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バッシングの果てに。石田純一の今

中西正男芸能記者
赤裸々に思いを語る石田純一(撮影・倉増崇史)

 昨年4月、緊急事態宣言中に沖縄を訪問していたことに端を発し、その後も深夜の酩酊や会食などでバッシングの渦中にある俳優の石田純一さん(67)。「言ったことは全て書いていただいて結構ですので」と今の思いを赤裸々に告白しました。

口を開けば「言い訳」

 言ったことは全て書いていただいて結構ですので、今、思っていることをお話ししますね。

 口を開けば言い訳と言われるし、まさに今こうやってしゃべっていることも弁解みたいになってしまうのかもしれませんけど、夜遅くに出歩いたことは事実です。

 どんな理由があるにせよ、それは“認識の甘さ”という言葉からは逃れられない領域だと思います。

 仕事にも影響がないわけはないので、事実として、CMもなくなりましたし、去年のバッシングでは6000万円ほどの収入がなくなりました。

 ただ、まだ仕事はゼロにはなっていないし、こんな中でも以前からのお仕事を継続していただいているところもあります。

 良い時には寄ってきて、悪くなったら去っていく。

 そういうことが一般的なのかもしれませんけど、逆に、良い時は忙しいだろうからと距離を置いて、大変な時にスッと来てくれる。それをしてくださる方の有難さというのは、正直、普段の何倍も強く感じています。

昔の顔で食べてきた

 これは、以前から僕が思っていることなんですけど、転機は悪いかたちで出ることが多いんです。ケガとか事故とか病気とか。

 あまりきれいな言い方じゃないですけど、特にここ10年くらいは「昔の顔で、のんびり食べてきた」ようなもんです。

 正直、こういうことがなければ、あぐらをかくというか、ま、そんな大したあぐらじゃないですけど、恐らくそのままそこに座り続けていたんだと思います。

 ただ、今回、こういうことになりました。

 そこで今一度ゼロに戻って、そもそも自分が何がやりたくてこの世界に入ってきたのかを考えてみたんです。そこで出てきた答えが映画でした。

 自分は映画が作りたくて入ってきた。だったら、今からでも映画を作ろう。原点に戻って汗をかこう。

 そう思って、自分で脚本を書いて、一緒にやってくれる仲間と一つ一つ前に進めていっているところです。現段階では来年に公開という形になったらなと。

妻からの一言

 結婚から11年と少し日が経ちましたけど、相変わらず、ウチの奥さんは「ごめんなさい」は言わないし、なかなか、頑なな奥さんではあります。

 ただ、この前、1月の終わりくらいかな。ふと「いつもありがとうね」と言ってきたんです。珍しいことだったんで「えっ?」と聞き直したくらいだったんですけど、そんなことがありました。

 さすがにね、実際の話、そろそろ“実弾”も尽きてくるので「次の入金はいつになるのか」と考えたりもする。

 そういう流れの中で、改めて、今まで僕がやってきた仕事だとか、動きだとかを見つめ直してくれたのか。細かく尋ねたわけではないですけど、そんな思いを感じました。

 もちろん、迷惑をかけているのは分かるし、こんなきっかけは決してハッピーなことではないんですけど、いろいろなものを噛みしめた一言でした。

 ただ、これも現実問題として、彼女の仕事にも影響は出ています。

 僕がコロナに罹患した中で、ゴルフ場というのが一つのキーワードにもなった。言わずもがな、彼女にとってゴルフのお仕事が本業でもあるのに、そちらからの風当たりが強くなってしまった。

 そこはより一層、いろいろな忸怩たる思いが渦巻く部分でもありました。

子どもへの思い

 あと、子どもとの関係性を再確認するきっかけにもなりました。今、長男が8歳、長女が4歳、次女が2歳なんですけど、彼らには彼らの人生をしっかりと生きてほしい。

 人間、生まれ方はほぼ一緒です。でも、死に方は全然違う。

 どんな最期を迎えるか。もちろん、不測の事態もありますが、それまでの生き方によって決まってくる部分も大きい。

 できれば、そこはしっかりと子どもたちに自分が見せるべきところだと思いますし、衰えていくところも、見せたいという思いもあるんです。

 特に息子に対してはその思いが強いですけど、良い時の親父の姿だけでなく、いわばオスとして弱ってじいさんになっていくサマも見せる。それは親にしかできないことなのかなと。ま、大層にそんなことを考えなくても、自然とそうなってきてますけど(笑)。

 それと、やっぱり、誇りは持ち続けたい。貧しくても正々堂々と。

 今、こういう状況になっていても、自分が違うと思ったことにはしっかりと「ノー」と言う。そこの出力は、今も、いや、今だからこそ、持っておきたいなと。

「いつ死んでも」

 もちろん、去年のバッシングや今回のことは自分の問題であり、自分に降りかかる問題なんですけど、そのことでいろいろと迷惑をかけました。

 例えば、僕の仕事がなくなることでメイクさんも連動して仕事がなくなるわけだし、僕だけならともかく、それによって巻き込んでしまう。そういう方々には、本当に、ただただ、ただただ、申し訳ないばかりです。

 あと、家族にも負担をかけています。だけど、自戒を込めて言うと、家族は同じ船です。こうなったら、同じ運命を歩むことになる。それが現実です。

 でもね、結婚する前も、今もそうなんですけど、妻は本当にタフです。それに甘えちゃいけないし、頼り過ぎたらダメなんですけど、本当にタフです。

 8年前に長男が生まれた時、そして、4年前に長女が生まれた時は「頑張って、まだまだ働かなくちゃ」と思いました。だけど、今はどこかで「オレはいつ死んでも大丈夫だな」と思う自分もいるんです。

 こんな状況でも、とにかくウチの中が明るい。いや、明るくしてくれています。

 ま、タフな分、ちょっと怖いけどね…。これはオレが言ってることじゃなくて、長男が言ってることですから、そこはよろしくお願いします(笑)。

 ただ、矛盾するようだけど「今、いなくなるわけには絶対にいかない」という自分もいるんです。

 迷惑をかけた仕事関係の人たち、そして、家族にもう一回、良い顔をしてもらいたい。そのためには、自分がもう一回、やるしかありませんから。

 そのために頑張らなきゃいけない。簡単ではないだろうし、どんな形になるかは分かりませんけど、その思いは持ち続けています。

■石田純一(いしだ・じゅんいち)

1954年1月14日生まれ、東京都出身。“トレンディ俳優”としてフジテレビ「抱きしめたい!」「君の瞳に恋してる!」などに出演し一躍時の人となる。ニュースキャスターとしても注目を集めるが「不倫は文化」騒動で仕事を失う流れも経験する。息子は俳優のいしだ壱成、娘はモデル・女優のすみれ。2009年12月にプロゴルファーの東尾理子と再婚。12年に男児、16年に女児、18年に女児が誕生。

【この記事は、Yahoo!ニュース個人編集部とオーサーが内容に関して共同で企画し、オーサーが執筆したものです】

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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