大学選手権ここから佳境。関東対抗戦A&同リーグ戦1部&関西Aベスト15【ラグビー雑記帳】
ラグビーの学生王者を決める大学選手権では18日、各地で4回戦が実施される。主要グループの上位勢が揃って登場し、優勝争いに熱が帯びる。
本稿後段では、この戦いをリードする関東大学対抗戦A(対抗戦)、関東大学リーグ戦1部(関東リーグ)、関西大学Aリーグ(関西リーグ)の私的なベストフィフティーンを紹介する。
■いまさら聞けない大学選手権の仕組み
大学選手権では九州学生リーグⅠ部、北海道・東北地区代表、東海・北陸・中国・四国地区代表がそれぞれ1校ずつ、関東対抗戦、関東リーグ、関西リーグの各上位3チームが出場権を獲得する。
さらに前年度のファイナリストとなったチームの加盟グループからそれぞれ1校ずつが追加で出られ、今季は当初の規定により一昨季の決勝のカードをもとに追加枠が決定する。
当時は対抗戦の早稲田大学、明治大学がぶつかったため、関東対抗戦から上位5チームが参戦することになった。
さらにこの後、昨季優勝した天理大学の加盟する関西リーグからも1校、追加で参加可能となった。
それに伴い、同4位の同志社大学が12日の3回戦に登場した。2回戦までを勝ち進んだ東海・北陸・中国・四国地区代表の朝日大学に46―7で勝利している。
出場校の顔ぶれ、18日の4回戦のカードは以下の通り。
■出場校(※は26日の準々決勝から登場)
<関東対抗戦>
帝京大学 23大会連続29回目 ※
早稲田大学 38大会連続55回目 ※
明治大学 13大会連続50回目
慶應義塾大学 2大会連続38回目
日本体育大学 13大会ぶり25回目
<関東リーグ>
東海大学 17大会連続19回目 ※
日本大学 3大会連続20回目
大東文化大学 3大会ぶり27回目
<関西リーグ>
京都産業大学 9大会連続35回目 ※
近畿大学 9大会ぶり10回目
天理大学 8大会連続30回目
同志社大学 3大会連続53回目
<九州学生リーグⅠ部>
福岡大学 4大会ぶり24回目
<北海道・東北地区代表>
八戸学院大学 3大会連続4回目
<東海・北陸・中国・四国地区代表>
朝日大学 10大会連続10回目
■4回戦
明治大学 対 天理大学(大阪・東大阪市花園ラグビー場)→勝者は早稲田大学と対戦
日本大学 対 日本体育大学(東京・秩父宮ラグビー場)→勝者は京都産業大学と対戦
大東文化大学 対 同志社大学(大阪・東大阪市花園ラグビー場)→勝者は帝京大学と対戦
近畿大学 対 慶応義塾大学(東京・秩父宮ラグビー場)→勝者は東海大学と対戦
■各グループ私的ベストフィフティーン
<関東対抗戦>
1、照内寿明(帝京大学・4年)…スクラム。明治大学戦ではウイングの白國亮太の突破を援護してトライを挙げる。
2、江良颯(帝京大学・2年)…タックルしては起き上がっての繰り返し。ゲインラインを切る。
3、細木康太郎(帝京大学・4年)…早稲田大学戦、明治大学戦といった大一番において、スクラムで先陣を切ってプッシュ。相手の1、2番の間で身体を差し込んだ。
4、山本嶺二郎(明治大学・2年)…一貫してロータックル。惜敗した早稲田大学戦でも、接点周辺でパスをもらい人垣へ突っ込み前に出た。
5、本橋拓馬(帝京大学・1年)…フォワード同士のユニットで器用にパスをさばく。守ってもピンチに顔を出す。
6、ハラトア・ヴァイレア(日本体育大学・4年)…シーズン中盤にフルバックからナンバーエイトに転向。要所でジャッカル、ラインブレイクを繰り出した。
7、山本凱(慶應義塾大学・4年)…相手の分厚い壁にぶち当たり、突進。劣勢だった明治大学戦ではビッグタックルで相手を押し戻し、すぐに防御網へ入るやジャッカルで向こうの攻めを断つことがあった。
8、佐藤健次(早稲田大学・1年)…タックルの芯からわずかに逃れながら前進でき、守っても地上戦で光る。明治大学戦ではラインブレイクを連発。
9、宮尾昌典(早稲田大学・1年)…地面から球をすくい、投げるまでの速さ。抜け出した味方をサポートしてのトライも光る。敗れた帝京大学戦では好タックルがあった。
10、高本幹也(帝京大学・3年)…ギャップをえぐる突破力を有しながら、長短を織り交ぜたキックで味方フォワードの優位性を引き出す。
11、石田吉平(明治大学・3年)…エッジの効いたフットワークで局面を打開。
