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ウェーク島近海で台風24号発生、次の25号が心配 今年はほぼ平年並みの台風発生数・接近数・上陸数

饒村曜気象予報士
台風になりそうなウェーク島近海の熱帯低気圧の雲(11月12日12時)

ウェーク島近海の熱帯低気圧

 ウェーク島近海の熱帯低気圧が発達し、台風24号になりました(図1)。

図1 台風24号の進路予報と海面水温(11月13日3時)
図1 台風24号の進路予報と海面水温(11月13日3時)

 熱帯低気圧の存在する海域は、海面水温が台風発生の目安となる27度を上回る28度ありますが、北上する予報ですので、すぐに海面水温が27度以下の海域に進みますので、台風24号は2日程度で温帯低気圧に変わる見込みです。

 台風の予報は最新のものをお使いください

 11月の台風は、多くは東経150度より西の海域で発生し、東経150度より東のウェーク島近海で発生する台風は珍しいといえます。

 少し古い資料ですが、筆者が調べた台風の統計では、東経150度位で発生した台風のほとんどが北上し、その後向きを東に替え、日本には影響はありません(図2)。

図2 11月の台風の平均経路
図2 11月の台風の平均経路

 今回の熱帯低気圧は、東経165度ですが、東経150度位で発生した台風のように北上する予報となっています。

 なお、晩秋のフィリピンの東海上の台風であれば、ほとんどが西進してフィリピンに上陸するといっても、中には北上して沖縄地方や小笠原地方に接近するものがあります。

 現在、フィリピンの東海上には、台風の卵である熱帯低気圧になりそうな雲はありませんが、今後、16日から25日頃にはこの海域で対流活動が活発化して雲が増えてくる見込みです。

 熱帯低気圧や台風が発生し、北上してくる可能性もでてきますので、次に発生する台風(台風25号?)が心配です。

 11月も、まだまだ台風シーズンで、油断は出来ないのです。

令和4年(2022年)の台風

 令和4年(2022年)は、8月までは台風の発生数が少なく、接近数と上陸数はほぼ平年並みに推移していました。

 しかし、9月と10月に台風が多く発生していますので、11月に台風24号が発生したことにより、発生数・接近数・上陸数ともに平年並みになりそうです(表)。

表 令和4年(2022年)の台風発生数・接近数・上陸数(接近数は一つの台風で月をまたぐ場合があり、月の値の合計は年の値より大きくなる)
表 令和4年(2022年)の台風発生数・接近数・上陸数(接近数は一つの台風で月をまたぐ場合があり、月の値の合計は年の値より大きくなる)

タイトル画像、図1の出典:ウェザーマップ提供。

図2の出典:饒村曜・宮沢清治(昭和55年(1980年))、台風に関する諸統計、研究時報、気象庁。

表の出典:気象庁ホームページに筆者加筆。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2015年6月新刊『特別警報と自然災害がわかる本』(オーム社)という本を出版しました。

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