韓国、東京五輪期間中はシーズンを中断 来季の公式戦日程発表
韓国野球委員会(KBO)は16日、来年2020年のKBOリーグ公式戦日程を発表した。来季は3月28日(土)に開幕し、野球韓国代表が出場する東京オリンピック(五輪)の間は18日間シーズンを中断する。
関連項目:2020年韓国プロ野球公式戦日程表
中断はするも開幕日の前倒しはせず
1リーグ10球団制の韓国は1球団あたりの試合数が144、各チームが16試合ずつ対戦する。過去にもシーズン中にトップチームが参加する国際大会が行われた際は、その間公式戦を中断してきた。北京五輪が行われた2008年、アジア大会が行われた2014年(インチョン大会)、2018年(ジャカルタ大会)がそれにあたる。
7~8月にかけて2週間以上、シーズンを中断するが開幕日は前倒しされていない。3月の韓国は野球を見るには寒く、中国から飛来してくる黄砂の影響を受ける時期でもあり、人々が外出を控える傾向にある。ドームを除く野球場にとって、開幕を早めることは来場者の減少につながるという懸念があるからだ。
日本とは違う遠征事情
韓国は試合を編成する際に、球団間の遠征移動距離の格差是正を優先させている。各本拠地が地続きの韓国では移動手段の基本はバス。5球団が集まるソウル首都圏に対し、ソウルから200キロ以上離れたテグ(大邱)、クァンジュ(光州)、プサン(釜山)、チャンウォン(昌原)を地元とするサムスン、KIA、ロッテ、NCは距離、時間的な負担が増えるからだ。
日本の場合、ビジターでのナイトゲーム連戦終了後は遠征先のホテルに宿泊し、翌朝に新幹線や飛行機で移動というのが一般的。しかし専用バスで移動する韓国は交通機関のダイヤによる制約がないため、試合後、深夜に次の遠征地または地元へと移動する。
バス移動というと過酷な状況が想像されるが、実際はそうではない。バスは投手、野手などに分かれて2台以上に分乗し、車内は飛行機のビジネスクラスのようにゆったりとした座席になっている。
かつてヤクルトでプレーしたイム・チャンヨン元投手は「朝早起きしてネクタイを締めて移動する日本より、韓国の方が楽」と話し、他の日本球界経験者からも同じような声が聞かれた。また韓国で活動する日本人コーチも「慣れればバス移動は苦にならない」と答える人が多い。
オールスター戦の開催日は未定
今季の日程を見ると、例年との大きな違いとしてオールスター戦が編成されていない。韓国のオールスター戦は通常、7月の中下旬の土曜日に1試合行われ、今回発表された日程での実施可能日は7月25日(土)に限られる。しかしその日は東京五輪の野球開幕4日前となり、今後、代表選手の出場可否も踏まえて日程などが調整される見込みだ。
3月28日からの開幕カード2連戦は2018年の上位5チーム(Aクラス)にホーム開催権が与えられ、トゥサン-ロッテ(チャムシル)、キウム-LG(コチョク)、SK-サムスン(インチョン)、ハンファ-KT(テジョン)、KIA-NC(クァンジュ)の5試合が予定されている。