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KIA・正田耕三コーチ留任 韓国6年目のシーズンに<韓国KBOリーグ>

室井昌也韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表
試合前、選手にトスを上げるKIA・正田耕三コーチ(写真:ストライク・ゾーン)

KIAタイガースは7日、今季のコーチングスタッフを発表しました。1軍打撃部門は正田耕三コーチ(57)が留任。正田コーチは今季でKIA3年目、韓国通算6年目となります。

現役時代、広島で活躍した正田コーチは1998年限りで引退後、指導者生活をスタート。広島、大阪近鉄、阪神でコーチを歴任し、2009年にSKワイバーンズの2軍総合コーチ(シーズン途中から1軍打撃コーチ)として韓国球界入りしました。

翌10年から2年間、岡田彰布監督率いるオリックスで打撃コーチを務めた後、15年からは韓国2球団目となるハンファイーグルスのコーチに就任。17年からKIAに在籍しています。

アメリカ同様にコーチが打撃投手を務めることもある韓国。正田コーチも打者たちに熱のこもったボールを投じる(写真:ストライク・ゾーン)
アメリカ同様にコーチが打撃投手を務めることもある韓国。正田コーチも打者たちに熱のこもったボールを投じる(写真:ストライク・ゾーン)

正田コーチの韓国球界との接点は09年当時、SKを率いていた日本出身のキム・ソングン監督(現福岡ソフトバンクコーチングアドバイザー)からの要請で、15年に韓国復帰した時の監督もキム・ソングンさんでした。

現在、正田コーチが所属するKIAで指揮を執るのはキム・ギテ監督(49)。現役引退後、阪神、巨人でのコーチ研修を経て、巨人では2軍コーチに就任し、イースタン・リーグ混成チームのフューチャーズで監督も務めました。キム・ギテ監督は日本人指導者の考え方や能力を理解している野球人の1人です。

キャンプで再会した坂本勇人(巨人)と談笑するキム・ギテ監督(写真:ストライク・ゾーン)
キャンプで再会した坂本勇人(巨人)と談笑するキム・ギテ監督(写真:ストライク・ゾーン)
阿部慎之助(巨人)との再会を抱き合って喜ぶキム・ギテ監督(写真:ストライク・ゾーン)
阿部慎之助(巨人)との再会を抱き合って喜ぶキム・ギテ監督(写真:ストライク・ゾーン)

韓国の監督は自分より年下のコーチを揃えることが多く、外国人コーチを招く際も年齢が人選のポイントになります。キム・ギテ監督と正田コーチの場合、正田コーチが8学年上ですが、この両者はバッティングに対する意識、特に下半身の使い方などの考え方が近いことから、連携が図れています。

ディフェンディングチャンピオンとして昨季を迎えたKIAは5位でシーズンを終えました。主力打者に30代が多いKIA攻撃陣に求められるのは若手のレベルアップ。正田コーチは2月1日から始まる沖縄・金武町での春季キャンプでチームの課題と向き合います。

韓国プロ野球の伝え手/ストライク・ゾーン代表

2002年から韓国プロ野球の取材を行う「韓国プロ野球の伝え手」。編著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』(韓国野球委員会、韓国プロ野球選手協会承認)を04年から毎年発行し、取材成果や韓国球界とのつながりは日本の各球団や放送局でも反映されている。その活動範囲は番組出演、コーディネートと多岐に渡る。スポニチアネックスで連載、韓国では06年からスポーツ朝鮮で韓国語コラムを連載。ラジオ「室井昌也 ボクとあなたの好奇心」(FMコザ)出演中。新刊「沖縄のスーパー お買い物ガイドブック」。72年東京生まれ、日本大学芸術学部演劇学科中退。ストライク・ゾーン代表。KBOリーグ取材記者(スポーツ朝鮮所属)。

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