八王子でパッションフルーツ? ~ 八王子祭りで「南国」風味初体験

パッションフルーツ(写真:アフロ)

・姿は知らねど 

「ハワイに行った時に飲んだジュースの味だ。」「見かけと違って、中身がおいしい。」「考えてみると、実物を見たのは始めてかも」女性たちがパッションフルーツを食べた時の感想だ。

 濃いあずき色をした卵より少し大きいくらいの果物。一見なんの食べ物かわからないが、半分に切ってみると、中からは鮮やかな黄色のゼリー状の果肉が詰まっている。さわやかな香りは、南の国を想像させる。

 そのままでも、凍らせたり、ジュースにしたり、あるいはフルーツ・カクテルとしても人気の高い果物だ。

マスコットの「ふるーみん」と食べごろのパッションフルーツ(画像・撮影筆者)
マスコットの「ふるーみん」と食べごろのパッションフルーツ(画像・撮影筆者)

・八王子祭りで販売

 このパッションフルーツが、東京都八王子市の新たな名産品として人気が高まっている。昨日(2018年8月3日)から明日(5日)まで開催される八王子祭りでは、このパッションフルーツを来場者に知ってもらおうと、市と商工会議所が中心となる産業活性化組織サイバーシルクロード八王子が市内横山町の夢五房テナント店で販売を行っている。

 「テレビで紹介されたこともあって、多くの人に味わってもらっています。おいしさを多くの方に知ってもらえれば、もっと八王子産のパッションフルーツの人気が出ると思います。」と事務局の小野桂一さんは話す。

夢五房テナント店での販売の様子(画像提供・サイバーシルクロード八王子)
夢五房テナント店での販売の様子(画像提供・サイバーシルクロード八王子)

・八王子特産パッションフルーツ、、なぜ?

 パッションフルーツは、2008年に八王子市の若手農業後継者たちが、その甘味やグリーンカーテンにも活用できる点に着目し、栽培を開始。2013年には、パッションフルーツ生産組合を設立し、その生産と販売に取り組んできたものだ。八王子市は、都内でも有数の農業生産高を誇るが、「八王子の特産品」と言えるものがなく、暑い八王子ということで、パッションフルーツを特産品として生産することにしたのだ。

 10年経ち、生産量も増加してきたが、パッションフルーツそのものが、味や香りをしっていても、どんなフルーツか知らないという人が多く、知名度向上が大きな課題だった。

 食べ頃も表面に皺が入ってから。ほかのフルーツだと、表面がしわしわになっていると、もう古くなっていると思うが、パッションフルーツの場合はこのしわしわになったのが食べ頃の知らせなのだ。また、パッションフルーツはツル状に生育し、厳しい日差しを避けるグリーンカーテンとしても利用できるという特性もある。果肉に含まれる成分は、美容や健康効果もあるとされているが、いずれにしてもまだまだ多くの人にはなじみがない。

パッションフルーツの花(画像提供・サイバーシルクロード八王子)
パッションフルーツの花(画像提供・サイバーシルクロード八王子)

 

・今後もさらなる広がりを

 八王子の特産品としての知名度を上げることが急務。そこで、2年前からは、JA八王子と八王子商工会議所がタッグを組み、農業と商工業の連携による地域農産品の商品開発や販売促進に乗り出している。

 その事務局となっている八王子サイバーシルクロード事務局は、会員企業に加えて生産者や八王子市内の飲食店、百貨店バイヤー、大学などとの検討会議をもち、飲食店や菓子店などで使える業務用の希釈用飲料や、道の駅や市内で販売できるような炭酸飲料の開発を進めている。

 東京には多くの外国人観光客も訪問している。バーでは、少し前からフルーツカクテルが人気だ。東京の特産フルーツのカクテルなどが飲め、それが八王子産のパッションフルーツであれば、飲んでみたくなる人も多いだろう。パッションフルーツの最盛期はこれから。飲食店の経営者ならば八王子祭りで、八王子産パッションフルーツを手に入れて、新しい東京特別メニューを考えるのも一興だろう。

 日本全国各地で、高温化の影響などで作物に変化が起きている。従来の特産品が特産品として生産が続けられるかどうかも定かではない。八王子のように、新たな農作物を特産品として、育成し、盛り上げていくことも地域経済の活性化には重要だ。最初にパッションフルーツを取り組んだ理由も参考にすべきだ。「ほかがまだ取り組んでいないこと」だったからだ。市場が縮小する国内では、この視点はまずます重要になるだろう。

※八王子祭り以降は、八王子市内の道の駅など市内各所で年末くらいまで販売される予定。詳しくは、JA八王子パッションフルーツ生産組合まで。