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今週末から本格的な寒気南下 東京でも最低気温3度の可能性

饒村曜気象予報士
気象衛星から見た雲と地上天気図(12月2日21時)

移動性高気圧の後面

 大きな移動性高気圧が日本の東海上に去り、日本付近は高気圧後面の南からの暖かくて湿った空気が入りやすい領域になっています(タイトル画像参照)。

 東シナ海では次第に低気圧や前線がはっきりし、曇りや雨の範囲が西日本から東日本へと広がってきます(図1)。

図1 予想天気図(12月4日9時の予想)
図1 予想天気図(12月4日9時の予想)

 12月4日朝の予想天気図では、北海道付近を低気圧が発達しながら通過しますが、この北海道の低気圧に向かって、暖気が北上してきますので、各地とも12月としては記録的な暖かさとなり、北海道でも雪ではなく雨のところが多くなります(図2)。

図2 週間天気予報(12月2日17時気象庁発表)
図2 週間天気予報(12月2日17時気象庁発表)

 東京の12月の最高気温は12月4日21度(誤差幅を考慮すると20~24度)、5日20度(17~21度)と、2日連続で20度を超える予報です。

 東京の12月の平年の最高気温が13度くらいですので、平年より7~8度高い、20度超えということになります。

 東京の12月としての最高気温は、平成16年(2004年)12月5日の24.8度、ついで、平成27年(2015年)12月11日の24.1度です。誤差幅を考慮すると、12月の最高気温の記録のランキングに入ってくるかもしれません。

週末にかけては一転して寒気南下

 週初めは記録的な暑さとなりますが、週末にかけては、日本の東海上で低気圧が発達し、日本付近は西高東低の冬型の気圧配置となって強い寒気が南下してきます。

 大雪の目安とされる、上空約5500メートルで、-36度以下の寒気は、7日夜には、再び北海道上空に入ってきます(図3)。

 一時期、-42度以下の寒気が北海道上空に南下する可能性もありましたが、現在は、そこまで低くはならない予報に変わっています。

図3 上空約5500メートルの気温
図3 上空約5500メートルの気温

 週末の寒気の南下によって、南に位置する地方からも、初雪や初霜、初氷といった冬の便りが届く可能性があります。

 東京の12月の平年の最低気温は5度くらいですので、8日の最低気温6度(誤差幅を考慮して3~8度)、9日5度(2~7度)という予想は、ほぼ平年並みということになりますが、誤差幅を考慮すれが、霜が下りたり、氷が張る目安となる3度を下回ってきます。

 夏以降、暑い日が続いていましたので、平年並みの寒さでも非常に寒く感じます。

 西高東低の気圧配置となって寒気南下ということは信頼性が高い予報であっても(東京の週間予報で、6日目以降の信頼度A)、どの程度まで寒気が南下するかというのは難しい予報で、予報によってバラつきがあります。

 このため、寒気南下の程度に注意しながら最新情報入手に努め、行楽や大掃除の計画に役立ててください。

タイトル画像、図3の出典:ウェザーマップ提供。

図1、図2の出典:気象庁ホームページ

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2015年6月新刊『特別警報と自然災害がわかる本』(オーム社)という本を出版しました。

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