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来週は暖かい週明け 東京で夏日手前に

饒村曜気象予報士
新緑とマンション(ペイレスイメージズ/アフロ)

来週は暖かい週明け

 低気圧と高気圧が交互に通過し、雨が周期的に降る地方が多いという、春らしい天気になってきました。

 週末は、大きな移動性高気圧に覆われてほぼ全国的に晴天となりますが、週明けは再び低気圧が日本列島を通過し、気温が上がりそうです(図1)。

図1 予想天気図(3月8日9時の予想)
図1 予想天気図(3月8日9時の予想)

 気象庁が発表する週間天気予報では、予報2日目以降に誤差幅がついており、誤差幅が大きいときには注意が必要です。

 例えば、3月7日に発表した東京の週間天気予報では、予報2日目の9日の最高気温は16℃(14~18℃)と誤差幅が4℃ですが、週明けの11日は19℃(15~23℃)と、誤差幅は8℃もあります(図2)。

図2 東京の週間天気予報
図2 東京の週間天気予報

 これまで低気圧が日本付近を通過するときは本州の南海上を通っていましたが、週明けの低気圧は、進路が少し北上して日本海沿岸を通過する見込みです(図3)。

図3 予想天気図(3月10日21時(左)と11日21時(右)の予想)
図3 予想天気図(3月10日21時(左)と11日21時(右)の予想)

 ただ、現段階では、どの程度まで北上して通過するか、暖気をどれくらい南から運んでくるかがはっきりしませんので、誤差幅が大きくなっているのです。

 低気圧が大きく北上する場合は、東日本では南から強い暖気が入ります。

 東京では、寒いと言っていた冬から、春を通り過ぎて、夏日(最高気温が25℃以上)手前まで季節が進む可能性があります。関東の内陸では夏日になるかもしれません。

 低気圧が大きく北上しない場合でも、最高気温・最低気温ともに平年より高い予報ですので、暖かい一週間になる見込みです。

西日本は週の半ばから平年並みに

 暖冬だった西日本は、3月に入ると、最低気温は平年より高い日が多いものの、最高気温は平年並みが多くなっています。

 そして来週も、最低気温は平年より高い日が続き、最高気温は、週の前半は平年より高いものの、週の後半は平年並みの日が多そうです(図4)。

図4 福岡の週間天気予報
図4 福岡の週間天気予報

気温予想が難しい北日本

 3月に入ると、最低気温、最高気温ともに、平年より高い日が続いていた北日本ですが、この傾向は来週も続く見込みです(図5)。

図5 札幌の週間天気予報
図5 札幌の週間天気予報

 ただ、気温の誤差幅が大きく、例えば、13日の札幌の最低気温は高い場合が3度です。これに対し、13日の最高気温の低い場合が2度と、最高気温と最低気温が逆転しています。

 12日も、最低気温の高い場合、最高気温の低い場合は、いずれも、5度と同じ温度です。

 実際には、最高気温が最低気温より下ということはありえないのですが、このような予報になること自体が、気温予報が難しいことを示しています。

 来週は、地方によって気温変化が異なっていますが、平年より高いことは同じです。

 さくらのつぼみも陽気に誘われて膨らみ始め、早い開花に向けて準備が急ピッチです。

 さくらがきれいに咲いている期間は、それほど長くありません。

 そろそろ花見の準備を…。

図1の出典:気象庁ホームページ。

図2、図4、図5の出典:気象庁ホームページをもとに著者作成。

図3の出典:気象庁資料による。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2015年6月新刊『特別警報と自然災害がわかる本』(オーム社)という本を出版しました。

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