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早稲田大学・佐藤健次、完敗の帝京大学戦に収穫?【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
写真は昨季(写真:長田洋平/アフロスポーツ)

 スコアをなぞるだけでは本質には辿り着かない。ラグビーにはそういう側面がある。

 6月25日、埼玉・熊谷ラグビー場。大学選手権で史上最多となる17度の優勝を誇る早大は、春季大会Aグループ最終戦で同2連覇中の帝京大と激突。21―60で完敗した。

 総じて相手のフィジカリティが上回ったように映ったが、早大も組織的なラインブレイクなどを披露。競技の根幹をなすぶつかり合いで苦しみながらも、ある側面では手応えを掴めたこととなる。

 時間を置いて、3年生フッカーの佐藤健次が所感を述べた。桐蔭学園高の主将として全国大会で2連覇した突破役は、明朗な口ぶりで語った。

 以下、単独取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

——帝京大学戦を振り返って。

「あの試合から得られるものは大きかった。自分たちはこういうプレーをしてはいけない、自分たちの強みはこういうものである、というところでです。それを成長に繋げ、夏、秋とステップアップできればいいと思います」

――大田尾竜彦監督も「進むべき道、どういうトレーニングをすべきかが見えた。収穫は多い試合だったと思います」と話していました。フィニッシュには至らなかったものの、防御を崩すシーンもあった。

「ミスした場面でも、ネガティブなミスというより狙いに行ってのキャッチミスなど(が主)。そこで(トライを)獲りきれないのが弱さでもあるんですけど、(その過程で)崩せていたところはあった。『ここにボールを運べば、ビッグゲイン』。そういうところを、意識したいです」

——簡潔な1対1のぶつかり合いでは、向こうの強みが発揮されていました。

「僕たちはまだ身体が小さい。ただ、早稲田には早稲田の戦い方がある。クレバーに、だけど接点は激しくいけるようにしたいです」

――「早稲田には早稲田の戦い方」。キックゲームの妙でコンタクトを減らすイメージでしょうか。

「減るというより、自分たちがいいコンタクトのできるシチュエーションをいっぱい作る、という感じです」

 ここでの「いいコンタクトのできるシチュエーション」とは、相手の強さが発揮されづらいコンタクトシーンを指していよう。

 攻めてはスペースに走者を駆けこませ、タックラーの芯から逃れる…。守っては鋭く前に出て、相手が勢いに乗る前に倒す…。そんなイメージか。

 ちなみに話をしたのは7月2日。この日は東京・秩父宮ラグビー場で関東大学オールスターがあり、佐藤は対抗戦選抜の一員としてプレー。リーグ戦選抜と43―43で引き分けた。

 同じ対抗戦選抜のフッカーには、「颯くん」こと帝京大の江良颯主将もいた。佐藤は学びを得た。

——試合前日からの2日間、江良選手と同じチームで活動しました。

「レベルの高いフッカーで、スキルも高い。プレー以外の取り組みというか、チームの作り方も尊敬できます。ずっときつく言うのではなく、颯くんの方から(周りの選手へ)『コミュニケーションを取ろう』と伝えてきていて、色んな人に話しかけてもいた。こういう人が、トップの選手なんだなと。

(スクラムについては)1人でどうこうできるものではないですが、颯くんがいるのといないのとでは全然、変わります。チームに対する影響力というか、『颯くんがいるから』ということで(周りに)余裕が生まれている。僕もチームの柱というか、軸になれるようになりたいです」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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