南海キャンディーズ、今漫才やっても「ボロ負けする」

「南海キャンディーズ」向かって左が山里亮太、右が山崎静代

 10月にしずちゃんこと山崎静代さん(36)がボクシングを引退し、コンビとして第2章を歩み始めた「南海キャンディーズ」。引退会見から6日後には約1年ぶりの漫才も披露し“コンビ復活”と話題にもなりましたが、相方の山里亮太さん(38)は「今、漫才をやってもボロ負けします。下手くそですから。久々にやってできるほど甘いもんじゃない」と冷静に分析します。ただ「僕も大人になりまして、今、これまでで一番コンビ仲がいいんです。来年は2人とも納得できる漫才を見せられるように準備をしています」と真の復活に向け、言葉に力を込めました。

話題に乗っかっておいて…

 山里「しずちゃんのボクサー引退以来、ありがたいことに、皆さんから“復活”とか“第2章”とか言っていただくんです。だから、今はさぞかし2人でバッチリ、ガッチリやってるんだろうと思われているんですけど…、これがね、全く変わってないんです。ボクシングやってる時と。しずちゃんと会うのは相変わらず月2回くらい。なので、周りが言ってくださる“復活”という言葉に、本人としてはピンときてなくて。ただ、せっかく皆さんが言ってくださってるんだから、それはそれで話題に乗っかっておいて、そういう盛り上がりは否定しないではおこうかと(笑)」

 しず「私個人の時間で言うと、単純に、毎日練習してた時間が空くことになりました。ロードワークとジムとで1日4時間くらい練習に費やしていたのがゼロになりましたから。ただ、山ちゃんが言ったみたいに、そこが全部芸能の仕事に置き替わったわけでもなく、結構、一人旅にも行ってます。知床とか奄美大島とか。この前は北京に行って浅田真央ちゃんの試合を観たり(笑)。あとは、お酒を飲むのが楽しいですね。今まではどうしてもセーブしないといけなかったんですけど、今はお昼から飲んだりできるのが楽しくて。みんな、こんな楽しいことをしてたんやと」

 山里「遅咲きの青春きちゃったね(苦笑)。いや、明らかに空気は穏やかになりましたよ。以前は劇場の出番と出番の間にロードワークに行って汗だくで帰ってきてましたし、にんにくも生で丸かじりしてましたから。それに比べたら、グッと負担は減ったんだと思います」

 しず「現役の時は、力が付くと言われたらにんにくもかじるし、すっぽんの生血も、がぶ飲みしてましたね」

 山里「あとね、世の中には、しずちゃんがボクシングをしていた間、僕が『南海キャンディーズ』という看板を守っていたという美談までできちゃってるんですよね。1人で仕事を頑張っていると。そちらも、それはそれで黙って評判だけいただいておこうかなと(笑)。ただ、東野幸治さんと『博多華丸・大吉』の大吉さんからは『普通に自分の仕事をしていただけで、守ってもないのに、世論を使って勝手に株を上げているだけ』と言われてはいるんですけど。あの~、できる限り本質は見ないでいただきたいんですけどね」

 しず「本質は見ない方がいいと思います(苦笑)」

コンビ仲は今が一番いい

 山里「でもね、コンビ結成以来、今が一番仲はいいと思います。ここ最近ですよね、仲がいいなんて思えるようになったのは。コンビ仲がよかった記憶がない。僕が子どもだったというのもあるんですけど、まずはしずちゃんに対する嫉妬が大きかった。ずっと『努力の量以上に、しずちゃんが売れてる』と妬(ねた)んでましたからね。本当は、相方が売れるなんてメチャメチャありがたいことなんですけどね」

 しず「確かに、いろいろ言われたりはしましたね」

 山里「しずちゃんが仲間内で旅行に行こうものなら、旅先に『うつつをぬかしてないで、今からおもしろいエピソードを何十個も作ってね』と連絡してましたし。でもね、例えば、その旅行中にしずちゃんがエピソードを20個作りましたと。その間に、僕が40個作っていたんだったら、言う権利もあると思うんです。けど、じゃ、やってるかって言ったらやってないし、僕は僕で酒飲んでるし、悪循環でしたね。僕のダメな癖なですけど、自分がメチャメチャ努力してるって過大評価してるんですよ。それプラス、人に『お前はやっていない!!』と言うことで、自分の“やってる感”を増幅させると言いますか。正味、全然やっていないのに。しずちゃんを怒ってる時が、コンビを前向きに成長させる時間と感じていたというか。あんなのね、錯覚でしかないんですよ。でも、完全にその構図に入ってましたからね。自分の努力不足をそっちのけで逃げてたんです。今、やっとアラフォーになって、そこに気づけたという感じですね」

 しず「ま、一つ言えることは、当時は『サメに食われたらいいのに』とは思ってましたね」

 山里「いや、ま、当時は本当に思ってたんだと思うんですけど、本来、しずちゃんは人のことを恨むとか憎むと感情を持ったことがない人でしたから。だから、僕とも一緒にやってきてくれたんだと思いますし。あとは、今もコンビが成立していることには、先輩から言葉をいただいたことも大きかったですね。『メッセンジャー』のあいはらさんなんですけど、僕はコンビ同士互いに憎み合ってると思ってたんです。僕はしずちゃんに嫉妬の炎を燃やしてますし、しずちゃんも僕のことを憎んでると思ってたんです。そしたら、ある日あいはらさんから『しずちゃんはお前を嫌ってるどころか、山ちゃんに声をかけてもらってコンビを組ませてもらったので、私から南海キャンディーズを離れることは絶対にないです、と言っていたぞ』と」

