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最高気温40度超え 日本記録を出した平成25年よりも早いペースの猛暑日

饒村曜気象予報士
地上天気図と気象衛星から見た雲(平成30年7月18日21時)

5年ぶりの最高気温が40度超え

 日本付近は優勢な太平洋高気圧に覆われ、晴れて気温の高い日が続いています。北海道を覆っているオホーツク海高気圧も次第に温まって、雨が続いていた北海道も晴れてきました(タイトル画像)。

 今年、平成30年(2018年)7月18日に岐阜県の多治見で40.7度、美濃で40.6度の日最高気温を観測しましたが、これは、平成25年以来の40度超えです。

 平成25年は高知県の江川崎で8月12日に日本記録の41.0度を観測した年で、山梨県の甲府で40.7度、群馬県の館林で40.1度を観測しました(表)。

表 日本の日最高気温
表 日本の日最高気温

しばらく続く猛暑

 日本を覆っている太平洋高気圧の勢力は強く、北から寒気の南下がないため、山沿いを中心に局地的な雷雨があっても、打ち水で気温を下げるということは期待できません。

 また、太平洋高気圧の勢力が強いと、熱帯で発生する台風の北上も妨げます。発生したばかりの台風10号は、今後やや北上して週末の沖縄に影響を与える可能性がありますが、東日本から西日本への影響はなさそうです。

 このため、10日先までの拡大週間天気予報では、北海道と沖縄を除いて、晴れて暑い日が続きます(図1)。

図1 各地の週間天気予報
図1 各地の週間天気予報

 7月19日以降も、岐阜県・多治見や美濃のように、最高気温が40度を超す観測地点がでてくる可能性があります。これまで、11県で最高気温が40度を超えていますが、新たな府県が加わるかもしれません(図2)。

図2 日最高気温40度以上を観測したことがある県
図2 日最高気温40度以上を観測したことがある県

早いペースの猛暑日

 最高気温が35度以上という猛暑日の全国の累計は、今年は7月18日までに1421日と、平成25年(2013年)の同時期の802日より大幅に増えています(図3)。

図3 最近7年間の猛暑日の累計
図3 最近7年間の猛暑日の累計

 例年ですと、梅雨明けとなった7月下旬ころから猛暑日が増えはじめ、8月上旬から中旬に猛暑日のピークがくるのですが、今年は、梅雨明けが早いこともあって例年より早く猛暑日が出現しました。

 毎日同じような天気図が続き、多くの地方では、体が夏の暑さに慣れないうちに、強烈な猛暑の日が続いています(図4)。

図4 予想天気図(7月20日9時の予想)
図4 予想天気図(7月20日9時の予想)

 今年の猛暑予報は精度が高いと考えられます。

 これからの暑くて長い夏を健康で乗り切るためには、こまめな水分補給と十分な睡眠が必要です。

図1、図2の出典:ウェザーマップ提供。

図3、表の出典:気象庁ホームページをもとに著者作成。

図4の出典:気象庁ホームページ。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2015年6月新刊『特別警報と自然災害がわかる本』(オーム社)という本を出版しました。

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