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侍ジャパン女子代表 ファイナルS進出決める!「第9回 WBSC女子野球ワールドカップ・グループB」

中川路里香フリーランスライター
ファイナルステージ決定で行われたセレモニーで記念撮影に応じる侍ジャパン女子代表

 三次きんさいスタジアム(広島県三次市)で行われている「カーネクスト presents 第9回 WBSC女子野球ワールドカップ・グループB」の大会4日目。侍ジャパン女子代表はチャイニーズ・タイペイと対戦、2対0と完封勝ちで4連勝とし、来年、カナダ・サンダーベイで行われるファイナルステージへの切符を手に入れた。

チャイニーズ・タイペイ 000 000 0 0

日本          001 100 X 2

【侍ジャパン女子代表出場メンバー】

1(左) 田中美羽(読売ジャイアンツ)

2(中) 三浦伊織(阪神タイガースWomen)

3(一) 川端友紀(九州ハニーズ)

4(右) 楢岡美和(九州ハニーズ)

5(指) 星川あかり(淡路BRAVEOCEANS)

代指 中江映利加(阪神タイガースWomen)

6(二) 只埜榛奈(東海NEXUS)

 代  白石美優(大阪体育大学)

 二  小島也弥(九州ハニーズ)

7(補) 英 菜々子(埼玉西武ライオンズ・レディース)

8(遊) 岩見香枝(埼玉西武ライオンズ・レディース)

9(三) 出口彩香(埼玉西武ライオンズ・レディース)

【バッテリー】

チャイニーズ・タイペイ WANG H.C、HUANG C.Y-LEE S.Y

日本          小野寺佳奈-英 菜々子

少ない好機にすかさず得点、小野寺佳奈は完封

 日本は3回、二死から2番・三浦伊織が内野安打で出塁すると二盗を決め、3番・川端友紀の左前適時打で三浦が生還し先制した。4回には先頭打者、5番・星あかりが四球で出塁の後、送りバントなどで2死二塁とし、8番・石見香枝が左前適時打を放ち2点目を入れた。

先制点のホームを踏んだ三浦伊織選手をハイタッチで向かい入れる日本ベンチ
先制点のホームを踏んだ三浦伊織選手をハイタッチで向かい入れる日本ベンチ

 二度目の先発となった小野寺佳奈は、終始落ち着いた投球で7回を被安打4、6奪三振、無四球と剛腕ぶりを発揮した。最速122キロをマークした速球を武器に、相手打線を寄せ付けず、2点のリードを守り切った。

毎試合安打と打線好調の川端友紀が先制打

 内野安打で出た三浦が二盗を決めた好機を逃さず、先制打を放った。2つ続けて左方向へファウルした後、満を持してバットを振り抜くと、快音を響かせ左前へ打球を運んだ。4試合全てに安打を放ち、打撃好調だ。その要因について「思い切り振り抜いていること」だと話す。各国の投手の球速は100キロ台中心で、変化球になると90キロ台と遅く、各打者が打ちにくそうにしているように見える。「変化球に切れがあるというよりも動くボールで打ちにくい。フォームや腕の振りでタイミングをずらしてくる投手も多い」(川端)というから、まさに国際大会ならではの難しさを求められる中、しっかり対応するところはまさに頼れる主将だ。

 5年振りのワールドカップで感じていることは、各国のレベルが上がってきていること。「打撃力、守備力ともに上がっていると感じました。ただ打つだけでは得点できないと思うので、ファイナルステージでは特にチームバッティングに徹し、サインプレーなどでしぶとく1点を取りに行くことを考えないと」と分析。グループBは明日が最終戦。キューバ戦へ向け「隙を見せず、しっかり戦いたい」と抱負を述べ、来年のファイナルステージへつながる戦いをするつもりだ。

しぶとく粘って先制打を放った川端友紀選手
しぶとく粘って先制打を放った川端友紀選手

小野寺佳奈の力ある速球に観客からはため息 

 プエルトリコ戦での登板から、一層、磨きがかかった。球は序盤から走っていたが、尻上がりに球質が良くなり、終盤はマウンド上では余裕すら感じられた。前回は堅さから5四死球だったが、今日はゼロ。「前は不安がありながら投げていましたが、今日は『このボールを打ってみろ』と強気に投げることができました」と語り、「最後まで良い緊張感の中で投げることができました」と振り返った。

 力ある球が際どいコースにどんどん投げ込まれる様子に、スタンドに駆け付けた2,409名もの観客から思わずため息がもれていた。魅了した張本人は「こんな多くの人の前で野球をするのは人生初。感激しました。『がんばれ!』という声が聞こえてきて力になりました」と感謝を述べた。

 ファイナルステージへの意気込みについて聞かれると「選ばれるかわかりませんが、もし選んでもらえたら、今日は少し甘く入った球があり、たまたま打たれませんでしたが、それが失点につながっていくので、投げミスをしないように力をつけていきたい」と話した。

完投は考えていなかったが一人ひとりの打者へ強気に挑んだ結果完封できたと話した、小野寺佳奈投手
完投は考えていなかったが一人ひとりの打者へ強気に挑んだ結果完封できたと話した、小野寺佳奈投手

中島梨紗監督のコメント

「チャイニーズ・タイペイはアジアカップでも対戦し強いと感じていたので、接戦は想定内。今日のような好守を見ても全く驚かない。ただ、日本を意識し過ぎていたのか少し堅さは感じた。(ファイナルステージ進出を決めたことについて)チームとして全員で戦い、若手、中堅、ベテランが上手く噛み合い、良い仕事ができたと思う。

 今日は2,000人以上ものお客さんに入っていただき、これだけ多くの人たちの前で野球をした選手は少ないと思う。女子野球のレベルの高さや『これだけのことができるんだ』という魅力を感じて貰えているのでは」

ファイナルステージ進出証明書を手に記念撮影に応じる侍ジャパン女子代表、中島梨紗監督
ファイナルステージ進出証明書を手に記念撮影に応じる侍ジャパン女子代表、中島梨紗監督

(撮影はすべて筆者)

フリーランスライター

関西を拠点に活動しています。主に、関西に縁のあるアスリートや関西で起きたスポーツシーンをお伝えしていきます。

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