Yahoo!ニュース

日本代表が南半球の対抗戦に加わったら? オーストラリア代表指揮官が返答【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
ノーサイド後はジャージィを交換(写真提供 日本ラグビーフットボール協会)

 ラグビーワールドカップで2度優勝したことのあるオーストラリア代表は、10月23日、昭和電工ドーム大分で日本代表に32―23で勝利した。

 世界ランクで7つ上の実力を示した格好だが、デイブ・レニーヘッドコーチはプレーの出来に不満足。逆に、日本代表のプレーぶりを称えた。

 オーストラリア代表は、今秋のラグビーチャンピオンシップ(南半球4か国対抗戦)で南アフリカ、アルゼンチンから4連勝と勢いづいていた。

 試合後の会見では、日本代表の同対抗戦参加に関する質問も飛んだ。その延長で、日本のメディアで報じられる「ティア1(最上位)と呼んでもいいチームになっている」という談話が生まれた。

 以下、共同会見時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

——この試合をどう評価するか。

「かなりイラついたところはありました。我々のラグビーはある程度やれたが、スペースへプレッシャーをかけるところで、もっとよくできたはず。日本代表がよくやったのだが、もっとプレッシャーをかけるべきところがあった。

 日本代表のテンポが非常に速いのは織り込み済み。その中でどうするか(を準備し)、精度も求めた。我々もまだ学んでいる。よくボールキャリアができたところ、いつも戦っているのと違うタイプのチームとやれたという意味ではいい準備ができた」

——ブレイクダウンについて。

「最初はよかった。でもペースで日本が追いついてきた部分もあると思います。(反則を取られないための)状況判断が個々に必要だったと思います。その他、よく検証していく」

——日本代表がラグビーチャンピオンシップに参戦するかもしれない、と言われているが。

「日本代表は強いチームですし、スタッフも素晴らしい。選手層も深くなっている。ティア1(最上位)と呼んでもいいチームになっている。スタンダードは上がっている」

 主将のマイケル・フーパーも、この日の日本代表を高く評価する。

「この数年間で急速に成長している。ボールのリサイクル、ブレイクダウン、アタッキングプレーヤーもよかった。スピード感を持って成長している。また、ラグビーをエンジョイしているように思いました」

 ちなみに日本代表のラグビーチャンピオンシップ参戦にまつわる質問は、海外メディアによるもの。日本代表のベン・ガンターも同じように聞かれ、こう答えている。

「きょうは久しぶりのゲームでいいラグビーができた。結果は出ませんでしたが、自分たちのラグビーのレベルはティア1チームに対抗できるもの。毎週、ティア1チームと試合をしたら勝てるチームになっているのではと思っています。我々はエキサイティングなラグビーをする。ボール・イン・プレー(プレーが途切れない)の時間が長く、アンストラクチャーの状況を作るためにキックを使う。それは、ファンが見たいものでもあるのではないでしょうか」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

すぐ人に話したくなるラグビー余話

税込550円/月初月無料投稿頻度:週1回程度(不定期)

有力選手やコーチのエピソードから、知る人ぞ知るあの人のインタビューまで。「ラグビーが好きでよかった」と思える話を伝えます。仕事や学業に置き換えられる話もある、かもしれません。もちろん、いわゆる「書くべきこと」からも逃げません。

※すでに購入済みの方はログインしてください。

※ご購入や初月無料の適用には条件がございます。購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。

向風見也の最近の記事