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日本代表、スコットランド代表に20-29。試合直後に背景語る。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
試合後にお辞儀。(写真:ロイター/アフロ)

 ラグビー日本代表は11月20日、敵地エディンバラのマレーフィールドでスコットランド代表に20―29で惜敗。球を保持する戦法で最後まで競り合ったが、要所でのエラーで勝ちを逃した。

 もっとも、11月以降の欧州ツアーではアイルランド代表に5―60で負けるなど終始苦しんでいた。それだけにスコットランド代表戦後、指揮官のジェイミー・ジョセフヘッドコーチは「素晴らしいプレーをしてくれた」と選手をほめた。ピーター・ラブスカフニゲーム主将との会見で何を語ったか。

 以下、共同会見時の一問一答(編集箇所あり)。

ジョセフ

「選手たちは素晴らしいプレーをしてくれた。日本ブランドらしいアタックで相手に圧力をかけられた。ただし自分たちのミスでそのプレッシャーをなくし、チャンスを与えた部分があった。(前半終了間際にトライを奪われながら)ハーフタイムも下を向かず、自分たちのプレーを取り戻せた。それは自分たちの収穫。

 これからは自分たちがミスをしないでプレッシャーを減らす。そうしないと、勝つのは難しい」

ラピース

「きょうの日本チームに誇りを思う。簡単なミスを修正しなければならないが、ポジティブな結果になった。学んだことを活かして成長していけたら」

——欧州遠征1勝2敗。得たもの今後の収穫は。

ジョセフ

「自分たちは長くラグビーができなかった。2年間で6試合です。マレーフィールドでレベルの高い試合ができた経験、学びを今後に活かしたい。選手は今後リーグワンでプレーしますが、成長し続けていくことが大事」

ラブスカフニ

「これからしっかり自信を持って、学んだことを活かし、未来に向かっていく」

——若手を起用した。

ジョセフ

「ポジティブな経験。中野将伍、齋藤直人ら若手が未来に向けてマレーフィールドでプレーし、学ぶことは重要」

——パス、ランを主体に攻めた。

ジョセフ

「きょう、試合を観て感じたと思いますが、自分たちのブランドのラグビー。相手によって自分たちのプレーを調整している。スコットランド代表はボールキープをする。それに対し、自分たちのフィットネスレベルを活かせれば…と、ボールを回し続けました」

——ディフェンスは。

ジョセフ

「全体的なディフェンスに関しては満足しています。コリジョン(衝突)でも対抗できた。ただセットプレーでは経験のなさで反則を犯した。身体の大きな相手のラインアウトモールをどう止めるかは課題。セットプレーに関しては、まだまだチャレンジしなければならない」

——「学びを活かす」具体的にどんな取り組みをして欲しい。

ジョセフ

「ひとつめはワールドカップ(日本大会)からのスタートと考えると、リタイアした選手、年齢が上がった選手もいる。そこで若い選手を探し、育成することが重要。またいままで3~4年は、スーパーラグビーで激しいラグビーをする機会があった。ここで激しいラグビーをする機会をどう取り返すかが重要」

——欧州で勝つには何が必要か。

ジョセフ

「コンディションという意味では、海外の冬の季節に多くの観衆の前でプレーすることは(普段と)違う。ワールドカップへいい準備になった。特に中野選手にとって、マレーフィールドでプレーしたのは素晴らしい経験。勝つための魔法のレシピはない。長い準備期間を経てラグビーをしていくことで成長できる」

 前主将でフランカーのリーチ マイケルは、「満足はまったくないですけど、チームは成長できている」。以後は2022年1月からの国内リーグワンに向け、再調整する。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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