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女子プロ野球、2019シーズン開幕

中川路里香フリーランスライター
2019各球団の首脳陣とキャプテンらの

毎年、桜の開花宣言を合図に野球シーズンが始まりますが、今年もその時期がやってきました。センバツ高校野球は23日、NPBは29日に開幕するなど、続々と球音が聞こえてきそうです。女子球界も同じです。女子の選抜大会は27日から予定されていますし、女子プロ野球2019年シーズンが、23日にわかさスタジアム京都で開幕します。

新しい発想のリーグ方式、展開がよめない

今季で10年目を迎える女子プロ野球。節目の年を迎え、これまでにない試みがなされるシーズンとなるようです。

まず、女子プロ野球リーグについての外郭です。リーグには現在、京都フローラ、埼玉アストライア、愛知ディオーネの3球団が所属しているほか、育成選手のみで構成されたレイアという育成球団があります。リーグプロテストに合格した選手たちは、まず、レイアで育成されたのち、3球団へと振り分けられる、というシステムです。それぞれの球団は独立していますが、日本女子プロ野球機構はわかさ生活の下で運営しているので、各球団の足並みは揃い一体化されているという点は、女子プロ野球の特徴だろうと思います。

毎年、今頃に開幕すると3球団でリーグ戦を行い、秋にシーズン優勝が決まったのち、年間女王決定戦が行われ、シーズンが終了していました。ちなみに、通常シーズンは、『ヴィクトリアシリーズ』という名称で行われています。

で、新たな試みの話です。リーグが誕生してからこれまで、球団が移転したり、シーズンを前後期に分けたりと、毎年のように何かしら変化してきた女子プロ球界ですが、今年は、リーグ戦の実施方法がこれまでとは全く異なり、春夏秋冬の4季リーグ制をとります。

春季リーグは3~5月に京都を中心に関西で開催し、夏季リーグは6~7月に愛知を中心に中部・東海開催、秋季リーグは9~10月に埼玉を中心に関東で開催する予定です。各季リーグ試合数は33です。8月は、リーグ戦はお休み。レイアを含めた4球団でのトーナメント大会が予定されています。

有りそうで無かったこのようなスタイル。選手の移動負担への配慮や、ファンへの観戦のしやすさを考慮してのことのようですが、開催地区が集中しているため、本来なら観ることのないビジターチーム同士の対戦カードも実施されるということで、まだまだ女子野球に馴染みのない層へ、女子野球そのものをまずは観てもらう機会をつくる意図もあるようです。

現場の反応はどうなのでしょうか。京都フローラ・川口知哉監督は、「従来のように、次の試合まで間隔があると、レギュラーが固定されてしまうけれど、今季のように集中した日程だと疲労やケガを考えると、いつ、誰が出てもおかしくない。出場機会が増える若手にとってはチャンスでしょう」と話し、「チーム内が活性化されて、きっと面白くなると思いますよ」と、上々といった感じです。

年中野球が楽しめる、を提供

新しい試みは、これに留まりません。冬季リーグです。いわゆる、通常の野球は、秋季リーグまで。冬季リーグは、11月中旬から2月上旬にかけて、女子プロ野球オリジナル、新スポーツでのリーグ戦を開催する予定なのです。

本件が発表された1月31日の会見では、ピンピン玉を使うベースボール型室内競技で、しかし野球のルールにとらわれずにつくり上げたいと言っていました。とはいえ、まだ確立されておらず、新スポーツの中身を含めて、チーム編成、対戦形式といった詳細は、夏頃に発表されます。

新スポーツまでを作って興行するのには、オフ期を無くし、年中、野球が楽しめる、という提案をしていきたい、という意図なのですが、全くの新しい試みなので、新スポーツそのものもさることながら、どのような反響が起こるのか、楽しみです。

そういう意味では、女子プロ野球は、今日が長いながいシーズンの幕開けとなるわけです。どのような一年となるのでしょうか。定期的にリポートしていきたいと思います。

写真:著者撮影

フリーランスライター

関西を拠点に活動しています。主に、関西に縁のあるアスリートや関西で起きたスポーツシーンをお伝えしていきます。

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