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火曜日以降は西日本の天気と北・東日本の天気に差

饒村曜気象予報士
梅雨前線の雲(7月26日3時)

梅雨前線による日曜~月曜の雨

 日本列島に梅雨前線が停滞しているため、九州~東北の広い範囲でくもりや雨となり、太平洋側を中心に雷を伴った非常に激しい雨の降る日曜日となりました。

 これまでの3日間(72時間)の降水量は、東海から四国地方で300ミリを超えていますし、今月初めの「令和2年7月豪雨」で大きな被害が発生した九州でも200ミリを超えています(図1)。

図1 72時間降水量(7月23日9時~26日9時)
図1 72時間降水量(7月23日9時~26日9時)

 全国的に雨を降らせている梅雨前線は、今後、東北地方では停滞するものの、西日本では北上し朝鮮半島に達する見込みです(図2)。

図2 月曜日夜(7月27日21時)の予想天気図
図2 月曜日夜(7月27日21時)の予想天気図

 前線に向かって暖かくて湿った気流が流入し、大気が非常に不安定となり前線活動が活発で、週明けの月曜日も全国的に曇りや雨の予報です。

 今後の雨量は、東海地方と四国地方で200ミリを超えるなど、山沿いを中心に大雨が降る見込みです(図3)。

図3 今後36時間の予想降水量(7月26日9時~27日21時)
図3 今後36時間の予想降水量(7月26日9時~27日21時)

 気象庁は、大雨警報を発表する可能性について、早期注意情報で「高」「中」で発表していますが、今夜は静岡・愛知・岐阜・広島の各県で「高」を発表しています(図4)。

図4 早期注意情報
図4 早期注意情報

 地元気象台等の発表する防災情報の入手に努め、明るいうちに避難等の防災活動をお願いします。

 また、月曜も、岐阜・広島の両県で「高」を発表しています。

 さらに、「中」の府県もかなりあります。

 各地とも、かなり雨が降り続き、土中に多量の水分がしみこみ、地盤がゆるんでいるところでの大雨です。

 土砂災害や河川の増水・氾濫などに警戒して下さい。

火曜日以降の天気予報

 週間天気予報をみると、火曜日以降は西日本と東日本・北日本では差が出てきます。

 那覇など、梅雨が明けた奄美・沖縄地方だけでなく、大阪など西日本各地でも晴れマークが並びます。

 西日本は、このタイミングで梅雨明けになるかもしれません。

 ただ、梅雨明けしたとしても、平年よりかなり遅い梅雨明けです(表)。

表 各地の梅雨入りの平年と梅雨明けの平年
表 各地の梅雨入りの平年と梅雨明けの平年

 名古屋などの東海地方は、晴れマークがありますが、曇りマークがついています。

 そして、東海地方を除く東日本と北日本には晴れマークはありません。

 つまり、火曜日以降は、西日本では高気圧に覆われて晴れる日が多くなりますが、北日本と東日本は、引き続き、気圧の谷や前線および湿った空気の影響で曇りや雨の日が多くなる見込みです(図5)。

図5 気象庁が発表した各地の週間天気予報(図示はウェザーマップ)
図5 気象庁が発表した各地の週間天気予報(図示はウェザーマップ)

 日本列島は東と西で天気が大きく異なってきます。

 最高気温は、西日本と東海地方では、火曜日以降、最高気温が30度以上の真夏日が連続する予報です(図6)。

図6 気象庁が発表した各地の最高気温の予報(図示はウェザーマップ)
図6 気象庁が発表した各地の最高気温の予報(図示はウェザーマップ)

 仮に、雨の警戒が一段落したとしても、熱中症への警戒は継続です。

タイトル画像、図1、図2、図3、図4、図5、図6の出典:ウェザーマップ提供。

表の出典:気象庁ホームページ。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2015年6月新刊『特別警報と自然災害がわかる本』(オーム社)という本を出版しました。

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