「兵役中でも野球ができる」 国軍体育部隊・サンムの合格者決定<韓国KBOリーグ>
韓国・国軍体育部隊は10日、今年入隊し国軍体育部隊・サンム(尚武)野球団に入団する合格者17名を発表しました。
その顔ぶれにはサムスンライオンズでクローザーやセットアッパーとして活躍し、プレミア12、第4回WBCで代表入りしたサイドスローのシム・チャンミン投手(25)。そしてLGツインズの三塁手、ヤン・ソクファン(27)、キウムヒーローズのキム・ジェヒョン捕手(25)、トゥサンベアーズのチョ・スヘン外野手(25)など1軍でプレーする選手が含まれています。
18歳以上の男子に兵役の義務がある韓国。プロ野球選手も例外ではなく陸軍の場合、1年9ヶ月入隊する必要があります。その期間中、軍の生活を送りながら野球ができるのが、今回合格したサンム野球団の選手たちです。サンムには満27歳まで志願する資格があります。
サンムはKBOリーグの2軍・フューチャーズリーグに属し、他球団の2軍と年間約90試合を戦います。調整や育成目的の選手が出場することもある他球団に対し、年間通してほぼ固定したメンバーで戦うサンムは、除隊ごとに選手が入れ替わっても毎年圧倒的な強さを見せているのが特徴です。
また入隊中の2軍戦で頭角を現し、除隊後、戻った所属チームでレギュラーの座をつかんだ選手も少なくありません。
サンムに所属した2014年に2軍南部リーグで首位打者になり、翌年サムスンに復帰したク・ジャウク外野手(25)はリーグ3位の高打率を残し、新人王を獲得。昨季まで4年連続打率3割を記録するなどチームの看板選手になっています。
サンムの他にも入隊中の選手が所属できるチームに警察野球団があります。2006年に活動を開始した警察野球団もサンムと同じく2軍リーグに参加。これまで数多くの選手が在籍し、昨季までは元千葉ロッテのイ・デウン投手(KT)が所属していました。
しかし兵役活動の一つである義務警察が今後廃止になるなど、制度が変わっていく中で警察野球団は解体の方向で進んでいます。
韓国といえば国際大会の度に「兵役免除」が話題になりますが、それは兵役法で定められたスポーツ選手への特例です。その条件はオリンピックでのメダル獲得(色に関係なく)、またはアジア大会で金メダルを獲得した場合、恩恵を得られます。野球は昨年8月のジャカルタ・アジア大会で優勝し、9選手が兵役免除となりました。
オリンピックにおいて野球は08年の北京大会を最後に、ロンドン、リオデジャネイロと種目から外れましたが来年の東京で復活。韓国はそこでメダルを手にすれば代表選手中、兵役義務がある選手は免除恩恵を受けられます。
兵役免除を手にするには代表入りする必要があるため、非常に狭き門です。そのため大半の選手が一般男性同様に軍に配属されるか社会服務要員などで活動し、野球中心の生活から離れることになります。一方で今回サンム入団が決まった選手たちは2軍ではありますがプレーが続けられるのです。
◇2019年サンム野球団合格者(所属球団別)
投手:チェ・ミンジュン、チョン・ドンユン 内野手:パク・ソンハン
投手:パク・ソンモ 外野手:チョ・スヘン
投手:イ・スングァン
キウムヒーローズ(昨季までネクセンヒーローズ)
投手:キム・ジョンイン 捕手:キム・ジェヒョン
投手:キム・ユシン
投手:シム・チャンミン 捕手:クォン・ジョンウン 内野手:カン・ハンウル
なし
内野手:ヤン・ソクファン
外野手:ホン・ヒョンビン
投手:イ・ドヒョン 内野手:ト・テフン 外野手:イ・ジェユル
※本項目は韓国KBOリーグ各球団から写真使用の許可を得ています。