冬型の気圧配置でまとまった雪 11月でも雪崩で死傷している

(ペイレスイメージズ/アフロ)

雪崩の種類

 雪崩は、山の斜面の雪が重力の作用によって目に見える速さで崩落する現象のことで、雪崩発生の形によって点発生と面発生、雪崩層滑り面の位置によって表層雪崩と全層雪崩(底雪崩)があります(図1)。

図1 雪崩の種類
図1 雪崩の種類

 全層雪崩は、主として春先の融雪期に起こる雪崩で、積雪した層全体が滑り落ちます。破壊力はあるのですが、発生場所はほぼ決まっていて、雪面に割れ目やシワ、こぶが生ずるなど、発生の前触れが現れることが多い雪崩であることから、危険回避が可能です。

 これに対し、主に降雪の最盛期に、多量の降雪中または降雪の直後に発生するのが表層雪崩です。積雪の上部が滑り落ちる雪崩ですが、全層雪崩より危険です。というのは、雪崩の走路は思わぬ場所まで達したり、過去に雪崩害の全くなかった場所でも発生するからです。

 このため、死者を出した雪崩の多くは表層雪崩です。

 大正7年(1918年)1月9日に新潟県三俣村(現湯沢町)で、一回の雪崩で158名が死亡するという、世界最大級の雪崩災害が発生していますが、このときも表層雪崩でした。

11月の雪崩災害

 表層雪崩による死亡事故は冬の初めの11月でも発生しています。

 昭和35年11月19日の富士山では、雪崩で11名が死亡しています。

 また、昭和54年11月28日にも富士山七合目で発生した雪崩で大学生約40人が巻き込まれ、15名が死亡しています。

 11月といっても、まとまった雪が降っている場所では、どこでも表層雪崩の危険性があります。

今冬一番の寒気の南下

 今冬一番の寒気が南下し、日本付近は西高東低の気圧配置になっています(図2)。

図2 予想天気図(平成29年11月19日9時の予想)
図2 予想天気図(平成29年11月19日9時の予想)

 寒気が南下し、北日本から北陸の日本海側を中心に、まとまった雪が降っています。

 気象衛星「ひまわり」では、日本海や東シナ海に寒気南下にともなう、筋状の雲を観測しています(図3)。

図3 気象衛星「ひまわり」の赤外画像(平成29年11月19日3時)
図3 気象衛星「ひまわり」の赤外画像(平成29年11月19日3時)

 雪崩注意報が北海道に発表されていますが、今後は増えてくると思います(図3)。

図4 雪崩注意報の発表状況(平成29年11月19日3時43分現在)
図4 雪崩注意報の発表状況(平成29年11月19日3時43分現在)

 雪崩注意報は、大雪が止んでも、雪崩の可能性がある間は継続されています。発表期間が長い注意報ですので、こまめに気象情報のチェックが必要です。気象警報・注意報は常に最新のものを利用してください。

図1の出典:饒村曜(2002)、気象災害の予測と対策、オーム社。

図2、図3、図4の出典:気象庁ホームページ。