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第9回 WBSC女子野球ワールドカップ・グループB 侍女子が全員野球でベネズエラにサヨナラ勝利!

中川路里香フリーランスライター

『カーネクスト presents 第9回 WBSC女子野球ワールドカップ・グループB』3日目が三次きんさいスタジアム(広島県三次市)で行われた。侍ジャパン女子代表(以下、侍女子)は、ベネズエラと対戦。逆転を許し苦戦するも、サヨナラ勝ちをおさめ3連勝とした。

ベネズエラ 004 000 0 4

日本 011 020 1x 5

【バッテリー】

ベネゼエラ A.AMARO-M.VALDEZ 

日本 田中露朝、里 綾実-村松珠希、英 菜々子

逆転を許し苦しみながら最後は歓喜の勝利

 日本が1点リードで迎えた3回、先発した田中露朝(ZENKO BEAMS)が1死から連続四死球で一二塁とすると、次打者に三塁打を打たれ逆転を許した。なおも連打を許し2点を献上、4対1とされた。3回に4番・楢岡美和(九州ハニーズ)の適時打で1点を返し2点差で迎えた5回、日本は無死一二塁から3番・川端友紀(九州ハニーズ)の適時打で1点差とすると、楢岡のスクイズで同点に。最終回、先頭打者、2番・三浦伊織(阪神タイガースWomen)の内野安打、楢岡の申告敬遠、5番・星川あかり(淡路BRAVE OCEANS)の安打などで二死満塁とし、途中出場でこの試合の初打席となった7番・英菜々子(埼玉西武ライオンズ・レディース)がカーブをとらえた中前適時打で楢岡が生還、サヨナラ勝ちをおさめた。英は、前日のフランス戦で5打点をあげる好調そのままの打撃で日本に勝利をもたらした。

英選手の活躍を祝う侍女子ナイン
英選手の活躍を祝う侍女子ナイン

次につながる投球で締めた田中露朝。里綾実は観客を魅了する投球

 田中露朝は4失点したものの、グランド整備明けの5回は変化球のキレや制球力がもどり三者凡退に抑え、同点に追いつく流れを引き寄せた。6回からマウンドを託された里綾実(埼玉西武ライオンズ・レディース)は、パワーヒッターの多い相手打線を前に「気持ちだけは負けないとマウンドに立った。コントロールに気をつけた」と話す通り、難なく打ち取る圧巻の投球で逆転劇につなげた。

打線に厚みをもたらす三浦伊織の復調

 三浦伊織が打って、走った。初打席の二塁打を皮切りに5回はバントの構え見せるなど揺さぶりをかけて四球をもぎ取り二盗をきめ、最終回には執念の俊足を活かし内野安打で逆転劇に繋がるチャンスメイク。初戦で良い当たりを好守備に阻まれてから波に乗り切れていなかったと話していた打撃が今日は違った。

「両キャプテンと他のベテラン勢が頑張っているなか、1,2戦となかなかチームに貢献できていなくて。私も貢献したい」という思いで臨んだ3戦目での活躍。最終回の内野安打について、中島梨紗監督も「調子が上がり切らず本人が一番しんどかったと思うが、打線が苦しでいるなかで1本出せるのはさすがだなと思った」とコメント。

 初回に川端の内野安打で三塁に到達後、川端の盗塁死の場面で「ダブルスチールできたのでは」といったプレーや3回に先頭打者として出塁できなかった悔しさをバネに出た内野安打。「(安打としては)自分らしくはなかったけれど、入りが変化球だとわかっていたので、それに絞って初球から思い切り振りました。飛んだコースが良かったので、あとは思い切り走るだけだと(笑)」と笑顔が見られた。これで勢いに乗るのは必至。残り2戦でもさらなる活躍が期待できる。

初回の二塁打を放ち、ベンチに向かった侍のポーズを決める三浦伊織選手
初回の二塁打を放ち、ベンチに向かった侍のポーズを決める三浦伊織選手

3大会連続MVPの実亮を見せつけた里 綾実投手コメント

「中島監督からは全試合、いつでもいけるように準備をとわれていたので、今日のような苦しい展開での登板も想定していました。今日に限っては、緊張感と力の抜き具体といった心の持ちようが上手くいきました。とにかく気持ちだけは負けないようにと思いマウンドに上がりました。5年振りのワールドカップ。スタンドからの大きな声援は凄く力になりますし、私も自分のプレーでみなさんに元気を与えられたらと思いながらこれからもプレーしています」

里 綾実投手のパフォーマンスは圧巻の投球は球場のムード一変
里 綾実投手のパフォーマンスは圧巻の投球は球場のムード一変

サヨナラ安打を放った英 菜々子選手コメント

「タイブレークだけは避けたいと思って打席に立ちました(笑) 前日から打撃が好調だったので良い感じで入れたと思います。打ったのはカーブ。相手投手は後半カーブを多投していたので、それを頭に入れていました。打球が外野まで飛んだのを見てヒットになったとわかりました。一塁を回ったところで仲間が飛び出してきたのでサヨナラになったと気づきましたが、あまりに無我夢中でどんな気持ちだったか…覚えていません」

快心の当たりとなった、英 菜々子選手のサヨナラ安打
快心の当たりとなった、英 菜々子選手のサヨナラ安打

(撮影はすべて筆者)

フリーランスライター

関西を拠点に活動しています。主に、関西に縁のあるアスリートや関西で起きたスポーツシーンをお伝えしていきます。

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