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大河ドラマで注目の高橋ひかる、原点は吉本新喜劇!

中西正男芸能記者
女優として活躍中の高橋ひかる

NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」で謎の美少女・高瀬を演じている女優の高橋ひかるさん(15)。2014年、所属事務所・オスカープロモーションが手がける「全日本国民的美少女コンテスト」でグランプリを獲得し、昨年、映画「人生の約束」のヒロイン役で女優デビューを果たしました。今年、地元の滋賀県から上京。さらにギアを上げての女優道に邁進(まいしん)中ですが、芝居の原風景となっているのは関西が誇る“あの文化”だと言葉に力を込めました。

目線一つで変わるよ

「…直虎」の撮影に入ったのが今年の2月上旬。その少し前に滋賀から上京しました。それまではお仕事のたびに、滋賀から新幹線で通うという形だったんですけど、今は東京が拠点になりました。滋賀はずっと育ってきた場所ですし、そこから離れるのは正直寂しくもありますし、やっぱり水とか空気が滋賀とは違うし戸惑う部分もありましたけど、東京はこれでもかと電車の本数が多いのはとても便利だなと(笑)。

「…直虎」が女優としての2作目。1作目は現代劇の映画で、今回はドラマの時代劇。初めての経験だらけだったので、分からないこともたくさんありました。でも、実際、現場に入って初めて時代劇用のメイクをして、衣装を着て、かつらをつけていただいた時点で、すごくうれしかったんです。明らかに、いつもの自分とは違う。一気に自分が演じる高瀬という役に近づけた。そんな気がして、衝撃を受けました。そして「本当に『大河』の撮影に入るんだ」という実感も沸いてきました。

もちろん、まだ2作目ですし、勉強しなければならないことばかりなんですけど、直虎(柴咲コウ)さんであったり、周りの方に本当にあれこれと教えてもらっています。クランクインしてまだ1週間くらいの時、私が直虎さんが生まれ育った井伊谷(いいのや)に入ってくるという場面だったんですけど、そこが自分にとってはすごく難しくて。

というのは、当時は身分の差といいますか、そういうものがある中で、それをどうお芝居で表現したらいいのかに迷ったんです。私は百姓としてやってきて、直虎さんや祐椿尼(財前直見)さんにあいさつをするという場面だったんですけど、役の設定上、大きな身分の違いがあるんですけど、そこを出すことができない。そこで、苦労していた私に直虎さんが言っていただいたのが「目線一つで変わるよ」ということでした。私は直虎さんらと目線を合わせてセリフを言っていたんですけど、当時の感覚から言うと、直虎さんとお百姓さんは目線も合わせられないくらいの関係性だと。なので、目を伏せてセリフを言うようにして、監督からもOKをもらうことができました。教えていただいたら「なるほど」と理解できることなんですけど、自分一人だとなかなか気づかない。そういったことを日々学べる現場に巡り合えているということにも、ただただ感謝です。

締め切りの最終日だった

今の現場にもご縁を感じるというか、巡り合わせのありがたさを感じていますけど、もともと、このお仕事を始めることになったきっかけも縁というかなんというか…。きっかけは14歳の時に受けた「全日本国民的美少女コンテスト」だったんですけど、当時はダンスを習っていたんです。そこで先生から、自分を試す意味でも「何かしらオーディションを受けてみるといい」と言われていて。ただ、自分がまさかこんな仕事をするというイメージもありませんでしたし、そもそも受かるわけもないし。そんな思いから尻込みをしていたんです。

そんな中、先生から名指しでというか、こんなコンテストがあるからと教えてもらったのが「全日本…」だったんです。また、それを教えてもらった日が締め切りの最終日で「ウワッ、今日までだ!!」と思って、躊躇(ちゅうちょ)せずにポンと応募してみた。これがまだまだ締め切りまでに余裕があったら「ま、タイミングのいいところで応募してみようか」みたいな感じで締め切りが過ぎていたかもしれないし、一日遅かったら間に合っていなかった。締め切り最終日にこのコンテストを知るというのも巡り合わせだったのかなと。

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毎週録画して見ていた

あと、今後の女優としての目標は、人の気持ちを動かせる女優になりたい。そう思っています。小さい頃から、自分もいろいろな作品を見てきて、作品を見るだけでこちらが前向きになれたり、元気をもらったり。そうしてきたことを自分ができればなと思っています。

それでいうと、私が大好きな作品というか、根っから好きなのが吉本新喜劇なんです。「せやねん!」(MBSテレビ)を見た後に新喜劇というのが土曜のいつもの過ごし方で(笑)、毎週録画して見てました!!

特に好きなのが辻本茂雄さん。とりわけ、辻本さんのキャラクター・茂造じいさんが大好きです。もちろん、毎週録画するくらいですから(笑)、他の座長さんも本当におもしろいんですけど、中でもとてつもなく茂造さんが好きで。

小さい頃はとにかく好きで見ていたんですけど、今、お芝居の仕事をするようになって、その目で改めて見ると、さらにすごさを感じると言いますか。一番すごいと思うのは、何回見てもおもしろい。おなじみのくだりをしているのに、そこに少し変化が入れてあって「待ってました!!」となりつつも、その都度、新鮮でおもしろい。これは、本当にすごいことだなと。そして、出演者それぞれにギャグを持ってらっしゃって、それが出るのも楽しみではあるんですけど、特定のギャグが好きというのではなく、私にとっては最初から最後までの一連の流れ全てが新喜劇であって、その全体を楽しんでいるという感じなんです。

あとは、舞台でナマということ。それもすごいなと。映画もドラマも撮影ですけど、舞台ですから何か起これば、それに対応しないといけない。しかも、それを素の自分としてではなく、役柄として瞬時にアドリブを返さないといけない。いや、もう、これは本当にすごいことだなと。

…すみません、新喜劇のこととなると、一気にアツくなっちゃいましたね(笑)。でも、本当に大好きだし、自分も見ている人を新喜劇のように引き込める存在になれたらなと思っています。

■高橋ひかる(たかはし・ひかる)

2001年9月22日生まれ。滋賀県出身。2014年に「全日本国民的美少女コンテスト」でグランプリを獲得する。2016年公開の映画「人生の約束」で女優デビュー。今年から拠点を滋賀から東京に移し、高校生活をスタート。現在放送中のNHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」では謎の美少女・高瀬を演じている。また、2015年からは滋賀県PR「しが広報部長」にも就任している。身長165センチ。

芸能記者

立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。上方漫才大賞など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、KOZOクリエイターズに所属する。読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」、中京テレビ「キャッチ!」、MBSラジオ「松井愛のすこ~し愛して♡」、ABCラジオ「ウラのウラまで浦川です」などに出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞。また「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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1999年にデイリースポーツ入社以来、芸能取材一筋。2019年にはYahoo!などの連載で約120組にインタビューし“直接話を聞くこと”にこだわってきた筆者が「この目で見た」「この耳で聞いた」話だけを綴るコラムです。最新ニュースの裏側から、どこを探しても絶対に読むことができない芸人さん直送の“楽屋ニュース”まで。友達に耳打ちするように「ここだけの話やで…」とお伝えします。粉骨砕身、300円以上の値打ちをお届けします。

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