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ワールドカップ対戦国戦士がサンウルブズへ。コナン・オドネルが語る入団経緯。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
スクラムはタフ。笑顔はチャーミング(著者撮影)。

 国際リーグのスーパーラグビーへ日本から加わるサンウルブズへ、アイルランド出身のコナン・オドネルが新加入した。今秋のラグビーワールドカップ日本大会で日本代表が戦う国の出身者とあり、その報せはファンを驚かせた。

 

 2015年からアイルランドのコナートに在籍してきたオドネルは、身長178センチ、体重115キロの23歳。スーパーラグビー挑戦は今回が初。

 自身2試合目の出場となったレベルズ戦(東京・秩父宮ラグビー場、7―52で敗れた)後、取材エリアで問答に応じた。

 以下、共同取材時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――サンウルブズ、いかがですか。

「いまのところ凄く気に入っています。雰囲気が好きです。仲間は自分を温かく迎えてくれて、皆、楽しみ方が上手。フリータイム、一緒にコーヒーショップに出かける時、皆、からかいあっています。コーチ陣も素晴らしく、私にとって学ぶことが多い。ファンも、いままで見たなかで最高です」

――持ち場のスクラムは、互いのコンビネーションが大事。途中加入してどう適応していくか。

「新しい人とスクラムを組む時は、皆がどういうスクラムを組もうとしているかをうかがいながら調整、一体化できるようにしている。それがひとたびできれば、サンウルブズも素晴らしいスクラムが組めます。日本人の方が、実はスクラムのことをよく知っているように感じます。学ぶことが多い。ここで、私が何か価値を付け加えられたらいいですね。

 マーティ・ヴィールスクラムコーチの存在が大きい。いまのところ、彼とスクラムの話、レビューをしています。学ぶことが多い」

――いまこのタイミングで、日本のチームへ来たわけは。

「スーパーラグビーでのプレー機会があること、日本文化に興味があったことです。日本ラグビーは観ていて楽しく、やっても楽しいだろうと思っていました。オファーが来た時、飛び込みました」

――日本のファンは、ワールドカップで対戦する国の選手がサンウルブズへ来たことに驚いています。

「アイルランド代表には勝って欲しいけどね! 日本でワールドカップがおこなわれ、自分の国の代表が来る時にそこへいられるのは幸せなこと。スパイ? …確かに向こうの選手とはいつでも話ができますからね! ハハハハハ!」

――両国それぞれの特徴は。

「スクラムで言えば、どちらも激しいところで共通している。ただ、スタイルは違う。できれば日本のスタイルを学び、帰国して活かせるようにしたいです」

 記者団から冗談交じりに「スパイ」という単語が出たら大声で笑い飛ばしたオドネル。2日後、千葉・市原スポレクパークでは笑顔でファンサービスをしていた。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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