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今年初の猛暑日 梅雨の中休みは熱中症と紫外線に警戒

饒村曜気象予報士
青空と太陽(ペイレスイメージズ/アフロ)

梅雨の中休みと猛暑日

 東日本から西日本は梅雨の中休みとなり、梅雨前線が日本列島の上から消えた週明けとなりました(図1)。

図1 地上天気図(6月25日21時の予想)
図1 地上天気図(6月25日21時の予想)

 南から太平洋高気圧の縁辺をまわる暖気と日射で、栃木県佐野で36.4度、千葉県牛久で35.5度、群馬県桐生で35.4度など、関東地方を中心に全国10地点で猛暑日(最高気温が35度以上の日)になりました。

 猛暑日が観測されたのは今年初めてです。

 昨年、平成29年(2017年)最初の猛暑日は5月21日、一昨年、平成28年(2016年)最初の猛暑日は6月18日と今年より早いのですが、両年とも、いっとき暑かっただけで、本格的な暑さは7月に入ってからです(表)。

表 猛暑日を観測した年毎のアメダス観測所の数
表 猛暑日を観測した年毎のアメダス観測所の数

 ただ、今年、平成30年(2018年)は、最初の猛暑日である6月25日以降、猛暑日が連続しそうです。

 今週前半は、夏の主役の太平洋高気圧が上空5キロくらいまでの日本列島を覆うことに加え、その上をチベット高気圧が覆う予想ですので、日本列島は、布団の二枚重ね状態になりますので、猛暑の梅雨の中休みになる見込みです(図2)。

図2 太平洋高気圧とチベット高気圧(6月26日夜の予想)
図2 太平洋高気圧とチベット高気圧(6月26日夜の予想)

熱中症と紫外線に警戒

 梅雨の中休みの猛暑は、体が夏の暑さになれていない時期の暑さですので、体に負担がかかります。しかも、湿度が高いので、同じ温度でも熱中症にかかりやすくなります。

 また、梅雨の中休みの頃は、太陽が一番高い夏至の頃でもあります。太陽高度が高いと、紫外線が多く降り注ぎます。

 熱中症と紫外線に警戒の梅雨の中休みです。

今週後半の低気圧

 今週後半は日本海北部に前線を伴った低気圧が現れてきます(図3)。

図3 予想天気図(6月27日9時の予想)
図3 予想天気図(6月27日9時の予想)

 この低気圧に伴う前線がどこまで南下するかによって週間天気予報は大きく変わります。新潟など日本海側の地方は曇や雨の予想になっていますが、東京は晴れて高温の日が続く予報になっています(図4)。

図4 週間天気予報(札幌、新潟、東京、大阪、那覇)
図4 週間天気予報(札幌、新潟、東京、大阪、那覇)

 いずれにしても、週の半ば以降は梅雨の心配をしなければなりません。梅雨の中休みとはいえ、梅雨明けまでは、引き続き雨に警戒が必要です。

図1、図2、図3、図4の出典:ウェザーマップ提供。

表の出典:気象庁ホームページをもとに著者作成。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2015年6月新刊『特別警報と自然災害がわかる本』(オーム社)という本を出版しました。

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