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自由席並ぶなら2→3→1~東海道新幹線で帰省する時、役立つ4つの情報

中村智彦神戸国際大学経済学部教授
年末年始、帰省するのは楽しいが、指定席を買えなかった人も多いのでは(撮影・筆者)

 年末年始、故郷に帰省して、のんびりしている方も多いのではないでしょうか。ただ、心配なのは帰りの新幹線。東海道・山陽新幹線では、1月4日、5日の上り方面の指定席券は、一部の列車を除き、すでに売り切れている状況。仕方なく自由席を利用しなくてはいけない人も多いのでは。そんな時に役立つ情報を。

混雑する東京駅の東海道新幹線ホーム(画像・筆者撮影)
混雑する東京駅の東海道新幹線ホーム(画像・筆者撮影)

(1)自由席に並ぶなら、2→3→1

 東海道・山陽新幹線の「のぞみ」の自由席車両は、1号車、2号車、3号車です。どの車両に並ぶのか、思案することも多いでしょう。同じくらいの人数が、それぞれの車両の乗車位置に並んでいた場合に、おすすめなのは2号車、3号車、1号車の順です。

 実は、それぞれ同じような車両に見えますが、定員が異なっています。N700系の場合、1号車は65名、2号車は100名、3号車は85名です。つまり、2号車と1号車では35名も差があるのです。同じくらいの人が並んでいるのであれば、座席数の多い2号車が有利ということになります。

 さて、始発駅ではなく途中駅からの場合、自由席車両の進行方向寄り前方のドアか、それとも後方のドアに並ぶかも迷うところです。降りる場合、進行方向前方のドアから出ようとする人が多いようです。つまり、それぞれの車両で進行方向側のドアに降りる人が集中することが多いので、車両の後方のドアの方が降車客が少なく、車内に早く入ることができる可能性があります。もちろん、これは降りてくる人が大きな荷物を持っていたりして、もたもたすることもあり、運ということになりますが。

3人席の真ん中は不人気だが、3センチだけ幅が広い(画像・筆者撮影)
3人席の真ん中は不人気だが、3センチだけ幅が広い(画像・筆者撮影)

(2)「ひかり」と「こだま」は自由席が多い

 東海道・山陽新幹線には、「のぞみ」以外に「ひかり」、「こだま」、そして九州新幹線との直通運転を行う「みずほ」、「さくら」、「つばめ」があります。

 東海道新幹線の「ひかり」、「こだま」は、「のぞみ」と同じ16両編成ですが、自由席車両の数が違います。「ひかり」の自由席車両は、1号車から5号車までと2両多くなっています。1号車は65名、2号車は100名、3号車は85名、4号車は100名、5号車は90名です。つまり、2号車、4号車が100名で最も多く、5号車、3号車、1号車の順になります。「偶数の車両の席数が多い」と覚えておけばよいでしょう。

 「こだま」はさらに自由席車両が、13号車、14号車、15号車に設定されています。本数も少ないですし、時間がかかりますが、満員の状態で立ったままで我慢することを思えば、「こだま」の自由席でのんびりするというのも選択肢にあるでしょう。「こだま」の13号車、14号車、15号車は、「のぞみ」や「ひかり」の自由席と位置が異なっているために、「穴場」的です。ただし、列車によっては指定席扱いになっている場合があるので、乗車前に確認しましょう。

窓口に並ばなくとも指定券や乗車券が購入できる自販機が増えている(画像・撮影筆者)
窓口に並ばなくとも指定券や乗車券が購入できる自販機が増えている(画像・撮影筆者)

(3)乗車直前に在来線の駅での自販機で確認

 多くの人がエクスプレス予約などを利用してネット経由で予約することが多くなっており、乗車直前に予約を変更したり、キャンセルする人も多くなっているようです。そのため、指定席に直前になって空きが出ることもあります。

 ネット経由で予約状況を小まめにチェックしたり、新幹線の乗車駅に向かう前に在来線の駅の自動販売機で指定席の状況を確認してみることも試してみる価値があるでしょう。もし空席を見つけた場合は、躊躇は禁物です。すぐに購入しないと、少し考えている間にほかの人に買われてしまい、悔しい思いをします。

 ネット経由でない場合、新幹線乗車駅で確認しようとする方も多いですが、繁忙期は新幹線改札口の窓口や自販機には長い列ができてしまっています。ですから、もし可能であれば在来線に乗車する前に駅の窓口や自販機で確認する方が時間もかかりません。最近は、在来線の駅に指定席券や長距離乗車券が購入可能な「指定席券売機」(JR東日本)や「みどりの券売機」(JR西日本)が増えてきており、窓口の長い列に並ばずに済みます。

東海道新幹線の11号車にある多目的室。ほかの新幹線にも設備されていることが多くなっている(画像・筆者撮影)
東海道新幹線の11号車にある多目的室。ほかの新幹線にも設備されていることが多くなっている(画像・筆者撮影)

(4)授乳や気分が悪い時は多目的室が使える場合も

 東海道新幹線だけでなく、ほとんどの新幹線車両には「多目的室」が設けられています。「のぞみ」の場合は、11号車にあります。「多目的室」は、からだの不自由な方や乳幼児を連れている方などのためのものです。通常は施錠されていますので、使用したい場合は車掌にお願いする必要があります。

 授乳をする場合や、子供の体調が悪い時などには、「多目的室」が使用可能かどうか、尋ねてみましょう。ただし、事前に予約が入っており使用されている場合などは、使用できない場合もあります。いずれにしても、帰省で小さい子供連れでの移動は、親子ともども疲れるものです。「多目的室」のことを覚えておくとよいでしょう。

・ちょっとした工夫で楽しい旅を

 筆者も経験がありますが、新幹線のデッキに立ったままや、床に新聞を敷いて座って乗車するのは、かなり疲れるものです。気持ちをゆったり持って、比較的空いている早朝や深夜の便や各駅停車の「こだま」を利用したり、ちょっとした工夫で楽しい旅になりますように。

☆多目的室について

 JR東海「歩行の不自由なお客様へ」

 JR西日本「小さなお子様連れのお客様へのサービス」

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神戸国際大学経済学部教授

1964年生まれ。上智大学を卒業後、タイ国際航空、PHP総合研究所を経て、大阪府立産業開発研究所国際調査室研究員として勤務。2000年に名古屋大学大学院国際開発研究科博士課程を修了(学術博士号取得)。その後、日本福祉大学経済学部助教授を経て、神戸国際大学経済学部教授。関西大学商学部非常勤講師、愛知工科大学非常勤講師、総務省地域力創造アドバイザー、山形県川西町総合計画アドバイザー、山形県地域コミュニティ支援アドバイザー、向日市ふるさと創生計画委員会委員長などの役職を務める。営業、総務、経理、海外駐在を経験、公務員時代に経済調査を担当。企業経営者や自治体へのアドバイス、プロジェクトの運営を担う。

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