台風5号の接近前に危険な雨雲が接近

雲の渦巻き 台風イメージ(提供:アフロ)

台風5号の北上

 大型の台風5号が沖縄の南海上にあって北上中です。

 7月18日の夕方頃には沖縄県の先島諸島付近を通って東シナ海に入り、その後向きを北東に変えて日本海に進む見込みです(図1)。

図1 台風5号の進路予報(7月17日21時)
図1 台風5号の進路予報(7月17日21時)

 (台風情報は、気象庁の発表する最新のものをお使いください。

 台風の北上とともに、日本の南岸に停滞していた梅雨前線も北上しますが、太平洋高気圧の強まりが東に偏っており、東日本の梅雨前線は大きく北上しますが、西日本はそれほど大きく北上しません(図2)。

図2 予想天気図(7月19日9時の予想)
図2 予想天気図(7月19日9時の予想)

 このため、北陸から西日本にかけては、台風からの湿った気流と梅雨前線の北側の寒気がぶつかって大雨の可能性があります。

普通の台風とは違う台風5号の雨雲

 台風は発達した積乱雲が集まったもので、強い風とともに大雨を伴います。

 特に、多くの台風の中心付近は、垂直に発達した積乱雲が眼の周りを壁のように取り巻いており、そこでは猛烈な暴風雨となっています(タイトル画像参照)。

 この眼の壁のすぐ外も濃密な積乱雲が占めており、激しい雨が連続的に降っています。

 さらに外側の200~600キロのところには帯状の降雨帯があり、断続的に激しい雨が降っています(図3)。

図3 台風に伴う雨の特性(イメージ図)
図3 台風に伴う雨の特性(イメージ図)

 しかし、台風5号は違います。

 台風5号の中心付近は、垂直に発達した積乱雲が眼の周りを壁のように取り巻いておらず、豪雨をもたらす危険な雨雲は台風の東側と西側にあります(図4)。

図4 気象衛星から見た台風5号の雲(7月17日12時)
図4 気象衛星から見た台風5号の雲(7月17日12時)

 つまり、台風5号は、中心付近より周辺部で雨や風が強い環状台風といえるでしょう。

 気象庁では、台風の大きさを、風速が毎秒15メートルの範囲(強風域の範囲)で決めています。強風域の範囲が500キロから800キロが「大型」、800キロを超えるものが「超大型」です。

 7月17日21時現在の台風5号の強風域は、南東側650キロ、北西側500キロ(平均で575キロ)ですので、「大型」で沖縄接近となるのですが、中心付近の最大風速は毎秒18メートルです。

 500キロ以上離れたところの風速差が3メートルと、台風中心に向かってそれほど風が強くなるわけではありません。

 逆に、台風からかなり離れていても、意外と風が強いというのが台風5号の特徴です。

 また、台風5号は発達したとしても、最大風速が毎秒25メートル以上となることはないと考えられていますので、台風の5日間予報には、暴風警戒域がありません。

 また、台風5号の東側には、多量の水蒸気を含んだ雨雲を伴っているというのが、大きな特徴ですが、この雨雲は、台風5号の北上より先に東シナ海を北上してきます。

7月19日(金)の雨

 図5は、19日9時の雨雲の予想ですが、東日本から中国地方、対馬海峡に伸びる帯状の雨域がありますがこれが梅雨前線による雨域です。

 その梅雨前線を追うように、東シナ海を北上しているのが台風5号の東側にある雨雲の塊で、強い風を伴なっています。

 西日本では、梅雨前線に伴う雨の後、台風5号に右側にある雨雲による雨が続き、そのあと、台風5号の本体による雨が降ることになります。

図5 台風5号の雨と風の予想(7月19日9時の予想)
図5 台風5号の雨と風の予想(7月19日9時の予想)

 西日本では、台風5号がまだ沖縄本島近海にいる時点で、大雨が降り始める可能性がありますので、油断できません。

 気象庁では、7月18日から20日にかけて、北陸から西日本などの広い範囲に対して警報級の大雨が降るとして、早期注意情報を発表しています(図6)。

図6 大雨に関する早期注意情報(7月19日の警報級の大雨の可能性)
図6 大雨に関する早期注意情報(7月19日の警報級の大雨の可能性)

 

 北上してくる台風5号に対しては、台風接近前に危険な雨雲が接近してくるという認識で、早め早めの防災対応をお願いします。

図1、図2、図3の出典:気象庁ホームページ。

図4、図5、図6の出典:ウェザーマップ提供。