北日本大荒れ 今冬最後の寒気南下か
記録的な暖冬
今冬、令和元年12月~2年2月(2019年12月~2020年2月)は、全国的に暖冬で、特に、東日本と西日本では記録的な暖冬でした(図1)。
北日本では、12月上旬と下旬及び2月上旬に、沖縄・奄美では12月上旬と1月下旬及び2月中旬に平年より寒い時期が3回あったものの、ほとんどの期間が平年より高い気温で経過しました。
東日本と西日本は、平年より寒い時期が2回しかなく、それも、平年より少し寒いだけでした。
これは、日本付近の偏西風が北へ大きく蛇行する流れとなっていたため、日本付近は寒気が流れ込みにくく、暖かい空気に覆われ高温となる時期が多かったためです。
冬型の気圧配置が続かず、寒気の影響を受けにくかったため、全国的に冬の降雪量はかなり少なく、北日本から北陸の日本海側では最も少ない記録を更新しました。
3月にはいってからの寒気南下
3月に入ると、おくればせながら寒気が南下してきました。
日本海には強い寒気に対応した雲の渦巻きが現れ、これが北日本を通過します(タイトル画像参照)。
そして、日本の東海上で低気圧が発達し、日本付近は西高東低の冬型の気圧配置となって強い寒気が南下してきます(図2)。
このため、3月5日(木)は、北海道や東北~山陰にかけての日本海側を中心に雪や雨が降る見込みです。
北日本を中心に非常に強い風が吹き大しけとなりますので、暴風や高波、猛ふぶきによる交通障害の警戒してください。
低気圧の通過とその後の冬型の気圧配置により、北海道東部と東北から北陸の山沿いでは、50センチ以上のまとまった降雪、それも着雪しやすい雪が予想されますので、雪に対する警戒も必要です(図3)。
気温は全国的に低くなりますが、低くなって平年並みです。
そして、週末以降、気温が平年より高くなる予報です(図4)。
札幌の気温予報を見ると、平年を下回るのは3月16日頃です(図4)。
これは、北日本を中心に強い寒気が再び南下してくるからです。
寒さの目安として、上空約1500メートルの気温が氷点下6度というものがあり、平地の地表付近では雪の可能性がでてくる温度です。
この氷点下6度の寒気は、関東北部から山陰まで南下してきます(図5)。
しかし、これより低い氷点下12度の寒気は、北日本からは大きく南下してこないと考えられますので、東日本から西日本では、下がっても平年並みの予報となっています。
季節が進み、平年値そのものが高くなり始めていますので、東日本から西日本では、今回の寒気が今冬最後の寒気といえそうです(図6)。
短かった冬
気象庁では、便宜上、春(3~5月)、夏(6~8月)、秋(9~11月)、冬(12月~2月)と3か月ごとに分けています。
東京の半旬平均気温は、12月第1半旬(1~5日)が9.3度、3月の第1半旬(1~5日)が7.0度です。
従って、東京の平均的な冬は、平均気温が9.3度を下回ったときから始まり、7.0度に達するまで続くということができるでしょう。
令和最初の東京の冬は、平均気温が9.3度を下回ったのが11月の第5半旬(21~25日)、平均気温が7.0度を上回ってきたのが2月の第3半旬(11~15日)ですので、冬期間は約80日ということになります(図7)。
11月の第5半旬(21~25日)以降、平均気温が9.3度以上の半旬もあり、9.3度をはっきりと下まわってきたのは12月第5半旬(21~25日)からですので、ここから冬とすると、冬期間は約50日しかありません。
令和最初の東京の冬は、平均的な冬に比べて極端に短かかったということができます。
しかも、本当に寒かったのは、冬の終わり、2月の第2半旬(6~10日)だけと、短い期間でした。
令和最初の冬も終わりが見えてきました。
タイトル画像、図3、図5の出典:ウェザーマップ提供。
図1、図2の出典:気象庁ホームページ。
図4、図6、図7の出典:気象庁資料とウェザーマップ資料をもとに著者作成。