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再度の冬の嵐のあとは低気圧で関東も雪の可能性

饒村曜気象予報士
Winter Landscape(提供:アフロ)

年末年始寒波

 令和元年(2019年)から令和2年(2010年)にかけての年末年始は、西高東低の冬型の気圧配置が続いています。

図1 予想天気図(1月2日9時の予想)
図1 予想天気図(1月2日9時の予想)

 大晦日から元日は、強い寒気が南下し、北日本を中心に暴風が吹き荒れました。

 冬型の気圧配置は、正月休み期間が終わる頃まで続きますが、特に5日(日)頃は強まって、強い寒気が南下してきます。

 上空の寒気の強さの目安として使われるのは、上空約5500メートルで気温が氷点下30度以下ということです。

 元日頃に南下してきた寒気は、上空約5500メートルで氷点下30度以下の範囲が能登半島先端付近から東北南部まででした。

 1月5日(日)に南下してくる寒気では、氷点下30度以下の範囲が北陸地方から関東北部以北です(図2)。

図2 上空約5500メートルの気温分布(1月4日夜)
図2 上空約5500メートルの気温分布(1月4日夜)

 元日頃の寒気の南下より、もう少し南下してきます。

 北日本では日本海側を中心に雪が降り、暴風が吹き荒れる見込みです。

 また、北日本のみならず、東日本から西日本の太平洋側でも気温があがらず、厳しい寒さになる見込みです。

 正月休みを終えたUターンラッシュを襲う寒気ですので、最新の気象情報や交通情報に注意してください。

 

西高東低の冬型の気圧配置のときの天気

 西高東低の冬型の気圧配置になると、太平洋側の地方では晴れるところが多くなり、日本海側の地方では雨や雪の日が多くなります。

 太平洋側に位置する東京の16日先の天気予報では、1月5日までお日様マークの日が続きます(図3)。

図3 東京の16日先までの天気予報
図3 東京の16日先までの天気予報

 しかも、これらの予報は、降水の有無の信頼度が5段階評価で一番高いAです。

 一方、日本海側に位置する新潟の16日先までの天気予報では、1月5日まで傘マークや雪ダルママークが続ます(図4)。

図4 新潟の16日先までの天気予報
図4 新潟の16日先までの天気予報

 しかも、これらの予報は、降水の有無の信頼度が5段階評価で一番高いAか、二番目に高いBです。

 つまり、年末年始の休み期間は、典型的な冬の天気が続きます。

日本海低気圧と南岸低気圧

 来週の中頃になると、寒気の南下は弱まり、日本海低気圧と南岸低気圧が出現する見込みです。

 このため、太平洋側でも日本海側でも雨が降るようになります(図5)。

図5 雨の分布予報(1月8日朝)
図5 雨の分布予報(1月8日朝)

 九州から東北南部までの広い範囲で雨となりますが、下層に寒気が残っている中での冷たい雨です。

 内陸部や山沿いでは雪になる可能性があり、場合によっては少し雪の範囲が広がるかもしれません。

 東京の1月8日の予報では、小さな雪ダルママークがついていますし、1月7~9日は黒雲マーク(雨や雪の可能性がある曇り)がついています。

 しかも、最低気温は降水があれば、それは雪となる温度の2度です。

 ただ、東京も新潟も、1月7日の降水の有無の信頼度は、5段階評価で一番低いE、8日の降水の有無の信頼度は、5段階で一番高いAと大きな差がでています。

 

 まだ信頼度にばらつきが多い段階ですが、来週中頃の天気予報は要注意です。

図1の出典:気象庁ホームページ。

図2、図3、図4、図5の出典:ウェザーマップ提供。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2015年6月新刊『特別警報と自然災害がわかる本』(オーム社)という本を出版しました。

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