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週末は大雨に警戒、そのあとは行楽日和であっても「おうちにいよう」

饒村曜気象予報士
雨と風の分布予報(4月18日9時の予報)

週末の雨

 令和2年(2020年)4月16日(木)は、午後は関東地方を中心に、にわか雨の降る所があるものの、ほぼ全国的に晴れる見込みです。

 しかし、17日(金)以降は、低気圧と前線日本列島を通過する影響で全国的に雨となりそうです(図1)

 「不要不急の外出を避けるように」と呼びかけるかのように、2週続けて雨の週末です。

図1 予想天気図(4月17日21時の予想)
図1 予想天気図(4月17日21時の予想)

 低気圧の前線により、東海地方から関東、東北地方の太平洋側で150ミリ以上の雨が予想されていますが、この多くは18日(土)の雨です(図2、タイトル画像参照)。

図2 72時間予想降水量天気図(4月16日9時~19日9時)
図2 72時間予想降水量天気図(4月16日9時~19日9時)

 しかも、気象庁の早期警戒情報によれば、愛知県から福島県にかけての範囲で、18日(土)に大雨警報を発表する可能性があります(図3)。

図3 土曜日(4月18日)に大雨警報を発表する可能性がある地域
図3 土曜日(4月18日)に大雨警報を発表する可能性がある地域

 単に雨の週末というだけでなく、大雨の週末の可能性もありますので、最新の気象情報に注意し、警戒してください。

 気象庁の関田康雄長官は、気象庁講堂で行われた4月15日の定例会見の中で「これまでと変わらず迅速に避難してほしい」と次のように呼びかけています。

・観測や予報の業務に携わる人員は確保していて、防災情報は今後も問題なく発信する。感染者が出た場合にも応援職員を確保するなど、情報が途絶えないよう万全を期している。

・災害の危険度が高まった時には、たとえ外出自粛が呼びかけられている地域でも、これまでと変わらず迅速に避難してほしい。

・私たちは自然災害の危険度を知らせることが役割だが、避難すると同時に感染を防止してもらうことも重要で、役立つ呼びかけがあれば、今後対応を考えたい。

 気象庁長官の会見が、通常の記者会見室ではなく講堂で行われたのは、参加者通しの間を空け、新型コロナウイルスの感染防止を図るためでした。

 新型コロナウイルスの感染が拡大し、外出の自粛が求められる中、災害の危険度が高まった際にどう行動するのかというのは、難しく、重要な問題です。

 そして、これから出水期をむかえますので、避けては通れない重要な問題です。

週末の雨以降は

 東京の4月の最高気温をみると、週末の雨では平年を大きく下回りますが、それ以降はほぼ平年並みの気温が続く予報です(図4)。

図4 東京の4月の最高気温と最低気温予報(4月16~22日は気象庁、4月23日~5月2日はウェザーマップの予報)
図4 東京の4月の最高気温と最低気温予報(4月16~22日は気象庁、4月23日~5月2日はウェザーマップの予報)

 最低気温は、月末に平年より低くなりますので、少し寒い朝となりますが、5月に入ると平年並みに戻ります。

 また、天気予報では、来週以降、お日様マークの日が続くようになります(図5)。

図5 東京の16日先までの天気予報
図5 東京の16日先までの天気予報

 雨の可能性がある曇りマーク(黒雲マーク)は来週に2回ありますが、再来週は、すべて雨の可能性が少ない曇りマーク(白雲マーク)が続きます。

 今週末の雨以降は、全国的に晴れが多い天気が続き、気温も上昇し、春本番となりますが、しばらくは、お出かけ日和になっても「おうちにいよう」です。

タイトル画像、図2、図3、図5の出典:ウェザーマップ提供。

図1の出典:気象庁ホームページ。

図4の出典:気象庁資料とウェザーマップ資料をもとに著者作成。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2015年6月新刊『特別警報と自然災害がわかる本』(オーム社)という本を出版しました。

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