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紅葉狩りの季節 またも大荒れの土日

饒村曜気象予報士
紅葉とシニアカップル(写真:アフロ)

今年の台風は土日襲来

 今年の台風は、7月4日(火)に長崎県に上陸した台風3号を除くと、ほとんどが土日に襲来しています。

7月29日(土)に南西諸島南部を通過した台風9号

8月6日(日)に九州南部に接近した長寿の台風5号

9月17日(日)に東シナ海から鹿児島、高知、兵庫に上陸した台風18号

10月22日(日)の総選挙の日に沖縄近海から東海地方に進んだ台風21号

10月29日(日)は沖縄近海から東海沖を進んだ台風22号

 台風は曜日を選んで襲来するわけではありませんので、これは偶然です。

 そして、今度の土日、11月11日(土)、12日(日)は、発達した低気圧です。

今度の土日の天気

 ロシアの沿海州に発達中の低気圧があり、この低気圧に伴う寒冷前線が通過しますので、寒気が南下し、北日本を中心に寒くなります(図1)。

図1 地上天気図(平成29年11月8日3時)
図1 地上天気図(平成29年11月8日3時)

 その後、移動性高気圧に覆われ、少し暖かくなりますが、次の低気圧が発達しながら北日本に接近しますので、低気圧の発達の程度によっては、北日本を中心に大荒れとなります(図2)。

図2 予想天気図(平成29年11月9日21時の予想)
図2 予想天気図(平成29年11月9日21時の予想)

 札幌管区気象台は、土日に暴風警報(暴風雪警報)を発表する可能性を示しています(図3)。

図3 札幌(北海道石狩地方)の警報級の可能性(11月8日5時札幌管区気象台発表)
図3 札幌(北海道石狩地方)の警報級の可能性(11月8日5時札幌管区気象台発表)

 そして、土日に低気圧が通過した後は寒くなります。

 初冬は、このように日本付近を低気圧と移動性高気圧が交互に通過し、移り変りの天気の中で気温が段階的に低くなります。

 11月18日は、旧暦の10月1日で「神無月」の始まりです。「神無月」は、別称「小春」ですので、この季節としては暖かい「小春日和」の日も出現します。初冬は、小春日和を挟みながら次第に寒くなり、「山装う(山粧う)」から「山眠る」へ移行します。

行楽には気象情報入手を

 紅葉狩りの季節ですが、人間都合で天気は変わりません。行楽は、気象情報の入手が不可欠です。

 北日本を中心に、あいにくの天気になる可能性がある週間天気予報ですが、最新の気象情報の入手に努め、安全に行楽の秋を楽しんで欲しいと思います(図4)。

図4 札幌と仙台の週間天気予報
図4 札幌と仙台の週間天気予報

図1、図2、図3、図4の出典:気象庁ホームページ。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2015年6月新刊『特別警報と自然災害がわかる本』(オーム社)という本を出版しました。

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