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ゴールデンウィーク前半の天気は?

饒村曜気象予報士
レジャー(GYRO PHOTOGRAPHY/アフロ)

夏日が冬日を上回る

 気象庁では、日最高気温が25℃以上の日を夏日、日最低気温が0℃未満の日を冬日として、季節変化の指標としています。

 平成最後の4月のはじめは、全国の926地点の半分以上が冬日でした。

 冬日は、日本海低気圧により暖気が入った5~6日に激減しましたが、高気圧に覆われ、放射冷却によって気温が下がった12~13日には再び増えました。

 しかし、17日からは沿海州の低気圧向かって暖気が入り、北日本を中心に気温が上がって、北海道でも夏日を観測したところがあり、18日は今年初めて全国の夏日を観測した地点が、冬日を観測した地点を上回りました(図1)。

図1 全国の冬日と夏日の地点数の推移(平成31年4月の夏日と冬日)
図1 全国の冬日と夏日の地点数の推移(平成31年4月の夏日と冬日)

 気象庁が4月18日に発表した1ヶ月予報では、北日本はほぼ平年並み、東日本では平年並みか高く、西日本と沖縄・奄美では高いとなっています。

 特に第1週目は、西日本と沖縄・奄美では、気温が低い確率10%、並みの確率10%、高い確率80%です。

 また、東日本でも、気温が低い確率10%、並みの確率20%、高い確率70%です。

 確率は10%刻みで発表され、0%という情報がほとんど発表されないことを考えると、この高い確率80パーセントや、70%というのは、ほぼマックスの確率です(図2)。

図2 1ヶ月予報の1週目の気温
図2 1ヶ月予報の1週目の気温

 4月20日以降の1週間は、つまり、ゴールデンウィーク前の1週間は、ほぼ全国的に気温が高くなる見込みです。

気象庁の週間天気予報

 低気圧や高気圧の発生・発達、移動等を考え、日々の天気予報を行うことは、7日から2週間が限界といわれています。

 このため長期予報は、個々の日の予報ではなく、ある期間の平均的な状態の予報となっています。

 また、日々の天気予報は、気象庁が行っているのは1週間先までです。

 ウェザーマップなど民間気象会社は、10日先までの予報を行っていますが、きめ細かいアフターフォローなどがあって可能となっていることです。

 この10日予報によると、ゴールデンウィーク直前の4月26日の金曜日は、ほぼ全国的に雨マークがついていますが、翌27日の土曜日からは晴れマークが多くなっています(図3)。

図3 ゴールデンウィーク前半の天気(数字は上段が最高気温、下段が最低気温)
図3 ゴールデンウィーク前半の天気(数字は上段が最高気温、下段が最低気温)

 これは、26日は、北日本を低気圧に伴う前線が通過し、沖縄県には東西に伸びる前線が存在するからです(図4)。

図4 平成31年(2019年)4月26日夜の雨の分布予報
図4 平成31年(2019年)4月26日夜の雨の分布予報

 まだ予想誤差が大きい段階ですが、27日には、北日本の雨や沖縄の雨が弱まる見込みですので、ほぼ全国的に行楽日和のゴールデンウィーク前半という可能性が高くなっています。

 もうすぐ、最長で10連休と言われる平成令和の連休が始まります。

 安全で十分楽しむため、最新の気象情報の確認をお願いします。

図1の出典:ウェザーマップ資料より著者作成。

図2の出典:気象庁ホームページ。

図3、図4の出典:ウェザーマップ提供。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2015年6月新刊『特別警報と自然災害がわかる本』(オーム社)という本を出版しました。

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