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第24回全国高等学校女子硬式野球選抜大会 神戸弘陵が4年振り3度目V 昨年準優勝の悔しさリベンジ

中川路里香フリーランスライター
スタンドの仲間たちからの記念撮影に笑顔を向ける神戸弘陵ナイン(筆者撮影)

史上最多の45チームが参加した『第24回全国高等学校女子硬式野球選抜大会』は、4月2日に決勝が東京ドームで行われ、神戸弘陵が初優勝を狙う花巻東を6-0で破り、4年振り3度目の優勝を遂げました。同校は、昨年の決勝で工大福井に敗れ準優勝に終わった悔しさを見事に晴らしました。

神戸弘陵 6-0 花巻東

神戸弘陵 100 023 0 6

花 巻 東  000 000 0 0

【バッテリー】

神戸弘陵 樫谷そら、伊藤まこと-田垣朔來羽

花 巻 東 関口瑞生、菅澤陽向、青木七海 - 千葉穂乃果

 神戸弘陵は初回に1点を先制するも花巻東先発の関口瑞生さんの前に、4回までヒットが初回の1番・田垣朔來羽さんが放った1本のみ。先発・樫谷そらさんは、花巻東を3回まで毎回3人の打者で終わらせる好投。互いに譲らず投手戦の様相を呈してきた展開に終止符を打ったのは5回表です。

 好投していた樫谷さんに代わって4回からマウンドに上がった伊藤まことさんもこの回を3人で抑えると直後の5回、先頭打者の西田真梨さんが死球で出塁すると、続く1番・田垣さんが中前安打でチャンスを広げます。2番・堀みずほさんが犠打を決めて1死二三塁となったところで主将の3番・三村歩生さんが2塁適時打を放ち、2点を追加しました。

 6回に花巻東2番手の菅澤陽向さんから3点を奪えば、伊藤さんは4イニングを被安打2という好リリーフでリードを守り、終わってみれば6対0の快勝で優勝を決めました。

試合終了後に喜びを分ちあう神戸弘陵ナイン(筆者撮影)
試合終了後に喜びを分ちあう神戸弘陵ナイン(筆者撮影)

次は選手権制覇で三冠を狙う

 優勝インタビューで「この1年、昨年の悔しさを忘れたことはありません」と語っていた神戸弘陵・石原監督。戦った5試合すべて失策ゼロ、完封勝ちという内容を見れば、今大会へ向けて並々ならぬ思いでチームを強化してきたのでしょう。

 神戸弘陵は、春の選抜大会、夏の選手権大会とあわせて高校女子硬式野球3大大会の一つ、昨秋のユース大会に続いての優勝となりました。となると、次なる目標は選手権大会をとって三冠達成。これから新入生が加わり、また戦力が変わります。どのようなチームを作って挑んでくるか楽しみです。

石原康司監督の談話

「何が何でも先取点を取りたかった。初回に田垣が打って出たことは大きかった。その後は相手バッテリーの配球に上手にやられて流れが悪いと感じていたので、守備からリズムを作ろうと先発の樫谷から伊藤に代えた。樫谷は球が速くない分、対策を取られる前に伊藤で(相手打線を)抑え込む狙いだった。期待に応えてくれたことで、選手全員が『よし、行ける!』と勢いづき5回の追加点に繋がった。チーム一丸となってよくやってくれた」

5回の追加点をたたき出した三村主将の談話

「あの場面は、自分で(走者を)帰そうというよりも、繋いで全員で1点を取りに行こうという意識で打席に入りました。先輩方の悔しかっただろう思いを背負って必ず全員でリベンジしようと試合前話していましたが、それが果たせてとても嬉しいです。夏の選手権は、全チームが神戸弘陵を倒しにくると思いますが、跳ね飛ばして三冠をとります!」

欲しかった追加点を挙げた三村主将(筆者撮影)
欲しかった追加点を挙げた三村主将(筆者撮影)

先発した樫谷さんの談話

「今大会これまでボール先行だったことへの反省を生かして、今日はリズムよく投げられました。欲しかった先取点を取ってくれたので、楽に投げることができました。もうすぐ1年生が入ってきてライバルが増えますが、負けないように実力をつけて、三冠に向けて頑張りたいと思います」

樫谷さんは試合後、先制点が取れたことで楽に投げられたと話した(筆者撮影)
樫谷さんは試合後、先制点が取れたことで楽に投げられたと話した(筆者撮影)

好リリーフを見せた伊藤さんの談話

「変化球中心の配球で、それが上手く決まり、ストライク先行で投げられました。(最終回に初めて安打を許したが)6点のリードを貰っていたので余裕を持って投げることができました。守りからリズムを作る弘陵らしさが出せました。夏へ向けては、またゼロからスタートして、もう一段階実力を上げたいです」

変化球が決まったと話した伊藤さん(筆者撮影)
変化球が決まったと話した伊藤さん(筆者撮影)

フリーランスライター

関西を拠点に活動しています。主に、関西に縁のあるアスリートや関西で起きたスポーツシーンをお伝えしていきます。

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