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高校総体中止で高校女子硬式野球選手権大会の行方は…?

中川路里香フリーランスライター
昨夏の高校女子硬式野球選手権大会の優勝校、作新学院高校胴上げの様子(撮影筆者)

4月26日に、8月に行われる全国高校総合体育大会の中止が決定、発表されました。夏の甲子園はどうなるのかへ関心が高まっていますが、同時に気になるのが、同じく毎年夏に行われている全国高等学校女子硬式野球選手権大会開催の行方です。

開催する方向で準備

全国高等学校女子硬式野球連盟・事務局長 堀 秀政さんに27日に確認したところ「今の段階では、開催する方向で準備を進めている」とのことでした。その真意は「3年生は(これが)最後だから、簡単に中止にはできん。最後の最後まで手立てを模索しながら、開催できる方向を探りたい」と話しました。

女子の高校野球大会の場合、主催者である全国高等学校女子硬式野球連盟と、開催地自治体との協同開催であることから、22日(水)に大会開催地である丹波市のスポーツ課と会合を開き、その意思を確認しているといいます。ちなみに、3月末に予定されていたセンバツ大会は、地元自治体の辞退もあり、大会は中止となっていました。

昨年の開会式の様子(撮影筆者)
昨年の開会式の様子(撮影筆者)

大会の特徴を考えると判断時期にない

今年の大会開幕は、7月25日を予定しています。女子の場合、硬式野球部がある高校は全国に約40校であるため、予選はなく全国大会を行います。中止判断に至っていないのには、この開催時期までに終息の可能性が捨てきれないことがあります。もちろん、連盟も高校総体の中止が決まったことは知っています。が、本大会の場合、例年の大会規模を考えると三密にはなりにくい、というのがベースにあるようです。ようするに、4月のこの段階で判断するのは次期尚早だということのようです。開催するためなら、事態によっては、時期を多少遅らせる可能性さえも探りたいといいます。

もちろん、大会は、参加する学校、選手たちのものでもあります。今後、全国の女子硬式野球部の監督からの意見も聴取し、組み入れる意向だとも語っていました。「学校によっては参加を見合わせると判断されるところもあるでしょう。それも致し方ない。校数が減ってもやりたいと言う学校が少しでもあれば、やらせてやりたい」。

校歌斉唱時の選手の喜びようは甲子園にも負けていない(撮影筆者)
校歌斉唱時の選手の喜びようは甲子園にも負けていない(撮影筆者)

とにかくプレーできる場が大事

堀さんによれば、現在、各校の部活動は、「寮生を自宅へ帰らせて自主練をさせている学校や、通学生の多い学校は、週に一度のみ感染防止策を取りながら全体練習を行っているようだ」と、頻度、内容はバラバラ。その辺りをどのように考慮して開催するのかという質問には「3年生の最後の夏。万全な状態で迎えたいのはやまやまでも、そうはならない現状を乗り越えて最後にプレーができる場を…という方が強い」と答えました。

これはあくまで4月27日現在でのこと。今後の事態の急変に合わせて柔軟に判断していくつもりです。日本高等学校野球連盟が、5月20日に夏の甲子園開催にてついて話し合うとしており、「その判断も参考にしなければとも思うので、こちらも次回、地元市との会合を5月21か22日に予定」しているそうです。

開催する、しない。どちらに決まってもさまざまな意見は出て来ることでしょう。ここではその是非を問うものではありません。どちらに決まっても、高校生たちには将来の自分へ何かを掴んで欲しいと思います。

今夏も喜びの記念撮影ができることを願いつつ…(撮影筆者)
今夏も喜びの記念撮影ができることを願いつつ…(撮影筆者)
フリーランスライター

関西を拠点に活動しています。主に、関西に縁のあるアスリートや関西で起きたスポーツシーンをお伝えしていきます。

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