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敗因は「全て」? 日本代表がアイルランド代表に5―60で敗戦。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
グラウンド上でインタビューを受けるラブスカフニ(写真提供=JRFU)

 ラグビー日本代表は11月6日、敵地・ダブリンのアビバスタジアムでアイルランド代表に5―60と大敗した。

 試合後、ジェイミー・ジョセフヘッドコーチとピーター・ラブスカフニキャプテンが会見した。

 以下、共同会見時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

ジョセフ

「最初はセットピースが重要と思っていました。(相手の)プレッシャーが強かった。ただ、ミスが多かった。私たち、やはりしっかりと決めるところは決めなくてはいけないと話しました。アンフォースドエラー。イエローカードがあり厳しい試合になった。アイルランド代表はよかった。セットピースは正確で、(スタンドオフのジョナサン・)セクストンは勇敢な選手。私たちは受け身になったと思います」

ラブスカフニ

「最初から強いプレッシャーを受けたのは皆さんお分かりの通り。セクストン選手はこの日100キャップ目。アスリートとして皆からの祝福、称賛に、値する選手。きょうは彼だけではなく、アイルランド全体が誇りに思える日だったのではと思います」

——セクストン選手に刀を渡していた。

ラブスカフニ

「思い出として、日本を象徴するものを渡したいと思っていました」

——次のワールドカップフランス大会に向け、チームはどんな状況か。

ジョセフ

「パンデミックで準備が遅れているのは確か。あと2年。試合も少なかったのですが、この遅れはチームとして取り戻さなくてはいけない。色んなラグビーユニオンにとって難しいことは同じ。スケジュールはタイト。私たちは今回、強いアイルランド代表と戦えたので、このような時期にできることをしなければいけない。ユニオンのことを考えるのはユニオンの会長の仕事。私はヘッドコーチとしてやるべきことをやるだけ」

——防御が破られた。

ラブスカフニ

「アイルランド代表のモメンタム(勢い)を止められずプレッシャーがかかった。その流れでどんどん繋がれて、自分たちはそれを止められずにリセットできなかった」

ジョセフ

「ブラインドサイド(狭い区画)でゲインを切られて、次にオープンサイドのディフェンスの人数を調整することができなかった。それで人数が合わない(数的不利ができる)ことがあった。リンクのところは調整しないといけない。

もうひとつ、最初のコンタクトで相手を止められなかった。後半はそこの部分はよくなったが、まだまだ改善しなければならない」

——レフリーとの対話は。

ラブスカフニ

「レフリーとのコミュニケーションは問題なかった。レフリーがどうこうというより、自分たちのことに目を向けなければいけない」

——ハイボールを蹴り上げた後の競り合い、その後のディフェンスの精度を高めるにはもっと時間がかかるか。

ジョセフ

「自分たちとしては改善すべき点は全て。その部分で自分たちは負けた。そのひとつがハイボールでした。アタック、ディフェンス、セット、全て改善していくのが仕事です」

——攻撃は。

ジョセフ

「前に進むことが必要。ただそれができなかった。自分たちのミスがあったからです。ラインアウトではノットストレート(真っ直ぐ投げ入れられない反則)を何度もしていた。自分たちのモメンタムを作れば自分たちのアタックはできる」

——ハーフタイムの指示は。

ジョセフ

「シンプルにセットピースを修正する。モメンタムを作る。特別なことは言っていない。きょうは前半終了間際、フッカー(坂手淳史)にシンビンが出た。チームとしてはなかなか難しい。強い相手は、そこに圧力をかけてくる。きょうは自分たちがプレッシャーのなかで耐えるということを学んだ」

 チームはこのまま欧州遠征を続け、14日にはポルトガル代表、20日にはスコットランド代表にそれぞれ敵地で挑む。

 ラブスカフニは「自分はこのチームを信用しています。マネジメントグループも信じている。これから前を向いて、次の試合に向かってやるべきことをやらなければ」と声を絞った。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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