 しず「いや、私は正直、言ったことをよく覚えてないんですけどね(笑)」

 山里「しずちゃんが照れてるのか、あいはらさんが優しいウソをついてくれてるのかは分かりませんけど(笑)、それを聞いて、僕の意識がガラッと変わったのは間違いないですね。しずちゃんが映画に出たりする時も、僕にしたら『映画に出たりしてるから、おもしろいことの一つも出てこないんだよ』と嫉妬から思うわけです。ただ、しずちゃんにしたらエンドロールの“山崎静代”という名前の横に“南海キャンディーズ”という文字を必ず入れてくださいとスタッフさんにお願いしていたと。自分はあくまでも、南海キャンディーズの山崎静代として芸能界にいるんだと。だから、本当にコンビの看板を守っていたのは、どう考えてもしずちゃんなんですけどね」

 しず「そこまで意識をしていたわけではないんですけど、考えれば考えるほど、南海キャンディーズという名前、これって何なんやろと。バラバラに活動してた時にも『南海キャンディーズのしずちゃんです』と紹介されるんです。コンビとしてはほとんど一緒にいてなくても。でも、南海キャンディーズがなくなって、しずちゃんだけになったら、それこそ、もっと自分自身がいったい何やねんになるなと。自分の出身地というか、すごく大事な故郷というか、そこがなくなったら自分がなくなる。今になるほど、それを強く感じています」

画像

来年はしっかり漫才をやる!

 山里「今年はいろいろな意味で、もう一回、コンビを見つめ直すきっかけになった年だと思います。そして、今言ってるのが、来年は再びしっかり漫才をやろうと。2人とも、40歳近くになってきたので、人間性がにじみ出るような漫才がやりたい。すでに、作りつつはあるんですけど、それが来年完成したらいいなと思っています」

 しず「確かに、そういうことができるようになりたいですね」

 山里「今、みんなが“復活”って単語にダマされてくれてて(笑)、ネタ番組のお話をいただいたりもしてるんです。ただ、本当に正直な話、今そこに出て行ってもボロ負けします。現役バリバリのメンバーに入って、今、自分たちが何点をとれるのか。しずちゃんの引退直後に幕張の劇場に出て漫才をやったんですけど、正直な話、全然ダメでした。メチャメチャ下手くそでした。そりゃ、約1年ぶりにやってうまくいくほど、漫才は甘いもんじゃないですから。今、人前でやって、50点、60点をもらうなんて、恥ずかしいですから。漫才は日々劇場でバリバリ鍛えている人間がお見せすべきものだと思いますし、僕もしずちゃんもそう思えた段階でお見せしたいなと。その日が来たら、本当の復活だと思いますし、それができるのが来年だろうなと」

 しず「あと、漫才はもちろん、ボクシングもなくなったので、お芝居もまた頑張りたいなと。今までお話をいただくのは、朴訥(ぼくとつ)だとか、いかにも私がやりそうな役が多かったので、いかにもやらなさそうな役。例えば、とことんイヤな人とか、悪人とか。そんな役をやってみたいですね」

 山里「いいんじゃない。幅広がるよ」

 しず「もしそうなったら、折り入って、相方に役作りの相談をしたいと思います。性根の腐り方、完璧ですんで」

 山里「そりゃね、しずちゃんは人を恨むプロセスとか分からないでしょ。こちとら、プロですから。小指の先ほどのことをされても、10年は呪いますから」

 しず「ホンマに、頼もしい相方です」

■南海キャンディーズ(なんかいきゃんでぃーず)

1977年4月14日生まれで千葉県出身の山里亮太と、79年2月4日生まれで大阪府出身の山崎静代のコンビ。それぞれ、別のコンビで活動していたが、互いに解散後の2003年に「南海キャンディーズ」を結成。04年には、コンビ結成1年半で「M-1グランプリ」準優勝を果たし、一躍注目を集める。山崎はNHKドラマ「乙女のパンチ」出演をきっかけにボクシングにのめり込み、2011年に公式戦デビュー。翌年にはロンドン五輪出場を目指し、出場は逃すものの大きな話題を呼んだ。今年10月、ボクシングからの引退を表明。また、山里は日本テレビ系「スッキリ!!」「ヒルナンデス!」、フジテレビ系「アウト×デラックス」、TBSラジオ「水曜JUNK 山里亮太の不毛な議論」など多くのレギュラー番組を持つ。キャッチフレーズは“不幸な話がお金に変わる、お口造幣局”。

立命館大学卒業後、デイリースポーツ社に入社。芸能担当となり、お笑い、宝塚歌劇団などを取材。2003年、故桂米朝さんにスポーツ紙として異例のインタビューを行う。「上方漫才大賞」など数々の賞レースで審査員も担当。12年に同社を退社し、株式会社KOZOクリエイターズに所属する。現在、ABCテレビ「おはよう朝日です」、読売テレビ・中京テレビ「上沼・高田のクギズケ!」などにレギュラー出演中。「Yahoo!オーサーアワード2019」で特別賞を受賞する。また、CNN、BBC、ニューヨークタイムズなどが使用する記事分析ツール「チャートビート」が発表した「2019年で注目を集めた記事100」で世界8位となる。

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1999年、デイリースポーツの記者としてお笑いを中心に芸能取材を始め、2019年には年間100組以上を拙連載でインタビューした筆者が語る芸能ニュースの裏側。そして、これまでの書きためてきた取材メモをもとに綴る内側からの芸人列伝。さらには、どこをどれだけ探しても絶対に読むことができない芸人さんから直送の“関西楽屋ニュース”まで。500円以上の値打ちを詰め込みました。

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