12、長田智希(早稲田大学・4年)…チーム戦術に倣って近場での突進役を担いつつ、好タックルも重ねる。
13、志和池豊馬(帝京大学・4年)…要所で鋭く飛び出しての好タックルを披露。攻めても相手に捕まりながら前に出られる。
14、クリスチャン・ラウイ(日本体育大学・4年)…中盤でのラインブレイク。ルーズボールを拾った後の快走。
15、河瀬諒介(早稲田大学・4年)…カウンターアタックは試合終盤になるほど脅威。帝京大学戦では序盤にリードを許すも個人技で追撃。
<関東リーグ>
1、木村星南(東海大学・4年)…スクラムは常に優勢。
2、酒木凜平(大東文化大学・4年)…器用さが光った。前半にリードを許した法政大学戦では、スクラムの修正と前向きなリーダーシップで逆転勝利。
3、星野克之(東海大学・4年)…激しい部内競争を経てレギュラー入りすると、サイズを活かしてスクラムを圧倒。法政大学戦ではプレイヤー・オブ・ザ・マッチ。
4、小池隆成(東海大学・4年)…人垣へ強烈にクラッシュ。モールの軸にもなる。
5、ワイサケ・ララトゥブア(東海大学・3年)…地上戦にも強い大型選手。もともとは突破役も粘りで評価高めた。
6、テビタ・オト(日本大学・4年)…ロックとして身体衝突の場面に顔を出す。引き分けた東海大学戦では好ジャッカル連発。
7、ジョーンズリチャード剛(東海大学・4年)…優勝チームの主将。向こうのチャンスの場面へ先回りして堅実にタックル。
8、リサラ・キシナ・フィナウ(大東文化大学・1年)…法政大学戦では勝利に繋がるターンオーバーからの突進を披露。敗れた東海大学戦でも防御で光った。
9、前川李蘭(日本大学・2年)…適宜、空いた区画へ球を持ち出しテンポよくパス。ゴールキッカーも務める。
10、武藤ゆらぎ(東海大学・2年)…蹴り合いの際は微妙に弾道を変え、いざランを選べば狭いエリアも鋭く射抜く。
11、水間夢翔(日本大学・2年)…驚異の突進力。小柄で強いため相手のハイタックルを誘える。
12、丸山凛太朗(東海大学・4年)…キック、パス、ランをシャープに選択。怪我で出場機会こそ限られたが屈指の存在感。
13、ペニエリ・ジュニア・ラトゥ(大東文化大学・2年)…大きなストライドに軽やかなフットワーク。守ってはスペースを素早く埋める。
14、谷口宜顕(東海大学・2年)…鋭いタックル。防御の死角で球をもらって大きくゲイン。
15、石岡玲央(法政大学・2年)…やや苦しんだチームで孤軍奮闘。鋭いランニングにプレースキック、円陣でのリーダーシップ。
<関西リーグ>
1、紙森陽太(近畿大学・4年)…初戦で昨季王者の天理大学を倒す。スクラムと好タックルでMVP級の働き。
2、梅基天翔(京都産業大学・4年)…独自のスクラムをリード。フットワークと強靭さで敵陣ゴール前の防御をかいくぐる。
3、平野叶翔(京都産業大学・4年)…試合終盤ほどスクラムで優勢。上位陣とのゲームでは要所で好ジャッカル。
4、フナキ・ソロモネ(京都産業大学・1年)…シーズン中盤の同志社大学戦では自陣で好守。
5、アサエリ・ラウシー(京都産業大学・3年)…常に一貫して突進とジャッカルを重ねる。
6、福西隼杜(京都産業大学・3年)…強烈なタックルとその後の起き上がりが際立つ。好調の近畿大学を倒した一戦では特に際立った。
7、三木皓正(京都産業大学・2年)…勝負を決めるジャッカル。強烈なタックル。鋭い出足のランニング。
8、鄭兆毅(天理大学・2年)…シーズン途中に先発フランカーへ定着。コリジョン(衝突)が激しい。
9、田村魁世(同志社大学・4年)…安定した技術。スペースのありかを創出しながらパスをさばく。
10、家村健太(京都産業大学・3年)…全勝チームの正司令塔。自らゲインラインを切れる。
11、和田悠一郎(同志社大学・4年)…オフ・ザ・ボールで際立つ。鋭いタックル、スペースへ駆け込みながらパスをもらってのビッグゲイン。
12、ジェイミー・ヴァカラヒ(京都産業大学・4年)…足腰の強さをゲインラインの攻防で活かした。
13、マナセ・ハビリ(天理大学・2年)…出番を得れば縦への強さ示した。
14、江本洸志(天理大学・4年)…フルバックとして要所でジャッカルと好ラン。
15、竹下拓己(京都産業大学・3年)…エリアを獲ってペナルティーゴールを決めてゆく戦法を成立させた。