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大きな寒暖差の大きな一週間

饒村曜気象予報士
青空と梅の花(写真:アフロ)

寒暖の変化が大きな一週間

 今週は日本海低気圧に向かって暖気が入ったり、西高東低の冬型の気圧配置で寒気が南下したりと、気温の変化が大きい一週間になる予報です(図1)。

図1 予想天気図(平成30年(2018年)3月5日9時の予想)
図1 予想天気図(平成30年(2018年)3月5日9時の予想)

 東京都心部では、最高気温が15度と植物活動が活発となる温度を超える日もあれば、最低気温が2度と霜や結氷の可能性がある温度まで下がる日もあります。

 週間天気予報では、2日目から7日目までの最高気温と最低気温の予報値に幅がついています。最高気温の上限値をみると、週の初めと週の終わりには18度を超えますが、最低気温の下限値でみると、週の半ばでは1度まで下がる予報になっています(図2)。

図2 東京都心部の最高気温と最低気温の予想(上限と下限)
図2 東京都心部の最高気温と最低気温の予想(上限と下限)

 なお、図2では3月4日の最高気温が21度となっていますが、最新の予報では、日本海の低気圧の緯度が低いために暖気流入は弱く、最高気温は18度に変更となっています。

 つまり、東京都心部の気温は、18度(3月5日と9日と10日の最高気温)から1度(3月7日と8日の最低気温の下限値)までの可能性があるという、寒暖差が大きな一週間です。

 ただ、大きな寒暖差は春の特徴で、特に珍しいことではありません。

 昭和41年には東京都心部の最高気温が1日で15度以上も下がっています。

昭和41年の東京都市部の最高気温

 昭和41年(1966年)3月5日の東京都心部は、北日本を通過中の低気圧に向かって南から暖気が流入し、日最高気温が21.6度となっていますが、その後、寒冷前線が通過し、翌6日は関東南岸に前線が停滞して一日中気温が上がらなかったため、日最高気温が6.2度でした(図3)。

 つまり、1日で最高気温が15.4度低くなりました。

図3 昭和41年(1966年)3月5~6日の東京の気温変化
図3 昭和41年(1966年)3月5~6日の東京の気温変化

 今週は気温変化が大きい一週間です。

 健康管理のため、天気予報を利用してこまめに服装替えが必要な一週間です。

図1の出典:気象庁ホームページ。

図2、図3の出典:気象庁ホームページをもとに著者作成。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2015年6月新刊『特別警報と自然災害がわかる本』(オーム社)という本を出版しました。

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