南岸低気圧のあとは寒気を伴う日本海低気圧で日本海側平野部で大雪
南岸低気圧による雪の影響で、首都圏の朝の通勤・通学が乱れています。
1月22日の南岸低気圧のときより本州を少し離れての通過のため、雪の量は少ないのですが、1月22日の雪が消え残っているときの雪です。寒さが続いていたためですが、冷えている地面への雪ですので、降雪の量以上に影響が大きくなっています。
南岸低気圧のあとは
南岸低気圧が通過したあとは、西高東低の冬型の気圧配置となり、北から寒気が南下するのが一般的です。
ただ、今回の南岸低気圧の場合は、上空に入ってきた寒気に対応する低気圧が日本海にできます。このため、南岸低気圧の通過後に冬型の気圧配置になるのではなく、日本海低気圧の通過というワンクッションをおいてから冬型の気圧配置になります(図1)。
このため、全国的に寒気が南下して寒くなるのもワンクッションおいてからですが、日本海の低気圧が通過するときは、日本海側の平野部でも大雪となる、「里雪型の大雪」の可能性があります。
里雪型の大雪
日本海側の地方の大雪には、大きく分けて、「山雪型の大雪」と「里雪型の大雪」がありますが、人口が多い平野部でも大雪になる「里雪型の大雪」のほうが、大きな影響がでます。
どちらも、大きく見れば西高東低の気圧配置ですが、「山雪型の大雪」の場合、上空の寒気が北日本に南下します。これに対し、「里雪型の大雪」の場合は、上空の寒気が日本海に南下してきます。このため、「里雪型の大雪」の場合は、地上天気図には、日本海に上空の寒気に対応する小さな低気圧、もしくは、等圧線が日本海で膨らみます。
しかし、今回の日本海の低気圧は、小さな低気圧ではなく、はっきりした低気圧です。それだけ、日本海上空に入っている寒気が強いことを示しています。
日本海の低気圧が通過するときには、強い雪や雷などに警戒が必要ですし、西高東低の冬型の気圧配置になったときには厳しい寒気南下に注意する必要があります。
図1の出典:気象庁ホームページ。
図2、図3の出典:饒村曜(2014年)、天気と気象100、オーム社。