖縄県・盛山の28.8度で、最高気温30度以上の真夏日は観測されませんでしたが、最高気温は全国的に平年並みか平年より高く、最高気温が25度以上の夏日は34地点(気温を観測している全国914地点の約4パーセント)ありました(図2)。

図2  真夏日、夏日、冬日の観測地点数の推移(9月1日~10月29日)
図2  真夏日、夏日、冬日の観測地点数の推移(9月1日~10月29日)

 記録的な暑さが続いていた今年ですが、9月23日の彼岸の中日(秋分の日)の頃から真夏日が大きく減り、10月に入ると夏日も大きく減っています。

 そして、10月下旬になると、最低気温が0度未満という冬日を観測する地点が増え、夏日を上回る日も出てきましたが、10月25日以降は再び夏日を下回りました。

 10月29日に冬日を観測したのは5地点(約0.5パーセント)でした。

 10月30日は移動性高気圧に覆われ、大気が安定してきます。

 北陸地方で雲が多いもののほぼ全国的に晴れ、気温は平年より高くなるところが増える見込みです。

今週の天気

 今週の天気予報を見ると、10月31日のハロウィーンまでは、ほぼ全国的に晴れて、気温も平年より高い日が続く見込みです(図3)。

図3 各地の10日間予報(10月30日~11月5日は気象庁、6日~8日はウェザーマップの予報で、数値はともに最高気温)
図3 各地の10日間予報(10月30日~11月5日は気象庁、6日~8日はウェザーマップの予報で、数値はともに最高気温)

 11月に入ると北海道と東北北部は曇りや雨の日が多くなりますが、その他の地方は引き続き、晴れて気温が高い日が続くでしょう。

 東日本の太平洋側から西日本では夏日を観測するところが多くなり、東京では11月2日、3日、4日が夏日となる予想です。

 朝晩は平年並みの肌寒さとなっても、昼間は暑がりの方はまだ半袖の出番がある暖かさとなりそうです。

 なお、札幌の11月上旬の最高気温の平年値は13度くらいですので、北海道と東北北部は曇りや雨の日が多くなるといっても、最高気温は平年より高い気温を予想しています。

 11月3日の文化の日は、北海道を除いたほぼ全国で晴れとなり、気温は雨の北海道も含めて平年より高くなる見込みです。

 今週の天気は、10月31日のハロウィーン、11月3日の文化の日も含めて、何をするにも適した天気ということができそうです。

東京の夏日

 9月以降の東京の最高気温と最低気温の推移をみると、10月中旬を除いて、ほとんどの日で平年より高く、気温が下がって平年並みという日が続いていました。

 10月中旬には平年よりかなり低い日がありましたが一時的でした(図4)。

図4 東京の最高気温と最低気温の推移(10月30日〜11月5日は気象庁、11月6日〜14日はウェザーマップの予報)
図4 東京の最高気温と最低気温の推移(10月30日〜11月5日は気象庁、11月6日〜14日はウェザーマップの予報)

 暑さの記録ずくめの令和5年(2023年)でしたが、最早・最遅記録は更新していません。

 東京都心の観測記録は、明治8年(1875年)6月5日以降、約149年分ありますが、最も早い夏日は平成25年(2013年)の3月10日ですが、令和5年(2023年)は3月24日と歴代4位でした(表)。

表 東京の早い夏日と遅い夏日(明治8年(1875年)6月~令和5年(2023年)10月)
表 東京の早い夏日と遅い夏日(明治8年(1875年)6月~令和5年(2023年)10月)

 また、夏日の最遅の記録は、昭和50年(1975年)の11月16日ですので、更新はかなり高いハードルです。

 今年は、今のところ、遅い夏日は10月20日ですが、東京の11月4日の最高気温の予報が25度となっていますので、歴代6位の遅さにはなりそうです。

 また、真夏日の最早は昭和34年(1959年)の5月5日ですが、今年は5月17日、最遅は平成25年(2013年)の10月12日ですが、今年は9月27日でした(図5)。

図5 東京の猛暑日、真夏日、夏日の最早・最遅記録と令和5年(2023年)10月29日までの記録
図5 東京の猛暑日、真夏日、夏日の最早・最遅記録と令和5年(2023年)10月29日までの記録

 さらに、猛暑日の最早は令和4年(2022年)の6月25日ですが、今年は7月10日、最遅は昭和17年(1942年)の9月12日ですが、今年は8月29日でした。

 暑さに関する日数のランキングでは、ほとんどが平成から令和のものですが、最早・最遅の記録は、昭和が少なからずランキングに入っています。

 昔は、色々な条件が重なって記録的な暑さになることがあっても、ほんの短い期間でしたが、現在は、記録的な暑さが続くという特徴がありそうです。

図1、図3の出典:ウェザーマップ提供。

図2の出典:ウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。

図4の出典:気象庁ホームページとウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。

図5、表の出典:気象庁ホームページをもとに筆者作成。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2015年6月新刊『特別警報と自然災害がわかる本』(オーム社)という本を出版しました。

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