大荒れの天気をもたらす南北に立っている寒冷前線
寒冷前線は北東から南西へ伸びることが多いのですが、ほぼ南北に立っていることがあります。このときは、寒冷前線の東側では南からの暖気が低緯度から高緯度へ一気に北上し、西側では北からの寒気が高緯度から低緯度へ一気に南下しますので、大荒れの天気となります。
金曜日(3月9日)の天気図は、日本海にある前線を伴った低気圧と、東海地方にある前線を伴った低気圧が一緒になり、北海道付近に達した低気圧から東日本へ、ほぼ南北に立った寒冷前線がのびるという、大荒れの天気図です(図1)。
低気圧や前線に向かって、暖かく湿った空気が流れ込み、西日本から北日本の広い範囲で、大気の状態が非常に不安定となっていますので、積乱雲が発達し、落雷や突風の恐れがあります。そして、気温が高くなり、広い範囲で雨が降って、所によっては大雨の可能性もあります。
また、積雪の多い地域では雪解けが急速に進み、融雪洪水のおそれがあります。
過去にも被害が
寒冷前線が南北に立っているときに大荒れの天気になることは、過去にもあります。
例えば、平成20年(2008年)12月5日です(図2)。このときは、各地で暴風雨となり、東海地方と関東地方では突風被害がありました。また、寒冷前線が通過するまでは気温が急上昇し、通過後は気温が急降下しました。
朝の通勤・通学と夕方の通勤・通学
東日本では、朝の通勤・通学時間帯は大荒れになります。寒冷前線の東側にあたり、南風が入って暖かく、強い雨が降ります。そして、夕方の通勤・通学時間帯は寒冷前線の西側に入って寒気が南下してきます(図3)。
朝と夕方では天気が様変わりしますので、通勤・通学の直前に、最新の暴風警報や最新の大雨警報等の情報の再確認をお願いします(図4、図5)。
3月9日8時20分に追記:
北日本と東日本が非常に激しい雨となっているため、図5の大雨警報の発表地域を追加し、図4の暴風警報の発表地域を差し替えました。
図1、図2、図3、図4、図5の出典:気象庁ホームページ。